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精霊、爆発する


『そりゃぁぁぁぁぁ!』


ソラウが巨大な氷の籠手を装備した拳を振り上げたまま落下してくる。それはものすごい速さで、まるで夜空に流れる星のようだった。

まあ、星は叫んだりしないわけだけど。


「わあ! あれなに!」

「大精霊か」

「ま、魔力の桁がリリィと全然違うわ」


私の背後にいた三人も魔力を纏いながら落ちてくるソラウを見て色々言ってる。

そりゃソラウは性格があれだけど一応、大精霊なわけだからね。

そんな落下してきたソラウに気付いたのは私達だけではなく、フィズと戦う精霊さん達も気付いたみたいだ。


『え、そらうさま?』

『まずい、そらうさまのほんきそうびだ』

『ふぃずとあそんでるとちゅうなのに』

『きんきゅーじたい』


君たち、遊んでいる自覚はあったんだね。

ソラウが装備している巨大な氷の籠手はソラウ曰く『最終兵器じゃ!』との事。

そうは言ってるけど私は結構見たことあるからどちらかというとお気に入りみたいな感覚なんだろう。

でも、唯の氷の籠手じゃない。ソラウが魔力を込めれば一撃で山くらいは割れる。


『ソラウパンチ!』


落下してきたソラウは未だフィズと拮抗、いや押され始めていたカラミティに向かい氷の籠手で覆われた拳を打ちつけた。

カラミティは殴られた部分が吹き飛び、さらには地面を転がるたびにオリハルコンの腕がもげて周りに散らばっていく。


『ぐぇぇ』

『ふいうちひきょう』


転がり、文句を言いつつも精霊さん達は上手くカラミティを操り起き上がりソラウを睨んでいるわけだけどそんな暇あるのかな?


「きゅぅぅぅぅぅぅ!」


だってフィズのエレキブレスはまだ放たれているわけなんだから。

一時的に標的を失ったとはいえ吐き続けられているエレキブレスは射線先の地面を抉りながらカラミティを捉えるべく這い回ってる。


『うしろ⁉︎』

『ばっく!』

『あうとー』

『『『あうとじゃない!』』』


そんな言い合いをしていたからかカラミティの動きが鈍い。

さらに言えばカラミティの身体にエレキブレスは意図も容易く直撃し、ボロボロのカラミティの身体を軽々と吹き飛ばしていく。


『うー』

『おりはるこんぼでぃなのに』

『くだけていくー』


元の芸術品のような美しさは既にカラミティには見られない。

至る所がボロボロだし、腕もかなりの数がもげてる。


『ソラウパンチ!』

『きゅう!』


ソラウの氷の拳がめり込むたびにカラミティの体は砕けるし、フィズのエレキブレスが掠めるとその部分は消失してる。


ついにはカラミティは動けなくなるくらいのダメージを受けたのか全く動かなくなっていた。


『ぬはははは! 我は強いじゃろう!』

「きゅうきゅう!」


ズタボロになったカラミティの上に仁王立ちになったソラウは高らかに声を上げて笑っていた。

その横にはフィズも同じように声を上げてる。

二人共、争ったり仲良くしたりと忙しいね。


『むぅ』

『ちんもく』

『こうなれば』

『さいごのしゅだーん』


カラミティから精霊さん達が凄い速さでで飛び出していく。

まるで逃げるかのように。嫌な予感しかしない。


『じばくしまーす』

『え……』

「きゅ⁉︎」


精霊さん達の声と全く同じタイミングでソラウとフィズが驚きの声を上げる。

それもそうだろうね。

なにせカラミティの体の一部が変化して鎖のようになるとソラウとフィズを逃さないように身体へと巻きついているんだから。


『10、9、8』

『ちょ⁉︎ 待つのじゃ⁉︎ 流石にこのままじゃヤバイぞ!』

「きゅぅ! きゅう!」


精霊さん達がカウントを開始し始めたからか二人は慌てて拘束をしている鎖を壊そうとしているけど全く壊れる様子は見えないね。


「オリハルコンは壊してたのになんで壊せないんだろ?」

「自分の体ごと壊すような攻撃できないからじゃない?」


なるほど。そう言われたらそうかもしれない。

あと。なんか地面が揺れてるんだけどこれも自爆する前兆だったりするの?


『2、1』

『ちょ…… ま……』

「きゅ……」

『0』


カウントが0になった瞬間、ボロボロのカラミティの体が目も開けられないくらいの輝きを放ち、ソラウとフィズ、さらには周りを巻き込み爆発した。


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― 新着の感想 ―
[一言] なんかもう無茶苦茶と言いますか。
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