表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/51

33 彼女の魅力

彼女は自身を含めた同級生の前まで来ると、穏やかに微笑みながら口にした。


「ごきげんよう。」


同級生のほとんどの男性陣は、彼女のその姿に魅入っていた。

返答がないことに彼女は昔と同じように首を傾げた後、言葉を紡ぐ。


「お久しぶりの方が良かったかな。もしくは馬子にも衣装で反応に困っているのだろうか?」


逆だ!逆!!

恐らく男性陣の心の声は1つになった。

女性陣で彼女をよく思っていない同級生が口火を切った。


「うわぁ…赤が似合うなんて思ってるの?地味な顔してるのに、恥ずかしくないの?赤い着物なんて独創性の欠片もない。私みたいに自分に似合う着物を着なきゃ!そうだね、〇〇は黒なんかが似合うんじゃない?地味で喪服みたいでぴったり、ぷぷっ。」


性格悪いのも変わらないな、本当に。

お前の着物、全然似合ってないし、紫色が何か毒々しいから。

彼女と比較するのも烏滸がましい。


「親の提示した予算内で、一番しっくりくる着物がこれだったんだよね。母親はショッキングピンク勧めてきたけど、どう考えても合わなくて。しっくりくるって自分で納得してるから別に良いかな。あとは好みの問題だろうし。」

「いや、ショッキングピンクは色々ないわ…」


彼女の母親のセンスに脱力し、全員が気を取り直し始めた。

同級生の男性陣が彼女を褒め出す。


「というかこの場で誰よりも振袖似合ってるよ。」

「うん…大和撫子って多分これって思った。」

「良いもの見た。…ところで、お前の着物、何か毒々しいな。」


自身が何か口にする前に、どんどん男性陣が褒めていく。

彼女は世辞でも嬉しいよと軽く流している。

ちょっと悔しい…彼女になんて言ったら良いのか分からない。

あと、同じこと思ってる奴いたと思っていたら、彼女がこちらを向いて穏やかな笑顔で口にした。


「久しぶり。」

「…ひ、久しぶり。」

「元気そうだね。」

「うん…あの…き、綺麗だ…」


自身の言葉に彼女は少し目を瞬かせていた。

そして少し蠱惑的な笑みを浮かべて、「ふふっ、ありがとう」と言った。

自身の頭はそこで一度完全に停止した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