16話 入れ替わり5
プリシラさんとヴィクトリア姫様の決闘の話し合いが済んで、私と兄さんとリヒャルト兄さんとヴィクトリア姫様は兄さんの執務室へ移動をして、話し合いを始めした。
「ところで、聞きたかったことがあるのですが……卓球とは何の競技でしょうか?」
ヴィクトリア姫様は疑問に思っていたことを言いました。
「やっぱり、知らなかったんだな、ヴィル」
リヒャルト兄さんは「やっぱり」と言ってヴィクトリア姫様に卓球の説明をしました。
「卓球とは、異世界からの競技で長方形の台の上で、ラケットを握ってボールを打ち返す球技だ」
「……そう、それじゃあ、実際やってみたいのだけれど、場所はどこで出来るのかしら」
「それだったら、俺の卓球部屋がある」
兄さんが言いました。
「エリカ……じゃなくて今はお兄様がエリカの姿をしているのね……」
「えっと、紹介はまだでしたね。私がエリカです。今は兄のユートの体になっています」
「俺がエリカの兄のユートです。よろしくお願いします」
「そう、エリカってば、エストランダにいた時は栗色の髪をしていたけど、染めていたのね。黒髪にその髪型、とても似合っていてよ」
ヴィクトリア姫様はそう言って、極上の笑みを浮かべました。
ぼふんっ!
どこかで何か噴火したような感じがします。
兄さんからでしょうか……
兄さんは固まったままヴィクトリア姫様を見ています。
兄さんの感情が限界を達し、壊れたようです。
さて、兄さんをどう正気に戻そうか……
ここはエリカチョップ!
ぱんっ
「……なぎたんとシャナたんとルイズたんに似ていた」
はい、兄さんの言っていることは気にしないで、場所を移動しましょう。
兄さんの部屋にある卓球部屋に移動しました。
「これが卓球台で、俺が手にしているのがラケット、そして白いのがボール」
兄さんはヴィクトリア姫様に卓球に使う道具とルールの説明をしました。
「大体、わかりましたわ。それで、ボクがラケットを握ってボールを打ち返せば、いいのですね」
「はい、その通りです」
「でもその前に、動きやすい服に着替えてきても宜しいでしょうか」
ヴィクトリア姫様の服装は旅をしていたので軽装な青のワンピースを着ていますが、卓球をするにはいささか動きにくそうです。
「それは、気づかず失礼しました。どうぞ、着替えて着て下さい」
兄さんはそう言いました。
それから、ヴィクトリア姫様は着替えるために一度、部屋を後にしました。
兄さんの部屋に残った私と兄さんとリヒャルト兄さんでお茶を飲むことにしたのです。
「兄さん、何か顔が赤いよ。大丈夫」
ヴィクトリア姫様と話してから兄さんの顔が真っ赤になって熱があるのかもしれません。
「ああ、大丈夫だよ、エリカ。ちょっと暑いだけだから」
「それより、妹が急にお邪魔して申し訳ありませんでした……」
リヒャルト兄さんは私と兄さんに頭を下げました。
「いいや、リヒャルト、ヴィクトリア姫のお蔭でプリシラが俺達を戻す方法を教える気になった、逆に助かったよ」
「うん、私もヴィクトリア姫様には感謝してるし、卓球の勝負に頑張って欲しい」
「そうか、そう言ってもらえると、ヴィクトリアがここまで来たかいがあるものだ」
リヒャルト兄さんは笑顔でそう言いました。
それから、着替えを済ませたヴィクトリア姫様が来て、卓球の練習をすることになりました。
ビクトリア姫様が着ている服装は白のフリルが付いたブラウスにピンクのカーディガンと黒のスラックスを着ています。靴は茶色のブーツ履いています。動きやすそうな服装でとても似合っています。
「それじゃあ、始めようか」
兄さんが言いました。
兄さんが先生になってヴィクトリア姫様の卓球の練習が始まりました。
ぱこん、ぱこん。
「良い感じだよ。運動神経良いんだね」
「これでも、乗馬と弓は得意ですの」
30分後。
たん、たたん。
「はあ、はぁ、まだまだ」
「だんだん、呼吸が乱れてきていますが大丈夫ですか」
たん、……ぱこ。
「あー落ちてしまった」
「今まで続いていましたのに、残念ですわ」
兄さんとヴィクトリア姫様の打ち合いがずっと続いていました。
兄さんがボールを落としてしまいました。
「ユート、エリカの身体じゃあ、体力に限界があるんだ。少しは休憩したらどうだろう?」
二人の様子を見ていたリヒャルト兄さんが言いました。
「ああ、そうだな、エリカの体力だと疲れて当たり前だもんな、助言ありがとな、リヒャルト」
「それじゃあ、休憩にしよう。兄さん、ヴィクトリア姫様」
私はそう言って、兄さんの部屋にあるお水を用意して二人に渡しました。
「サンキュー、エリカ」
「ありがとう、エリカ」
兄さんとヴィクトリア姫様はおいしそうにお水を飲みました。
それから、休憩してまた、卓球の練習を始めたのでした。
翌朝、兄さんとヴィクトリア姫様は筋肉痛に悩まされることになるとは知らずに練習に励むのでした。




