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狸のおじさんの依頼を受けて1ヶ月。機織りをしつつ詠唱して加護をつける。認識をぼかす認識の詠唱はそれほど面倒なものでも無いので気にならない。
朝9時から夕方の5時まで機織りをする。ハンカチやボタンに同じような加護をつけるならそのまま置いておいたら緩く加護がつく。ただし違う加護をつけたい場合は箱にいれて隔離しておくのがコツである。今回は寝具以外は同じ加護をつけるから隔離は、それほど面倒なことはしないで良い。ハンカチや靴下にも刺繍で加護をつけないといけない依頼なので相互効果で強くなるので、少しだけ弱めな加護がつく刺繍をつけなくてはならない。ハンカチ・靴下・ボタンには機織りの時に詠唱した加護がついているのでそれでちょうど良い感じになるようにする
夕食後に親とのんびりしながら刺繍をつける。刺繍をつけたハンカチと靴下をボタンの上に置いておくと加護が移る。 刺繍と生地を織っている時の詠唱でボタンにも加護がつくことになる。ムラなくするために1ヶ月の時間をかけてゆっくり浸透させている
1ヶ月かけてつけた加護はちょうど依頼通り低レベル−となってはずである。出来たものを依頼主が待っている服屋の元へ依頼品をもって出掛ける。
服屋には狸のおじさんと服屋の主人・問屋の主人それに顔役さんと知らない人。
先ずは狸のおじさんに依頼の品が不足していないか確認して貰ってから生地は服屋さんにシーツ類は狸のおじさん。ボタンや靴下・ハンカチ等の小物は問屋さんが金額をつけていく。適正でないと商品を得たときにきちんと加護がつかなくなってしまうので、加護つき商品の扱いは難しいと聞いたことがある。真剣に商品を査定しているのを見ながらお茶をすする。そんな私を見ている知らない人と顔役さん
なんだろうなーとは思いながらも話かけるのも怖いし。まあ、良いかと思い査定が終わるのを待ちながら顔役さんや知らない人を無視する
「お待たせしました」と声がかかり査定が終わったようだ。先ずはお試しで作ったボタンの値段を教えて貰う事になった。
「依頼した通り認識をぼかす加護つきでレベルが低レベル−となっていますからひとつで700円です。加護つきのボタンとなれば最低レベルでもこの値段がすると思ってください。で、なおかつ一箱にムラなく加護が付加されているということでブラス査定となります」ということだそれが適正らしい
「次にハンカチ・靴下ですが最低限のレベルでの加護がついたのものは1つ3千円位だと思ってください。どれもきちんとムラなく加護がついていてこれもプラス査定となります」と問屋さん
「生地はムラなく織れているいるし加護も同様にムラが無い仕上がりである。から問題なく買い取れる」
「寝具もムラなく加護がついている良い商品だ」と査定がくを書いた紙を顔役さんにそれぞれ提出して査定が商品に適正か確認してもらっている。
「適正だからこの金額で売買するか?」合計金額を出されたのを見ると大体13万位である。適正だと思ったのでその金額で売買することとした。三名から顔役さんがお金を徴収してから間違いでは無いか確認して私に渡される報酬。ありがたいと思っていると
「同じ加護でボタンとハンカチに加護をつけて欲しいんだが」と知らない人が話しかけてきた。先ほどまでおとなしくしていたのにと思いながらもお仕事の話だと我慢しているのを顔役さんが見て成長したな的な顔をしている
「こちらの方は東京の方の方でして。加護つき商品を扱っている店の社長さんですよ」と顔役に言われて若い社長だなと思ってい見ていると
「インターネットで売買しているんだ。親の代では店舗で扱っていたが、ここみたいな場所は減っているからな。インターネットの方が便利なんだ」と言っている。ここも過疎かが進んでいるが、戻ってくる人が多いのでそれほど目立っていないし外から来る人も何名かいるらしい。来ると言っても純粋な人間では無いが
「今の商品レベルだと最高で中レベル+なんだが」とおもむろに出したのは私が先月作った暇潰し作品である。どこでてにいれたと一瞬思ったが、そういえば顔役さんから返してもらっていなかった
ちらりと顔役さんを見たらにんまりとした顔をしている。犯人は顔役さんのようだ
「暇潰しに作ったのが中レベル++とかすごすぎないかあんた。でだ、親の代からの顧客で高レベル++の最高級の品をと言っている人間たちが多いんだが、できるか?」
