6 小学校入学と日常
小学校への入学式、彼女は特に立ち上がることもなく、当たり前に座っていた。
入学式の後、歩いていて転んだらしく、ワンピースを着てタイツを履いていたが、膝を擦りむいてタイツにも穴が開いたらしい。
彼女の母親がこれから写真を撮るのにと、頭を抱えていた。
彼女は男の子とも活発に遊ぶ割に運動神経があまり良くない。
彼女曰く、想定する動きと実際の動きでバグが起きて、気付くと転んでいるとのこと。
本人も「運動神経がないんだと思う」と認めていた。
ここでムキにならないところも彼女らしい。
小学校に入学して気付いたことは、彼女は勉強ができる方で、自身は勉強が苦手な方だということだった。
テストも彼女はかなり早く終わっているし、点数もいい。
ただ、文章から登場人物の気持ちを読み取るという国語の問題は苦戦していた。
彼女曰く、「判断材料が少ない」とのこと。
彼女との学力の差に、少し劣等感を持った。
小学校に上がると一緒に過ごす時間も増えて、放課後に遊んだり、休日に遊ぶことも増えた。
親同士の交流があまりなかったので、幼稚園の時は休みの日に遊ぶことは難しかった。
小学校に上がってからは、彼女に電話をして遊びに誘ったりもできるようになった。
彼女となら何でも遊べた。
退屈なお人形さん遊びも、彼女となら楽しいから、彼女に合わせて、お人形さん遊びとか所謂女の子らしい遊びで遊んだこともあった。
他の男の子と遊んだ方がいいんじゃないかと父親には言われたけど、それよりも彼女と遊びたかった。
彼女のことを好きな女の子として、完全に認識したからか、彼女と少しでも長く多く過ごしたかった。
自身の勉強の苦手さと彼女と遊ぶ頻度を知った親から、勉強も頑張るように言われた。
彼女と一緒に勉強するといいと言われて、ある時一緒に勉強した。
でも、彼女は自身の半分もかからずに勉強を終わらせてしまう。
彼女を待たせてしまうことへの申し訳なさと、彼女への劣等感を抱いてしまうので、勉強は勉強で別にやることにした。