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エルフ、仕方なく起きる


 精霊さん達の喚き声にゲンナリしながら私は枕から顔を上げる。

 本心を述べるならば放置しときたい。というか放っておいたら魔獣が勝手に退治してくれるんじゃないかな?

 ダンジョンコアの力は家というか建物を作るだけじゃなかった。

 一応、ダンジョンのコア。つまりは心臓という事らしく自身を守る力もあった。

 その守るための手段の一つが魔獣を発生させるスポットと呼ぶ場所を作ることらしい。


 なぜ、らしいというかと私は一切スポットとかいうのには手を出してないからなんだよね。

 ダンジョンコアに備わっていたその機能を発見したのはソラウとフィズの二人で、そんなわけで嬉々として遊んでるし。

 元々この森にいる魔獣というのがとんでもなく強いものらしいんだけど大精霊のソラウや竜のフィズ、さらには聖獣フェルコーネに高位の精霊イーリンス、他にも動くものを見ると楽しげな声を上げながら魔法をぶちかましてくる精霊さん達が飛び回る精霊樹に近づいてくるような危機感のない魔獣はいない。


 そんなわけで現在の災害の森はソラウとフィズ、そして悪ノリした精霊さん達のせいでむやみやたらに魔獣を生み出すスポットを大量に配置してしまったから精霊樹付近以外は元からすぐに魔獣の生息地が替わるという危険地帯だったものがさらにグレードアップしてるわけなんだ。


「どっちからきてます?」


 目を擦りながら仕方なしに起き上がった私は周りで騒ぎ立てる精霊さん達へと尋ねる。


『えっとね、きたとみなみとにしから?』

「そこは疑問形やめてくださいな」


 私が尋ねている側なのに可愛らしく首を傾げながら私に尋ねられても困るというもの。

 ちなみにどっちが北かも私にはわからないわけですが。


『そらうさまがたんとうしてるところがきただよー』

「あ、そういう言い方ならわかりやすいです」


 スポットを大量に配置しているソラウとフィズですがどうやら配置する担当場所を決めているらしく、担当場所には拘っているらしい魔獣が多く生息している。

 ソラウのエリアには特に拘りはないけどとりあえず強い魔獣が、フィズのエリアには蜥蜴やら竜種に近い魔獣が徘徊してるのを見た事がある。

 精霊さん達のエリアはなんだかよくわからなかった。


 しかし、ソラウのエリアかぁ。


「放っておいても問題ないんじゃないの?」


 あのエリアは多分この災害の森では一番じゃくにくきょうしょく? の世界だと思う。

 魔獣というのは見ていると同じ種で群れを作るものみたいなんだけどソラウのエリアでは群れでいてもあっさり餌になることがある。それくらいに生き残るには過酷な環境らしい。

 そんな環境で生き残っている魔獣はというと恐ろしく強いらしい。

 そんな魔獣すらもソラウは鼻歌交じりで軽々と吹き飛ばすから強さがよくわからないけど。


『ふぃずのエリアにもいっぱいきたよー』

「そっちも問題ないでしょう」


 ソラウのエリアほどではないけどフィズのエリアも魔窟と化してる。

 どこの世界に狼を丸呑みする蜥蜴が存在するだろう……

 あのエリアではそんな蜥蜴ですら捕食対象らしい。物騒な場所ですよね。


『ぼくたちのとこにはこなかったねぇ』

『ざんねんー』

『せっかく、せいれいだいばくらいかいうめたのにねー』


 残念そうな表情を浮かべながら精霊さん達は肩を落としていた。

 なんか物騒なもの作ってますね……

 城の周りには埋めないでね?

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