「出来る・出来ないと聞かれたらできますが、量産できませんよ。1ヶ月で1反を製造するのがやっとです。小物のボタンや靴下とかハンカチも高レベル++なら1ヶ月に10個程度しかできませんし。複数の加護をといわれたらそれ以上に出来る品数が減りますが」余り乗り気では無いと言う雰囲気を醸し出してたがそれほど聞いていない様子だ
「複数とか出来るのか?」と食いついてくるので
「新生児の祝いとか結婚式の新郎新婦限定でならできます。あとは依頼してきた人の条件次第で来てきたり出来なかったりしますが」引きぎみで答えるとさらに食いついて来てテーブルから身を乗り出してきた。驚いて少しでも距離をおこうとして後ずさる
「あー。ちょっと頭を冷やそうか」ぐいぐい食いついている人を一旦椅子に座らせてくれた顔役さんにお礼をしてから距離をおいて座る。
「先ずは、この人の依頼を受けてあげてくれませんか?竜の姫さんが結婚するんですよ。きちんとした衣装が揃わないとして婚姻をあげれていない高位の方々もいらっしゃいますし」と言っている。結婚式をあげられないのは女性としてはいやなんだろうなーと考える
「それなら仕方が無いですけど、高位の人に認めて貰うような糸も無いですよ。ボタンもそうだし。それに製作期間だって新郎新婦ようの記事で3ヶ月欲しいところですし」そう言えば頷きながら顔役さんが。
「受けてくれるなら生地が出来るのが何ヵ月たっても大丈夫だと言われていると噂で聞いていますし。糸もあちらで用意しているでしょうから問題ないですよ。今から連絡をとって承認してもらいますからちょっと待っててくださいね。それから若旦那。彼女は知らない人が苦手なのでぐいぐい行くと嫌われますよ」忠告してから高位の人の窓口に連絡している顔役さんを見る。じりじりと話しかけようとしているのを無視しながら狸さんが孫のスーツを服屋さんに依頼しているのを見る
「そう言えば。高校の卒業式の品だと言って作ったドレスは素晴らしかったなー」と服屋さん
「そうだった。あのドレスはたしか高位の九尾さんが競り落としたんだっけ?2年以上かけて質の良い糸をつくって。なおかつ糸自体にも守りの加護がついているものを認識をぼかすのと幸運が少々舞い込みやすくなるという加護をつけて織ったやつだよな」
「ドレスに仕立てたのは違う人間だったが、それでもドレスに仕上げたあとに裾に全属性の加護を少々つけて敵意を寄せ付けない刺繍をつけていたはずだ。しかも、ドレスとして見ても違和感が無いように仕上げていたのは素晴らしかった。結構な値段になったんだよなあれ」と狸さん「希望者が殺到してオークションになったんだよあれは」と服屋さんと問屋さんが答えている
そー言えばそういうものも作ったなと思い出していると
「あれほどのものをとは言いませんが、総合的に高レベル++にしてくれれば良いんですよ」と顔役さん。電話が終わったようで
「生地だけでも良いからつくってほしいと言う依頼ですが、君ならボタンとプレゼント用にハンカチは作ってくれるでしょ?」
「あー。ボタンは同じ人で作った方が良いと思うので。プレゼント用のハンカチって何をつければ良いのかしら?幸せの福わけ的な感じの幸せが舞い込む小程度で良いのでしょうか?」訪ねてみると
「それで良いです。基本的な婚姻衣装の加護をつけてくれれば良いですから」
「互いに支え合い、尊重し会う。歩みようで良いですか?」
「基本はそうだからそれで良い」とニコニコしている。上位に良い印象を与えられれば色々やり易いからね。
「じゃあ先ずは竜族5組。狐族5組。口コミで増えるかもだかな」と言われてげんなりする
「商品はできたらこの方経由で依頼人に渡されます。代金はこちらの方の店から成功報酬として月々分割で払われますから税金対策もバッチリ」と言われて知らない人をしっかり見る。名前を交換していないので知らない人と言うしかない
「ウチで良いのか?」驚いている知らない人。話の流れ的に噛ませて貰うことができなさそうであるが、それなら顔や于さんはつれてこない
「そうしないと国税局からいちゃもんつけられるでしょ。表向きうちの家業では大きすぎるお金の動きでしょ。それにあなたの方はインターネット売買であるから小出しに商品を出してもうけたと言っても問題ないし。表向きの書類を作るに当たっても問題ないでしょ」そういっている。ま、そう考えればそうだろう。小物を数点出してつきに20万くらいの売り上げがあったと言う風にする事は出来るであろう
「さて、糸とボタン。それにお配りするハンカチを後日こちらの会社経由で君に届くことになるからお願いしますね」とその日は解散することになった