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十四話

ギルドに入り、何となく回りを見渡すと飲み屋の所にリンクさん達がいた。

心配描けたみたいだから挨拶をしにそこに行くと


「よう、ユウト、昨日は...ぐっすり眠れたようだな」


「はい、心配をお掛けしたようですいませんでした」


「いいさ、あれだけの大物を狩ったんだ疲れていて当然だ」


「リンクさん、彼が?」

話に割り込んできたのは俺が来る前まで話をしていた少年だ

年は俺と同じもしくは低いぐらいだろうか?、リンクさんと話していたのは彼だけではなく

他に4人がいた


「ああ、さっき話した昨日アルルグを討伐したユウトだ」


「初めまして、八神悠斗です」


「俺はクルシュだ、一応1週間前から冒険者になっているから先輩ではあるかな」

殆ど変わらねえじゃん

だから一応と言ったんだろうが意味ないだろ


「そうですか、それよりさっき話したって事は俺の事を話題にしていたみたいですが」


「ああ、昨日お前がアルルグを狩っただろう?入って二日の新人がやった事を知ったコイツらが俺に真相を聞きに来たんだよ」


「なるほど」


「本人が来たんだ、直接聞いてみたらどうだ?」


「そうですね、そうします。ユウト君、一人でアルルグを倒したのは本当か?」

ユウト君....か

さん...じゃないのか、舐められてるもしくは馴れ馴れしい奴か


「はい、そうですけど。」


「どうやって?」


「普通に斬り倒しましたが?」

アホだろうコイツ

どんな小説でも冒険者はそれなりに切り札を持ってるものだろう、強いか弱いかは置いといてな

それを聞くとか...


「いや、俺が聞きたいのはそう言うのじゃない、聞いた話では3メートル級のアルルグらしい、その大きさを一人で狩るには少なくてもAじゃないと無理だと思うんだ」


「そう...かもしれませんね」


「記憶もない、冒険者なったばかりの君がどうやって一人で倒したのかな?と」

完全の舐められてるな

コイツは俺が一人で倒した事を信じていない、何らかのズルな情報で倒したと思ってる

そして自分のが先輩なんだから、そもズルの方法を俺に聞こうとしてる...だろう


「......リンクさん」


「なんだ?」


「揉め事って起こしたらどうなります?」


「.....止めとけ、俺が力ずくでも止めるぞ」

なるほど、冒険者同士のいざこざは起こして良いが

誰も見ていないところでしろ....か


「クルシュさん、貴方は俺がアルルグをどう倒したか知りたい、そうですね?」


「ああ、知りたいね」


「リンクさん、冒険者が冒険者の手口を聞くってどうなんですかね」


「さあな?だが普通は聞かねえよ」

失礼にあたる行為ってのは確定だな

そして目の前で止めたりしないのは別に違反とかじゃないから...そして

リンクさん達も知りたい..か、多分だが俺がアルルグを倒す方法じゃなくて俺自身の事を

そもそもリンクさん達はアルルグを狩れるんだ知ったところで何もない


「そうですか、....クルシュさん達は俺のアルルグ討伐法を知りたい、」


「ああ、そうだ」


「だけど俺は教えたくない、なら...決闘でもしませんか?冒険者なら自分の力で何かを手にするべきだ」


「.......」

乗って来ないのか

もうこういうイザコザは勘弁願いたいから実力を示そうと思ったんだけど....

なら....


「いいぜ、だがそっちから吹っ掛けて来たんだ、ルールは俺が決めていいよな?」


「構いません」


「なら、そうだな、5対1の決闘、俺が勝ったらアルルグで得た金半分とアルルグ討伐法を教えて貰う」

.....うわぁ

俺が勝ったときのメリット無いのに...負けた時の損失でけえ


「もし、私が勝ったら?」


「何もねえよ」


「なるほど、まあいいでしょう、そのルールで」

ニタァと笑うクルシュ...もう勝つ気満々だな....

