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神理カウンセラー  作者: 治外ほーけん
2/2

002 契約履行

遅くなりました。

「は?」

「だから、私は神様です。」

そう言ってのけた彼女は、ダダの子供の霊にしか見えなかった。しかし目は真剣そのものである。

「ふーん……。」

とりあえず、俺の経験が嘘を言っていないと教えてくれる。

「え?疑わないの?」

「ああ、お前は嘘を言っていない。」

「あ、そう。こんな簡単に……。」

なにやら思考しているアレを放っておいて、俺はふと浮かんだ疑問をぶつけてみた。

「お前ってさ、名前あんの?」

そう、俺はコイツの事を「アレ」呼ばわりしていた。もし仮に、この方が天照大神あまてらすなどであった場合、神を信じる俺はどうなるのだろう?俺はとある神を信仰している。

もし、仮にハーレムの神様にこの事が伝わってしまったとしたら……?

「お、俺のハーレム計画がぁぁぁぁ!」

こ、こうしては居られない。今までの目に余る行いを

「すいませんでした!」

謝罪せねば!俺は、たぶん人生で始めての、そして最後になるであろう土下座をした。そして驚いているであろう彼女に問いかける。

「失礼を承知でお聞きしますが、貴方はどういった神でいらっしゃいますか?」

「私?ああ、名前は無いよ。」

「え?」

「あのさ、日本には数多の数の神が居るの。あなたも八百万やおよろずの神って言う言葉は、聴いたことあるでしょう?アレと同じでね、神にも色々居るの。まず一番身近な……。」

それはそれは長い話であった。簡単に言うと

神の種類として

1.自然物や自然現象を神格化した神

2.思考・災いといった抽象的なものを神格化した観念神

3.古代の指導者・有力者などを神格化したと思われる神エウヘメリズム

4.万物の創造主としての神(ここにおいてはthe Godである)

5.万物の創造主・主宰者としての全能の天

のように分かれており、彼女は恋愛の思想が具現化した観念神であるが、同一神おなじたちばのかみに立場を取られ、名を奪われたらしい。そうして名を持たなくなった彼女は、名を奪い返すため人間の願いをたくさん叶えたい。その手駒として

「俺をほしがった……と?」

「そうなるわね。」

「概要は理解した。しかしなぜ俺なんだ?説明にあった通り恋愛の思想を持った人というのなら、他にも居ただろう。だから、決め手となる何かがあるんじゃないか?」

「えーと……。」

先程まで饒舌であった彼女は、その話題を出したとたんに暗くなった。

「……どうしたんだ?」

何か言いにくいことでもあるのだろうか?

「うーんと、それはアレだよ。うん。それで、まだ契約は完了させないから。一度お試しって事でどう?」

うーん。話をそらされた気がするが、言いにくい事なのかも知れない。仕方ないか。

「いいよ。それは俺が恋のキューピッドになるという認識で良いんだな?」

「ええ。」

「よし、やってやろうではないか。」

「え?もっと考える時間をとってもいいんだけど……。」

「逆に今すぐが好ましい!」

「そう、だったらよろしくね。」

「おう。」

こうして俺は恋のキューピッド(仮の)となった。

「で、何をすれば?」

「うーん、具体的には明日の学校、誰かの恋を成就させるのが目的になるわ。」

成るほどそれなら高校生の俺にも出来そうだ。

そんなことを考えながら、ふと時計を見るとすでに12時を過ぎている。俺はこの一日を全て神様の話に費やしてしまった。

「あーあ。疲れたから俺は寝る。お前は?俺と一緒にnへぶっ。」

痛い。こいつに冗談が通じないのはよく分かった。もうやめておこう。

「嘘だって、何をしてても良いが俺の家族には見つかるなよ。」

「分かってます。」

その言葉を聞いた俺は、安心して眠りについた。


まだ、何がなにやら分からないと思いますが、次回にご期待ください。

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