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22話 ショートケーキとかんざし

 「ヴィクトリア姫様?」


 私は思わず、口に出してしまいました。


 「違うんですよー。お嬢ちゃん。よく似てはいるんですけど、ヴィクトリア姫の従兄妹らしいですよー」


 アイザックさんが説明してくれました。


 「そうなんですか、間違えてすみません」


 「いえ」


 「ところでこれから皆、どうするの」


 エクレールが言いました。


 「私とお嬢様達はこれからどうするか、話し合っていた所なの。アイザックは」


 「俺と坊ちゃんもそれ話し合ってた所なのよー」


 「じゃあ、良かったら、5人でお茶しない」


 「お嬢様がそう言うんなら、アイザックはどう?」


 「俺はいいけど、坊ちゃんはどうですか」


 「私は、別に構わない」


 ヴィルヘルムさんはそう言いました。



 喫茶店「言の葉」に入って四人掛けの席に私とメグさん、向かい合いにヴィルヘルムさんとアイザックさんの四人が座りました。エクレールはテーブルにちょこんと座っています。


 店の中に入って、ヴィルヘルムさんはフードを外し、正面から顔を見ることが出来ました。


 やっぱり、ヴィクトリア姫様に似ていて綺麗です。


 でも、男の人を前にしているからでしょうか。心臓がさっきからどきどき、どきどき、いってうるさいのです。


 うーん。ヴィルヘルムさんに会ってから何か緊張してしまいます。


 まずはメニューを見てうん、やっぱりショートケーキ一番いいかも。


 店員さんが来て、注文を聞きに来ました。


 「私は、ショートケーキと紅茶で」


 「私はチーズケーキとコーヒー一つ」


 「俺は苺大福とお茶で」


 「……私は三色団子とお茶で」


 「それでは、注文は以上ですね。失礼します」


 それから、しばらくして、注文した品が運ばれてテーブルの上に並びました。


 お城でいつも食べていますが、やっぱり外食となると違います。


 まずは、一番上にのっかている苺です。やっぱり、エクレールはじいっと見ています。


 「エクレール、はい、苺どうぞ」


 「え、いいの?」


 「うん」


 「やったあ、頂きます」


 ぱくぱく、もぐもぐ食べて美味しそうです。


 他の男性陣2人は驚いて見ています。


 「あれー、知らなかった。妖精って苺食べるんだ」


 「……可愛い」


 私もショートケーキをフォークにさして一口。


 お、美味しい。生クリームとスポンジと苺が口の中で一体となって美味しい。


 ショートケーキを食べ終わると、ヴィルヘルムさんから声をかけられました。


 「エリカ、ここ、クリーム付いてる」


 そういうと、ヴィルヘルムさんが私の頬っぺた触り、白いクリームを指ですくってそのままペロリと指をなめました。


 その仕草が色っぽくて見とれてしまいました。


 私はポーとした状態で紅茶を飲みました。


 ごほ、ごほ、ご、ごほ、ごほ。


 むせました。


 あー。何か変なとこばっかり見られてるなあ。


 「大丈夫ですか、エリカ…お嬢様」


 そう言って、メグさんは優しく私の背中を手で擦ってくれました。


 落ち着いた所で、もう一度お水を飲んで直りました。

 

 「いやー、驚いたよ。お嬢ちゃん大丈夫」


 「エリカがむせるなんて初めて見たよ」


 「……」


 「所で、ヴィルヘルムさんはどうして、この国に来たんですか」


 「あー、それ私も知りたい」


 「ヴィクトリアに連れられてきた」


 「そうなんですか。京魔国、気に入ってくれましたか?」


 「ああ、素敵な国だと思う。鉄道があるなんて随分化学と魔力が発達していると思います」


 「他に京魔国を観光しましたか?」


 「桜大寺に行って来ました。驚きました。見事な桜の木に美味しい大根でした」


 「あの、ヴィルヘルムさんはいつまで京魔国にいるんですか?」


 「その予定は、……当分ここにいる予定です」


 「その、終新しまあらの祭があるんですけど、良かったら見に来てください」


 「エリカは祭には参加しないの」


 「えっと、兄に聞いてみないと分からないので……」


 「そっか、良かったら、一緒に見に行かない。エリカ」


 「えっと……」


 「行きましょう。お嬢様、私もお供します。アイザックも」


 メグさんが言ってくれました。


 「それじゃあ、よろしくお願いします」


 こうして、私とヴィルヘルムさんとメグさんとアイザックさんとエクレールで終新の祭の見物に行くことなりました。


 それから、喫茶店を出て雑貨屋さんを見ました。


 店の中は可愛い物でいっぱいです。私は髪飾りのコーナーを見ていました。


 可愛いかんざしが並んでいます。


 銀の棒に青い飾りがついたシンプルなかんざしです。


 兄さんから貰った桜色のシュシュと合わせて見ようして、かんざしを挿しましたがうまく纏まりません。


 「ちょっと貸してご覧」


 ヴィルヘルムさんが隣にいて、シュシュとかんざしを渡しました。


 ヴィルヘルムさんは私の髪を手で梳いて、シュシュでまとめて、かんざしを挿してくれました。


 鏡の前に立って見ると、ハーフアップに結んでまとめた髪にシュシュとかんざしがいい感じに纏まっていました。


 すると、ヴィルヘルムさんは店員さんを呼んで、「これいくらですか」と聞いて買ってしましました。


 「あ、あのヴィルヘルムさん、買って貰って良いんでしょうか」


 「ああ、ボク、いや、私からのほんの気持ちだ。気にしなくていい」


 「ありがとうございます。ヴィルヘルムさん」


 「エリカ、私をヴィルと呼んでくれ」


 「ヴィルさんですか」


 「さんはいらない」


 「分かりました。ヴィル」


 「それから、ヴィクトリアのことだがどう思う、エリカ、好きか」


 「えっと、ですね。ヴィクトリア姫様のことは好きっていうよりも大好きです!」


 「……、そうか」


 それから、私達は別れて、別々にお城に帰ることにしました。


 


 今日はヴィルに会えて嬉しかったな。ヴィルのこと考えると胸がドキドキします。


 なぜでしょうか。



 エクレールは一人で考えていた。

 今日会った、ヴィルヘルムはヴィクトリア姫と同じ魂をしていた。

 そして、魔法の力も感じた。

 やっぱり、ヴィルヘルムはヴィクトリア姫と同一人物ではないかと考えた。

 ふふふ、何だか面白くなってきたわ。

 ユートもエリカも好きなタイプは似ているのね。

 

 





 

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