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20話 幼馴染と小説家

 元に戻った翌朝、私はきちんと自分の部屋で起きて、身支度を整えて、朝食を摂りました。


 兄さんが私の体になっている間に、体に変化はありませんでしたが、外見が変わりました。


 少し大人っぽくなってオシャレをしていたのです。


 私はメグさんと話をして、元のままで良いと言いました。


 メグさんは「残念ですわ……」と言いました。


 「でも、これで髪を結ってくれませんか?」


 私は桜色をしたシュシュをメグさんに渡しました。


 「まあ、素敵ですわね。これは、陛下が選んだものですか」


 「はい!兄さんが髪飾りを選んで買ったんです。私もこのシュシュ、可愛くて素敵で気に入っちゃいました」


 そう言って、メグさんは私の髪を梳かして、ハーフアップにしてシュシュで結ってくれました。


 三面鏡に映った自分の姿を確認して、やっと自分になれた気がします。





 一方、俺は朝の運動をして、身支度を整え、朝食を済ませ、プリシラに会いに行った。


 プリシラは人気のない客室に軟禁して監視を付けている。


 俺はプリシラがいる客室へ入った。


 中は必要最低限の家具とベットがあり、暖炉には火が燃えている。


 「プリシラ、おはよう」


 「ああ、おはよう。ユート、機嫌はいかが?」


 「やっぱり、自分の体が一番だよ」


 「私、自分のした事に後悔はしていないから、ユートを愛しているからしたのよ」


 「プリシラ、何度も言うけど、俺の魔力がお前をそういう気持ちになっているんだ。特にプリシラの魔力は強い。だから、余計に歪んでしまったんだ。だから、プリシラを国外追放として魔力を奪う」


