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Flower  作者: 日陰に佇む
1/3

「鈴蘭」

「遅刻!!!!!だ!!!!」

時計を見た瞬間、私は叫んだ。

時計の針は「8:10」を指していた。

普段出る時間を1時間も過ぎている

新年度早々遅刻とはついていないが、そんなこと考えている場合ではない。

急いで用意をしなければもっとついてないことに新年度早々先生に怒られてしまうことになってしまう。

「ちくしょう!!!!」

そんな事を叫びながら鬼の形相で用意をする。

時計を見ると「8:20」

髪もボサボサだしリボンも曲がっているがまぁいいだろう。

「いってきます!!!」

そう言って、私は学校へ向かった。

あの時なら多分、世界記録を出せたのではないだろうか。


------------------------------------------------------------


「ギリ遅刻1分前じゃん」

前の席の前園 るみが頬杖をつきながら言ってきた。

返事を返そうにも息が上がって喋れない私を尻目に、るみは話を続ける。

「そういえばさ、今日転校生来るらしいよ。知ってた?」

知っているはずもない。

朝の会はだいたい寝ている。

「それがなんと男の子二人!!どのクラスにくるかはまだわからないんだけどね。イケメンだったらいいなぁ!」

息を整えるのに必死でそれどころじゃないことをやっと察してか、るみが顔を覗いてくる。

「ねぇ、まひるあんた......ピン留め変えた?」

......そっちじゃない。

「わた..わたし...るみの...そうゆうと..こ....好きだぜ....」

出ない息を絞り出して言った。

「やだまひる死にそうな人の真似上手いねぇ」

るみは黄色い声でからから笑いながら腹を抱えていた。

.....殴りたくなるほどのうざったさだ。

その後は、特に何も無くHRが進められていった。まだ転校生が一人来ていないからだそうだ。遅刻か。

朝の連絡、週一回の小テスト、普段と同じように進んでいく。いつも通りだ。

その日の一限はRHRだった。

自習になっているHR中、転校生のことなど忘れてるみとトランプタワー制作に没頭していたのだが、最後の一枚を乗せるところで担任が乗り込んできた。

「おらてめえら!!席につけ!!新人が来るぞ!!!」

九仞の功を一賽に欠くとはまさにこのことだ。喋らなければ我が校美人No.1とも言われる担任の一条 叶、喋ればただのおっさんだ。昔に勤めていた会社でのせいかはわからないが、その無駄にでかい声に驚いてトランプタワーは無残にも崩れ去ってしまった。

(おーまいがああああああああああ!!!!!!!)

心の中で叫び声を上げる。

るみはすでに転校生の事で頭がいっぱいなのだろう、ドアの方をきらきらした目で見つめていた。

「どっちが来るのかなぁ!ねえどっちかなぁ!イケメンな方がいいなぁ!!」

るみは相変わらずのテンションだ。

ここで説明しておくがるみはかなりの面食いである。

オツムはゆるいが、るみ自身かなり可愛い方であまり裏表がない。(ただ人間関係に対して面倒くさがりなだけだとは思うが。)そんな性格のせいか結構愛されキャラとしてその存在を知らしめているために男がわんさか寄ってくる。

面食いだろうが何だろうが関係無しにだ。

代わって私は余り男に興味が無い。

格好いい人は好きだが見てるだけでわりと満足してしまう。

何度か告白もされてるが全部蹴ってしまったくらいには興味が無い。

だからどうせ転校生にも興味はないわかないだろうと思ってる。

「はーいお前らもっとざわざわしとけー。入ってきていいよー」

担任が声をかけると、ドアが勢いよく開く。そして勢いよくイケメンが入ってくる。イケメンが。短髪に健康的な肌色、更に服越しでもわかるがかなり筋肉があるイケメンが。

(あーこれは)

るみのほうを見ると案の定輝く目が更に輝いていた。

「惚れたか」

るみに耳打ちする。

「惚れら」

....噛んでも気付かぬほどか....。

呆れながら前を向くと、もう一人、さっきのイケメンとはまるで対称的な男子が入ってきた。

髪が長く目も耳も隠れてる。

それに服装がキチッとしてるイケメンと違ってだいぶ緩い上にものすごく面倒くさそうに歩く。

一言で言うなら、根暗なヤンキーだ。

「じゃ!自己紹介しようか!」

担任がまた大声を出す。

声が綺麗だから余計に残念だ。

「伊勢崎 元 17歳です!スポーツ全般が好きです!勉強はできません☆よろしくね☆」

語尾に星が見えた気がしたが恐らく気のせいだろう。

「朝凪 修也です。先生、お腹痛いんで帰っていいですか」

いやダメだろ。心の中で突っ込む。

「腹痛か!?しょうがねえなぁ普段はダメなんだけどなぁ帰りのホームルームが終わったら帰っていいぞ!」

「腹痛じゃなかったら帰らせてもらえねえのかよ」

.....確かに。

朝凪と先生のやり取りに何人かが肩を震わせてるのがわかる。

るみのほうをちらと見ると伊勢崎に夢中のようだ。おそらく今話しかけても反応は無いだろう。

しょうがないからまた転校生を見る。

朝凪と目が合った気がした。

「じゃあな、お前らあそこの後ろの席だから。はよ座れ」

伊勢崎は廊下側の、朝凪は窓際の席に着く。

よりにもよって、窓際の私の隣に。

どうもこんばんわ。

テンプレのような話です。

昔からちまちまと書いていたものがやっと形になったので思い切ってみようかなぁと。

全3話です。

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