まあ、そうだよな。5対1なんて普通は勝てない、でも...何故だろうか?負ける気がしない。

だってコイツらは冒険者のなって1週間だと言った、自主連なりしていても実戦をこなしてる数は少ないはずだ

一方俺はVRMMOとは言え2年は戦ってる、経験の差が違う


「審判はリンクさんにして貰うとして、勝利条件は戦闘不能と判断された場合続行不可能そして全滅したらで良いだろ?」


「ええ、構いません」


「それじゃ訓練場に行くか、リンクさんお願いします」


「ああ」

8人で訓練場に行き、軽く準備運動をしてから

訓練場の真ん中を挟むようにして俺たちは向かい合った


「んじゃ、決闘を始める、」

俺はその合図で前に進んだ

前にいる5人は「え?」って顔をしているが俺を気にせずクルシュのみぞうちに肘を当てながら体当たりを食らわせ、急停止し後ろに下がった

クルシュはみぞうちを押さえながら後退り、噎せている


「げほっげほげほっ!!は、反則だぞ、合図が終わってないのに....」


「何を言ってるんですか?リンクさんは始めると言ったじゃないですか?」


「んな!?リンクさん!」

え...ダメなの?始めるって言ったじゃん

それに...始めるの後に何も言う気配なかったし、これで失格されたら...

そう思い俺もリンクを見つめた


「何だ?」


「アイツあんなこと言ってますけど。反則ですよね?」


「は?反則なわけねえだろ、俺は始めるって言ったじゃねえか、お前らが気付くのが遅かっただけだろう?


「そんな!?」

反則じゃない事が分かったので、右手で柄を握り踏み込んで抜刀と同時にクルシュの腹を狙ってを剣を横に振るった


「グヘッ!?」

血とか見たくないので峰打ちだが、剣でぶん殴られたクルシュは腹を押さえながら後退し、俺は踞りながら後退するクルシュの顎を狙って蹴りあげた


これで一人目

今だに固まっている四人を順番に気絶させようと剣を振るった残り二人になったときにようやく理解が追い付いたのか対応してきたが、実力の差で一人がダウンした


「後一人だけどどうする?」


「.....降参だ、僕は魔法使いなんでね、接近戦では闘えないんだよ」


「そうか、えっとリンクさん、俺の勝ちで良いですか?」


「ああ、良いぞ、反則なんかしてないしな」

気絶してる4人を叩き起こし、決闘の結果を伝えた

クルシュがズルだ反則だと吠えていたが、リンクさんに論破されて黙った


「んで、後輩に負けたわけだけど、そこんとこどう思う?」


「正々堂々戦った訳じゃねえのに何抜かしてんだボケが!?」


「...お前バカだろ、どこの冒険者が正々堂々戦うんだよ、何がなんでも勝ちを狙い勝利する、そんなもんだろ冒険者ってのは、正々堂々戦いたいなら騎士とでも戦ってろ」


「っ!?」

罠を張り、相手の事を徹底的にまで調べ、弱点を模索し、勝ちをもぎ取る

それに今回はまだましな方だろう、向こうに勘のいい奴が一人でもいれば戦いにはなったんだから


「な、なんでたった二日の新人が何冒険者語ってんだよ」


「お前達はその成り立て二日の冒険者に5対1で負けたんだろう?」


「それは...お前が正々堂...」


「クルシュ、お前なあ、魔物や動物と戦うときに正々堂々じゃなかったから負けたとか言うのか?」

俺が言おうとした事をリンクさんが代弁してくれた

クルシュはその言葉を聞くと悔しそうに手を握りしめ、他の四人は哀れそうに見詰めていた


「い、いえ」


「なら冒険者同士の戦いにも正々堂々何て言葉は成り立たない、覚えておくんだな」


「....はい」


「それに冒険者に切り札的な物を大抵は持ってるんだ、ユウトがアルルグを倒したのはその切り札のおかげかも知れねえ、その切り札を聞くってのがどんだけ失礼にあたるか分かってんのか?」

