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Ghosting
母の死は突然訪れた。交通事故、車にはねられ即死だったという。あまりに無惨な死体を目の当たりにして、高校生の僕は泣き崩れた。父は仕事熱心だった分いつも帰りが遅く、話したこともあまり無い。そんな僕に、母はずっと優しく接してくれた。母さえいれば、僕は寂しくなかった...。
父は葬式を行わなかった。僕は納得できなかった。納得できなかったけれど、父は憔悴しきっていた。僕は何も言えなかった。
家に帰るまで、父とは一言も言葉を交わすことはなかった。父親だというのに、まるで赤の他人だ。そうして何も話さないまま家の前に着くと、父が今日初めてその重い口を開いた。
「俺は、どうしても受け入れられなかった。自分でも逃げてるだけなのは分かってる。それでも、どうか父さんを許してほしい。」
なんの話だろうか。返事をしないままドアを開ける。いつも通りの光景、だがそれは、到底理解できる筈のない光景だった。
「あら、珍しくお父さんと一緒に帰ってきたのね、おかえりなさい。」
そこに立っていたのは、いない筈の母だった。




