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後継者  作者: 桃花
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家をついで16年たって変わったことと言えば姉の娘が、弟子になったということだ。

元々私と似た気質でありその下が要領が良いと言うか騒がしいというか。自分に注目してくれないと癇癪を起こすような子供であった。そのせいか母親たる姉の注意がその子に集中してしまいという感じで少し不憫であったので、遊びに来たら私は放置されている姪を集中的に構った

姉妹で差をつけたらかわいそうだという事はわかっているので、妹の方にも同じようなブレスレットをつくってあげたりしたが、すべて加護を付けずに渡した。

姉の方には、身の危険を避けれるように。食べ物に困らないようにと加護を少々つけておいた。そうもしないとご飯を忘れられたと言うことが起きそうで怖かったのだ

小学校に入ってからは長期の休みになればうちや姉の旦那さんの家に丸々滞在させたりと対策を親経由で連携を取ってもらっていた

その姪が高校受験の時に私と同じ仕事をしたいといってきた。長期休みになれば仕事をしながらでも構っていたし刺繍位なら一緒にいながらやっていた。加護にていてもどんな効果がつくものを作っているのかと聞かれたら困らない程度に説明してあげていたのだ。相談された時に少し悩んだが

「あんたの人生だから好きに生きなさい。相談ならおばあちゃんと一緒に受けるよ。まあ、恋愛とかはからっきしだからわからないけど」と否定せずにどうしたいか話を聞くことにした

「おばちゃんがしている刺繍とか機織りとかして人に喜ばれる作品を作りたい。組み紐も楽しいし。詠唱っていうの?そう言うのも聞いてて好きだからやってみたい」

「そっか。身近な私がやっているから興味が出たんだね。やってみたいでは難しいこともあるからなー。でも、興味を持つことは大切だね。まずはどういう仕事かきちんと調べて自分なりに考えておいで」と言えばうなずいている。否定せずに聞いてあげることと現実に目を向けさせる。昔両親に相談した時にそういう風にされたから私もそういう風にしかできない

「なんかあったら連絡しな。毎日電話でもメールでも良いから相談したいことや話したいことがあったら付き合うから」そう言えば嬉しそうに頷いて帰っていった

「あの子もそういう年になったんだね」もうすぐ70才になる母がそう言っている

「姉ちゃんが妹ちゃんの方に集中しているのを見て不憫だと感じたけど、あの子の世界ではそれが当たり前になってしまって悲しむとか羨むという感情はすでになくなってしまうほど擦りきれちゃったのかな?」

「それはないだろうけど。諦めるということを覚えたのかもしれない。何かあればといっても私たちは離れて暮らしているから」

「それでも。少しの慰めになれば。欲を言えば支えになれれば良いと思って接してきたんだけどどうなんだろうね。まあ、こっちの世界に入ってくるっていうなら全力で私の知っていることを教えるさ。それでどう思うか・どう考えるかはあの子次第」と笑いながらも仕事場に戻り仕事にかかる

色々考えたんだという声が携帯から聞こえてきたのはそれから数日たった頃だ。やっぱりその道に進みたいということなのでじゃあ頑張りなさい。

学校はどうする?高校でも専門の知識を教えてくれる学校もあるし普通に学校に通って独学っていう手もある。進学を考えるなら一度お父さんに相談しないとだよ。と言えば

「おばちゃんの所の高校って講座やっているのかな?」と聞かれた。

「入学式後と夏休み前に簡単に説明する程度の講座はやっているよ。私は講師として出たことはないけど、声をかけてもらった事もあるし」そう言って答えると

「じゃあ。おばさんの所の高校にする」とあっさりと決めている。

「そういうこともお父さんに一度相談しな。それで良いならおばあちゃんに言って置くから」と親に相談することを進めると。やや渋りながらわかったと言っている。年々父親とも疎遠になり始めているらしいと感じながら電話をきり母に相談する

「私が手を貸しすぎたかな?なんか徐々に他の家族と疎遠になり始めてない?」と聞けば

「お姉ちゃんが妹に付きっきりだし。年頃だから父親ともという感じなのかしら?うちの子供たちはそんなことなかったからな。まあ、あの人は子供にそれほど熱心という訳でも無さそうだし」と言っている

