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21話 桜大寺

 今日は12月の冬至の日です。


 寒さはますます寒くなり、冬将軍の訪れを感じます。


 空は青く澄み渡り、晴れです。


 今日は兄さんに許可をもらって城下町へ遊びに行く予定なのです。朝から楽しみです。


 私のお共に友達の妖精エクレールとお世話係のメグさんが一緒です。


 城門を出て、私達はお忍びで城を出たのです。


 私の服装は冬用の紺の着物に赤いショールを羽織って手にはピンクの巾着袋を持っています。


 メグさんの私服は淡い藤の花の柄のついた白い着物に京魔国産のコートを着ています。


 エクレールは気に入ったのか緑の着物にピンクの帯した姿です。髪の色も一緒で可愛いです。


 

 「今日は何処見に行こうかな。メグさん、どこかお勧めの場所ってありますか」


 私はメグさんに聞きました。


 「そうですね、今日は冬至ですので桜大寺さくらだいじで開運試食会がありますよ」


 「「開運試食会」」


 私とエクレールは同時に声をあげました。


 「はい、京魔国で育った大根を食べるんですよ」


 「おいしそう……」


 「いいな、私も食べてみたい」


 「それでは、最初に桜大寺に行ってみましょうか」


 「はい、メグさん」


 こうして、私達は桜大寺に行きました。



 桜大寺はお城から北へ2キロほど、歩いた所にありました。


 冬なのに桜並木があって、桜が綺麗に咲き誇っています。


 この光景は幻想的で夢の中にいるのではないかと思うくらいです。


 石畳を歩いて、左右にはお土産屋さんや食べ物屋さんが色々並んでいます。


 そして、まっすぐ歩くと、そこにはとても大きな桜の木が咲いていたのです。


 一本の桜の木がいくつも重なり合って長い年月かけて大きな桜の木になったのでしょう。


 その桜の木には白の縄が巻かれて、どっしりとした風格を表していました。



 桜を見物していると、良い匂いがしてきました。


 炊き出しがされています。


 巫女服を着た女の人達が湯気が立った熱々の大根の味噌汁をよそって配っていました。


 私達も並んで熱々の大根の味噌汁を頂きました。


 香りは味噌と出汁のとれた食欲をそそる良い匂い。


 見た目は味噌と出汁を吸い込んだ茶色の大根です。


 お味は、熱々、味噌とかつおと昆布の風味を取り込んだ大根は最高においしいです!


 私達ははふはふと、熱々の大根の味噌汁を食べ始めました。


 「おいしいですね。メグさん」


 「そうですね。お嬢様」


 「私も食べたい。エリカ、ちょっと私に分けて」


 「良いけど、エクレールって食事はしなかったよね?」


 私はお椀をエクレールの方に向けて大根をお箸でもってエクレールの口元に持ってきました。


 すると、ぱくっむしゃむしゃ。


 小さい口でエクレールは幸せそうに大根を食べています。


 「ああ、美味しかった」


 約一口分ほど、大根が減っていました。


 「私も普段は食べないんだけど、美味しそうだったから、食べちゃった。テヘ」


 知りませんでした。エクレールも食事をすることができるなんで、新たな発見です。



 それから、私達は桜大寺を見て、桜大根を食べて、露店を見て次は何処へ行こうか相談していたところでした。


 見かけたことのある髪の色です。オレンジの髪に青い瞳のイケメンお兄さん。アイザックさんです。


 アイザックさんは私がエストランダという国から京魔国まで一緒に旅をした仲間です。 


 私はアイザックさんを見つけると、後を追いかけて声をかけました。


 「こんにちは、アイザックさん。お久しぶりです。エリカです」


 「ああ、お嬢ちゃん。久しぶり、一人で来たの?」


 「ううん、違いますよ。メグさんとエクレールも一緒です」


 後ろからメグさんとエクレールがやって来ました。


 「お嬢様、かってに一人で何処かに行かれてしまっては困りますよ」


 「すみません」


 「あ、アイザック、こんな所で何してるの?」


 メグさんが言いました。


 「メグはお嬢ちゃんのお供かい。俺は坊ちゃんの護衛」


 「メグさんとアイザックさんて知り合いなんですか?」


 私は二人に聞きました。


 「はい、私達、幼馴染でございます」


 「まあ、家がお隣通しで小さな頃からの腐れ縁ってやつですよー」


 「ところでそこにフードをかぶった人がいるんですけど、その人は誰ですか?」


 「ああ、坊ちゃんですね。坊ちゃん、恥ずかしがらずに挨拶でもしたらどうですか」


 アイザックさんに気を取られて気づきませんでしたが、フードを目深にかぶった男の人が一緒にいました。


 「こんにちは、初めまして、エリカです」


 フードをかぶった男の人は私の方を見て、言いました。


 「ボク……いえ、私はヴィルヘルムです。」


 私はヴィルヘルムさんを見た時、驚きました。


 綺麗な長い金髪に春の空の瞳に京魔国ではあまり見慣れない顔立ちの私より2,3歳年上のお兄さんでした。


 そして、驚くことにヴィクトリア姫様とよく似ていたのです。




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