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37 彼女との会話

気を取り直した彼女が「もうやってると思うけど、乾杯」と言ってコップを鳴らした。

何から話したらいいのか、未だに頭が回らない。


「…君は自分に会わないようにしていたと思う。今こうして向かいに座ったけど、嫌ならまたどこか遠くにいるよ。」

「嫌じゃない!」


彼女がまた離れてしまうことが嫌で、思った以上に大声を出してしまった。

彼女は目を瞬かせた後、少しおかしそうに笑った。


「そう。ならこのままいさせてもらうね。何か話したいことは?」


彼女は穏やかな声でそう言いながら、自身をじっと見ている。

彼女はいつも相手の目をまっすぐ見て話すけど、それが心を見透かされるようで落ち着かない。

自身はまた彼女を見て、上手く言葉を発せず、情けないことに口を開けたり閉じたりしてしまった。


「それでは、勝手に話そうかな。問いも投げるが、答えるかどうかは好きにしていいから。」


そう言って、彼女は近況や最近好きなこと等を話した。

適度に自身にも問いを投げる。

高校の話もしたが、自身が少し口籠ると、無理強いはせずに別の話を繋げてくれる。

彼女の穏やかでゆったりとした口調で話される話は、マシンガントークとはならず、中学校の時も彼女の話ならいくらでも聞いていられた。


「…綺麗だ。」


話をする彼女に脈絡もなく、浮かんだ言葉をそのまま呟いた。

彼女はまた少し目を瞬かせた後、自身に続きの言葉があるかを窺っている。


「いつも君は優しくて、綺麗だ。今だって、夢だと思ってしまうくらいには。君に会いたくて、君と話したくて、自身が見せた夢か幻なんじゃと思っているんだ。」


そんなことを口にした。

彼女はポカンとした後、少しおかしそうな、蠱惑的な笑みを浮かべて口にした。


「夢ではないけど…夢か幻と思ってる相手と会話するというのは難易度が高いね。夢かどうか確認したいなら、一般的には頬をつねるか相手に触れるかだけど、どうする?」


飲んでいたビールを噴き出しそうになった。

慌てて自身の頬をつねった。

彼女の発言は時々心臓にめちゃくちゃ悪い。

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