その相談があった週末に父親とともに姪が遊びに来た。母親である姉は妹ちゃんの方に付き添っているということで来ていないが、私のところに癇癪が来そうだ

遊びに来たと言っても進路についての相談だ。うちの迷惑でなかったらという話で父親の方も賛成している。ちょっとした懸念があったので母と姪に一時離れてもらってから

「生活費をとかは余り言いたくないけど、あの子が目につかないからといって学費とかの支払いを怠らないように。生活費とかなら私はどうにでもできますが、それなら私が養子にといった時に拒否してどうしても育てるって言い切ったの決意はどこに行ったかという話になるでしょ?今でも遅くないです。私が引き取りますか?」と言えばグッと表情を固くしている。ネグレクトという自覚はあるようだ

「父親だからどうしてもというのもわかります。それなら妹の方を少しでも担当して母親と交流させるとかできるでしょ?それをしないでお金だけを稼いでいるだけなら父親とは言いません。少しでもあの子のために時間をつくってあげて話をしてあげてください。別にメールとか電話とかだけでも良いんです」と頭を下げた

「親でもないのに」という顔をしている義兄

「おこがましいといわれるかも知れませんが、私はあの子に幸せになってほしい。小さい頃から我慢ばかりしているあの子に幸せだと思って生活してほしいんで。そのために姉に恨まれようが憎まれようが気にしないことしにたんです。できない癖にできると言って子供を寂しい思いを強制しているのは親ではないと私は思いますし」そう言えばさらに表情を固くしている

「親だというのならば、あの子のためにできることを少しでもやって欲しい。できないのであれば私にください。子の家でできる限りのことをして幸せにします」そう一方的に宣言したところで母と姪が帰ってきてしまったので話しは終わる。

それから半年。無事に受験に合格してうちから高校に通うことになった姪。母親である姉はギリギリまで自分の母校を受けるということを知らされていなかったようだ。とういうか、三者面談も父親が参加していたようで引っ越し作業の打ち合わせをしている娘と夫を見てはじめて自分の長女が受験生だということに気がついたという有り様である

新しい環境で姪は楽しそうに過ごしている。祖父母に甘え私に技術を習いながら充実した生活を過ごしているようである。高校に入学したのだからと悪意をはねのけ加護をつけたブレスレッドをプレゼントしたから余計になのかも知れない。学校で調べたり資料館で調べた加護を刺繍にしたり詠唱を調べて自分なりに考えて身につけている。

まずはちょっとずつと小物に刺繍して売買している。その売り上げで糸を買って刺繍したり組み紐をしたりしている。詠唱も低レベルのものができるようになり詠唱しながらハンカチを作っているのを見ると昔の自分のようだと思ってしまう

母も同じようなことを思ったらしく

「あんたがやっているのと一緒だ」と笑っている

そろそろ良い感じかな?と誕生日プレゼントに機織りをと思ったが、そこは父親に譲った方が良いかもしれないとはは経由で義兄にその旨連絡してもらう。簡易のものではそれほどお金がかからないものがある。私はそれより良いものを小遣いをためて買ったのだが

さて、義兄からメールが入ったようで少し眉間にシワをよせつつ居間で携帯を見ている姪。少し嬉しそうな顔をしているのでプレゼントについてなんだろうと思ったが、誕生日には機織りが届かなかった。何でだ?と思っていたら義兄から母にメールが来て断られたというないようだった

自分で購入した方が良いし、私にプレゼント何てかったら妹が面倒だということを言われたといっていたらしい。そー言えばそうだったと思って仕方がないかと誕生日プレゼントは姪が使っているものより少しだけ質が良い糸をプレゼントした

「好きなように加護をつけて好きなものを作れば良い」そうやって渡すと嬉しそうにしている。祖父母と叔母に囲まれての誕生日何てと思うだろうなと考えるが、嬉しそうに母が作ったちらし寿司を食べ。買ってきたケーキを食べているのを見ると幸せそうでよかったと思う


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