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大精霊、肯定する


「というわけで強い魔獣の発生は私の命の危機みたいなので結界を壊します」

「「「待て待て待て!」」」


 早速、精霊さん達に結界を潰して貰うべく頼もうとしたら三人が慌てたようにして止めてきた。

 精霊さん達は私が頼もうとしていたのを察したのか、嬉々として飛び回っていたのだけど、それを止めた三人を恨みが篭ったような瞳で見ているんだけど三人はそれどころではないようで気付かない。


「? 何か問題があります?」

「大有りだよ!」

「むしろ問題しかないんですが!」


 ヴィととアリスが大声で怒鳴る。

 なんでそんなに慌ててるの?

 今までのソラウの話を聞いていたらそんなに慌てる必要はないと思うんですが。


「災害の森の魔獣が外になんか出たらとんでもないことが起こるよ!」

「そうですよ! わたしの結界を軽く潰すような魔獣よ! ローランドが滅びる未来しかないわ!」


 ヴィとアリスさんが椅子から立ち上がり、唾を飛ばすようにしながらこちらに向かい叫んできます。


「ねえ、ソラウ」

『なんじゃ?』

「確認なんだけどね。この周りに張ってある結界って精霊さん達なら簡単に壊せるんでしょ?」

『そうじゃな。小精霊達でも時間は掛かるが確実に壊せるのう』


 我のような優れた大精霊なら一撃じゃとソラウは愉快そうに笑いながら肯定した。

 つまりは精霊さん達は結界を壊せる。その確認をした事で私は疑問を口にする。


「だったら災害の森の魔獣は結界を破壊できる?」

「なっ⁉︎」


 あ、ヴィがすごく驚いてる顔をしてる。

 でも普通に考えたらその発想に行き着くと思うんだけどなぁ。

 話を聞いていたら災害の森にいる魔獣は長年生きている個体が一匹外に出るだけで国が滅びちゃうような天災レベルの魔獣。精霊さん達なら楽に倒せる相手であっても人間ヒュームには手に余るような相手なわけなんだよね。

 だったら、人間ヒューム達が張った結界を魔獣が壊せるという可能性も普通に考えたら思いつくはずなんだよ。


『まあ、魔獣によるが可能じゃな』

「え……」


 今度はアリスが絶句してた。

 まあ、そうだよね。

 私は頭に浮かぶ地図を意識して見たら魔獣が災害の森の何処にいるかは把握することができる。ただ、どの魔獣がどれ位の強さを持ってるかまではわからない。

 それでもきちんと意識をしてみれば近づいた魔獣の反応が幾つも消えるような魔獣がいる事はわかる。それがおそらくソラウが言ったように長く生きた魔獣なんだろうね。


『先程言った天災クラスの魔獣というのは長くこの森で生き残っておる魔獣の事じゃ。先にも言った通り人間ヒューム並の知性はある。やろうと思えば結界くらい軽く破るじゃろうよ』

「やっぱり」

「そ、そんな魔獣が蠢いてるの⁉︎ この森は!」


 知っててきたんじゃなかったの?


「そりゃ、和平結ばないとローランド滅びるよぉ。リリィ早く起きてぇ」


 なんかアリスさんが涙目だ。


「なんか色々と衝撃発言ばかりで頭が纏まらない……」


 ヴィもぐったりとした様子で椅子にもたれ掛かってる。護衛のレオンさんは変わらないけど。


 そんなわけで全く話が進む様子が見られなかった話し合いはなんか上の二人がぐったりとしてしまったがために一旦中断することとなったのだった。

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