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森の奥の何か  作者: 星狼


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6/7

繰り返す森

『何か』は森の中にいた。


自分は人間ではない何かだ。

それでも今日も、風が頰を撫でる柔らかさを静かに味わい、木々が揺れる音に、かすかな調べを感じ、陽の光が葉を透かして落ちる瞬間を、温かく、惜しむように見つめていた。


そんな『何か』の元に、一人の少女がやって来た。


白い服を着ている、泣きそうな表情の少女。


『何か』は、穏やかに声をかける。

潰れた瞳に、変わらぬ優しさが宿る。


「どうしてこんなところにいるの……?迷子になった……?」


少女は小さく首を振る。

声は震えていて、しかし必死に言葉を紡ぐ。


「私、貴方に会いに来たの……パパとママが喧嘩してるの……私、どうしていいかわからないの……だから、どうすればいいか、教えてほしいの……!」


『何か』は、その言葉を聞く。

この子にも、辛いことがあったのだろうと感じる。

心の奥で、何か人間らしいものを、

もう一度、取り戻そうとする。


決意を込めて醜い顔をゆっくりと上げる。

ゾッとするような。

歪んだ表情に変わる。


潰れた瞳に映ったのは、

遠くに立つボロボロの黒い服を着た少女。


彼女は、美しい満面の笑みを浮かべている。

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