 「そう、だから私を遠くへと行かせるのね……」


 「俺だけだったら、まだ考える余地もあったが、今回は妹を巻き込んだことは許せない」


 「分かったわ」


 プリシラは目の輝きは無く虚ろで無表情だった。


 「出発は一週間後だ。その内に家族にでも会って挨拶しておけよ」


 「そうね。一応、別れの挨拶はしておくは、ありがとう。ユート」


 こうして、俺はプリシラの元を去った。


 今回の妹を巻き添えにしたことは、許せなかった。





 私は兄さんの執務室に用があって兄さんに会いにいきます。


 「おはようー兄さん」


 「おはよう、エリカ」


 「おはようございます。エリカ姫様」


 執務室には兄さんが机に座り、仕事をしていました。そして、ユリアーネさんが兄さんの仕事を手伝っていました。


 「兄さん、今日の予定なんだけど、時間空いてない?」


 「まあ、午後からなら空いていたかな、なあ、コーネリア」


 「はい、今日は午前中のみ仕事だけでございます」


 「あのね、つぐみさんとヒナタさん家に行って、お礼を言いに行きたいんだけど……」


 私は兄さんの予定を聞いてから、用件を言いました。


 「そうだな、つぐみちゃんの所に行かないといけないな。どうして、彼女がこっちの世界にいるのかも知りたいしな」


 「それじゃあ、今日の午後からつぐみさんとヒナタさん家に一緒に行こう、兄さん」


 「ああ、そうだな」


 こうして、私と兄さんは私がカエルになった時にお世話になったつぐみさんとヒナタさんの住むアパートに行くことに決まったのでした。





 ヒナタさんのアパートは築50年以上の赤レンガで素敵な建物です。


 ヒナタさんの住んでいる部屋の前の鈴を鳴らして、ヒナタさんが出てきました。


 「……ああ、この間のカエルちゃんとそのお兄さんね」


 「こんにちは、ヒナタさん。今日は妹を助けてくれたお礼を言いに来ました。妹をカエルの姿になった時に助けて下さってありがとうございます」


 「私も助けて下さってありがとうございました」


 私と兄さんはヒナタさんにお礼を言って頭を下げました。


 「まあ、立ち話も何だからもし良かったら中に入ってお茶位出せるし、今、つぐみも話したいだろうし」


 「それじゃ、お言葉に甘えてお邪魔するか、エリカ?」


 「うん」


 ヒナタさんは私と兄さんを中へ通してくれました。


ヒナタさんの部屋はキッチンに居間には暖炉があって部屋がもう一つあります。そして、ロフトがついています。


 居間に通されて、お茶を飲んでいたつぐみさんが驚いて、ソファから立ち上がりました。


 「優斗君、エリカちゃん……会いに来てくれたの?」


 「そうだよ、つぐみちゃん。この間、妹を助けてくれたお礼とつぐみちゃんがなぜこの世界に来たのか知りたいんだ」


 「こんにちは、つぐみさん。この間はカエルになった私を助けてくれてありがとうございました。」


 「まあ、狭いとこだけど、とりあえず座って、皆、お茶入れから」


 ヒナタさんがそう言って、私と兄さんはソファに座って、ヒナタさんとつぐみさんは椅子に座りました。


 「この間、どうしてエリカちゃんはカエルに魔法をかけられたの?」


 ヒナタさんは言いました。


 兄さんは私がカエルになった理由をヒナタさんとつぐみさんに言い、兄さんの仕事(身分)を明かしました。


 最初は二人とも驚いていましたが、兄さんと私が嘘を言っている様にも見えず、信じてもらえたと思います。


 そして、今度はつぐみさんがこの世界きたきっかけを話してくれました。


 「私はね、街中で優斗君を見かけたの。携帯ショップでそれで後を付けていたら優斗君のお母さんのお墓について、エリカちゃんとおじさんが一緒にいるのを見たの。それで、話すきっかけを見つけようとして、近づいたら、この世界に来てたの」


 理由は、私達の異世界を行き来するときにつぐみさんが巻き込まれたようです。


 「それから、言葉は何とか通じて、街をふらついて困っている時にヒナタさんに会ったの。」


 「つぐみのこと放って置けなくて家に入れたら、何となく住みついちゃったのよね、この子」


 「ヒナタさんって、すごいんだよ兄さん。名前はヒナタ・ダイチって言って兄さんが読んでいる小説を書いている小説家なんだよ」


 「うおおおおおーーー!!!」


 私が言うと、兄さんは嬉そうな声を上げて立ち上がりました。


 「俺、あなたの小説のファンです。握手してもいいですか」


 「そ、それは良いけど……」


 兄さんは両手でヒナタさんの手を掴みブンブン振っています。


 それから、話はこれまでの生活をお互い話し合い、時間が過ぎました。


 「あ、もうこんな時間、冬の季節は日が落ちるのが早いわね」


 ヒナタさんが言いました。 


 窓から見る夕日は綺麗です。


 「それじゃ、そろそろ帰ろうかエリカ」


 「う、うん」


 「今日はお邪魔しました。ヒナタさんつぐみさん」


 「今日はありがとうございました。ダイチ先生、つぐみちゃん」


 「つぐみのこともあるし、いつでも遊びにおいで」


 「優斗君、エリカちゃん。また、来てね」


 そう言って、私と兄さんはヒナタさんのアパートを出て、護衛の人に見守れてお城に帰り始めました。


 ヒナタさんのアパートって本当に素敵でした。


 つぐみさんをこの世界から帰る方法を考えなければならないと兄さんは一人で考えていました。


 街は賑わいわ見せて、活気づいています。


 「兄さん、いつもより、ここ活気づいてるね」


 「ああ、もう12月だからな、終新しまあらの日に向けて準備してるんだよ」


 「しまあら?」


 「エリカは初めてだったな、年の終わりの日と始まりの日を祝うお祭りだよ。日本でいう大晦日とお正月だな」


 「へえ、何だか楽しそう」


 「エリカも近いうちに城下町なら行ってみてもいいぞ」


 「本当?兄さん、ありがとう」


 「ただし、護衛としてエクレールと一緒に連れて歩くこと。メグも一緒に共につけてだぞ」


 こうして、私と兄さんは城へと帰ったのでした。




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