表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/51

14 気恥ずかしさ

中学校に上がってからも子どもの人数は少ないからクラスは1つだった。

学区も同じで、幼稚園の頃から顔ぶれはほとんど変わらない。

同級生はもれなく幼馴染と言える関係だ。


だからか、性別差を意識するようになっても恋愛するという空気にならなかった。

他の女子に恋愛する空気がないのは何故かと聞いた。


「子どもの頃から、全裸も見てる相手にときめけない。」


言いたいことは分かったけど、彼女と他の女子の違いはなんだろうか。

自分は彼女を異性として見てるし、ときめいてもいるのに。

ある日、彼女と3人でよく遊んだ仲の良い同級生が、慌てて彼女に自分達が出てから着替えてくれと言った。

彼女が教室の隅で体操服に着替えようとしていたらしい。

自身もそれはやめてくれと慌てて言った。


「制服の下にハーフパンツもTシャツも着てるから、ただ上の制服を脱ぐだけなんだけど。気になるならごめんね。」


彼女はどうやら制服の下にそのまま体操服のTシャツとハーフパンツを着ていたらしい。

だから問題ないと思って上の制服だけ脱ごうとしていたのだと。

ただ、制服のスカートを下ろす仕草も、制服のセーラーを捲り上げる動作も、彼女を異性として見ている思春期真っ只中の自身からすると、ひどく目に毒だ。

他の女子が着替えていてもあまり気にならないのに、彼女がただ上着を脱ぐだけでも意識してしまう。

何なら髪の毛をかき上げて髪を結ぶ動作も意識する。


彼女の色んな姿を見たい気持ちもあるけれど、恥ずかしさが勝って見ることができない。

彼女の身体のラインはだいぶ女性らしくなって、自身も成長して彼女との身長差も大きくなった。

子どもの頃、躊躇なく触れた彼女の手は、きっと今なら自身の手の方が大きくなっているんだろう。


彼女に触れたい気持ちと触れたら気付いてしまう気恥ずかしさがせめぎ合っていた。

彼女の手を握りたい、抱きしめたい、キスをしてみたい、そんなある意味健全な願望が浮かんだけれど、必死に打ち消していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