罰
誰に対しての、罰?
言われたとおりに学校の中庭に向かった。一年生はあまり祷夜に毒されておらず、授業は静かに受けられた。気がかりなのは、隣のクラスに美緒がいなかったことだ。彼女は自分を責めているのだろうか?
そんなことを考えていると、朔夜と祷夜が二人で私の方に向かって歩いてくる。私から少し離れた位置で止まると、何かを二人は待っていた。私も意図を汲もうと努力してみるが、何を待っているか全く見当もつかない。
答えはすぐに分かった。ファンクラブが私たちを囲んだ。信徒たちは彼女たちの静寂を、ただ期待して見つめている。朔夜が祷夜の方を向き、ゆっくりと口を動かした。
「あなたは、私の大切な後輩を傷つけたわね。自らが作り出したゴシップを利用して、あなたも、そして新聞部の部長も傷つけた。あのゴシップでは晴香が皆を欺いたように書いてあったけど、本当にファンを欺いたのはあなたでしたわね」
祷夜は固く口をつぐんだ。信徒たちにどよめきが広がる。
「祷夜様」
その一言は丁寧だけど、確かに距離を持たせた。祷夜は目を見開き、彼女を見つめる。
「あなたはもう、わたくしの幼馴染ではありませんわ」
そういってスカートを両手でつまみ、丁寧にカーテシーを行った。彼女は踵を返し教室に戻る。
祷夜は膝から崩れ落ちた。目は彼女を追い、けれど手足には力が入らないようだ。彼女の目から涙が零れ、口に流れた。そのときはじめて祷夜は涙に気づき、けれど何もできなかった。
私たちの夏休みが始まる。
後半になるにつれてラブコメとは思えないタイトルになるの自分でも笑う。




