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エルフ、呆れられる

 

「え、潰れた?」


 精霊さん達が意気揚々に飛び出して行ったので魔鏡でその様子を見ていたら精霊兵器とかいうのがいきなりレオンさんの攻撃を受けて爆発していた。

 魔力の閃光が直撃し、爆発を引き起こすと精霊さん達の甲高い悲鳴が上がったわけなんだけど、これで終わり?

 そう思っていると空に広がる爆炎の中から煙を引きながら像は落下していき、轟音を上げながら地面へぶつかり、周囲へ土煙を巻き上げた。

 あ、壊れてはいないんだ。さすがはオリハルコンというべきかな。


「やった!」


 なんだか初めて見るすごい豪華な服を着た女の子と清楚そうな服を着た女の子が嬉しそうにそんな事を言ってるわけなんだけど正直あれくらいの攻撃で潰れるなんて思えない。

 もしあの程度の攻撃で壊れるならば、精霊さん達が精霊兵器なんて言わない気がするんだよね。

 あれで壊れたりするのなら精霊さん達が普通に直接戦った方が強い気さえする。


『びっくりしたー』

『でもきずひとつないね』

『こーてぃんぐにぬかりはない』


 そんな緊張感が欠けらも湧かないような声を上げて巻き上がる土煙を掻き分けるようにして乙女の像が無傷で姿を現した。

 まあ、そうなるよね。


『素材がオリハルコンじゃからのぅ。最上位の魔法をひたすらに叩き込み続けんと傷なんてつかんじゃろうな』

『加えてあのオリハルコン像の中に入っているのはかなりの数の小精霊です。高位の精霊とはいかないでしょうが中位から上位精霊くらいの力は数に物を言わせて発揮するでしょう』


 まぁ、精霊の位の違いでどれくらいの差が出るのかは私にはわからないけど要はイーリンスよりは弱いよね?


『どうかしら? 確かに上位の上に位置する高位精霊には劣るかもしれないけどあのオリハルコン像に入ってる小精霊の数は尋常じゃないわ』

「え、それって……」

『制御に失敗したらこの辺は一瞬で何にもない土地になるのう』


 めちゃくちゃ危ないじゃん⁉︎

 なにそれ、爆弾ぶら下げてるようなものじゃない。


『普通の金属、というか物体にはあんな量の精霊なんか入れんからのう。伝説の鉱物であるオリハルコンじゃからこそできる芸当じゃ』

『そもそもオリハルコンを作るというのが小精霊には不可能な力なんです。鉱石の大精霊様でなければ無理なはずなんですが……』

「でも精霊さん達はコーティングだっけ? それでオリハルコンにしたわけでしょ?」


 不可能と言われても実際にできてるわけなんだし。


『精霊樹から魔力を借りたんじゃろ。今この森はダンジョン化しておるし、魔力が自然発生する精霊樹もある。つまるところこの森は魔力が溢れ返っておるから多少の不可能な出来事は過剰な魔力で補えるくらいじゃ』

「ど、どういうこと?」


 言ってることがよくわからない。

 わからないから聞くとソラウがなぜか呆れたような目を私へと向けてくる。ついでに言うとイーリンスも哀れむような眼を向けてくるんだけど。

 フィズはというと興味がないのか欠伸をしてた。


『わかりやすく言うとこの森、一種の異界、別世界みたいになっとるんじゃよな』


 ソラウが答えてくれると同じタイミングで魔鏡に映るオリハルコン像が反撃と言わんばかりに全身を輝かせ、体の至るところから様々な魔法を出鱈目に乱射していた。

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