あ~あ、そう言うことか

これ、俺嵌められたな、コイツらの指導のために使われた

多分コイツらは1週間でEかFにまでランクアップした、そのせいで大した実力があるわけでもないのに意気がってたんだろう、だから教育が必要だと判断された


「.......いえ、知りませんでした」


「はっきり言うぞお前達に冒険者は向いてない、状況判断能力低く、学習意欲もない、そんなんでやっていけると思ってるのか?」


「「「「「......ッ!!」」」」」


「何故お前らは決闘の合図に気付かなかった?何故試合途中に審判が止めたわけでも無いのに動きを止めた?何故再開の合図があると思った?。これは野良試合だぞ?」


「「「「「........」」」」」

黙り、リンクさんの言葉を受け止めている5人は今何を思ってるんだろうか?

反省してるのだろうか?、俺には関係ないと決め付けてるんだろうか?、それとも....考えても仕方ないか

俺の問題ではないんだしな、でも...


「これからも冒険者をやっていくならまず自分に何が足りないかを自覚しろ、教えて貰うのも良いな、他人任せだがまず自分がダメな部分を直す方が重要だ」


「「「「「.......はい」」」」」


「それとユウト」

え....何故俺に振る?

何かミスってたか?....


「はい」


「もう気付いてると思うが、お前を使った、すまないな」


「いえ、リンクさん達に色々恩がありますから気にしていません」


「そういってくれると助かる」

良かった。あんだけ格好つけて俺にも問題あったりしたら恥ずかしすぎる

そして...やっぱり使われてたのか...


「えっと...どういう」


「お前ら1週間でランクアップして結構調子乗っていたよな?、だからギルドから直属に教育しろと言う依頼が俺達に来たんだ」


「そう...なんですね」


「知識もない、実力もない、自分の力量も分かってない、相手の力量も感じ取れない、それだと近々死ぬぞ」

当たり前だ

例えになるが俺が森でアルルグと対面したとき真っ先に逃げることを優先した

だが、自分の力量が分からず過信し、敵の力量ももわからない場合...そのまま倒そうとして全滅するだろ

まあ、どの道あんなアルルグと出会したら逃げても死ぬんだろうけど、でも俺は死ななかった


「「「「「.........」」」」」


「もし、これからも冒険者をやっていくのなら俺が、俺達が教えてやる、ユウトお前もついでに学んでおけ」


「はい、お願いします」


「分かるか?お前達にコレが出来たか?、自分の弱さを知ってるからこそ強者から学び強くなろうとする事が」

そんな凄いことか?と思わなくないが

学校で例えると、クルシュ達はそのやれと言われた宿題をするが自らはしないが俺は宿題だけではなく自主学習もする、

その差はテストでるだろう、冒険者で言うと実戦だな。

そしてテストと違うところは....ミスると命を落とすという事だ


「お前達とユウトが違う点は自力もあるが...冒険者として心構えが全く違う。これらを踏まえて聞くぞ、お前達は俺達から学びたいか?」


「「「「「はい」」」」」


「分かった、出来る限りの事はしよう、だがまずお前達の実力を俺は知らない、だからまずは一人ずつ俺と模擬戦をしようか。ユウトもだ」

あ、俺も模擬戦するのね

別に良いけど...まあ胸を貸して貰うとするか...実力者と戦えるなんて滅多にないチャンスだ

頼めばしてくれそうだけどね


「わかりました」


「クルシュ、ナキリ、カズマ、リカ、フルム、ユウトの順番で掛かってこい」


「「「「「「はい」」」」」


「はい」

さて、どうなるのかね

ナキリとリカは女性だけど...大丈夫かな?女性は女性での採点になるだろうけど...しない可能性もある

冒険者性別は関係無いからな...まあ、大丈夫だろう

俺も人の事心配してる余裕なんてないし....模擬戦で激しく動いた時の激痛を耐えるもに精一杯なんだから


これ...勝負なるかな














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