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エルフ、出会う

 

『うーん』

『どうせつめいしたらいいのかなぁ』


 目の前で突如として開催された精霊さん会議。

 精霊さん達が集まりなにやら、ああでもない、こうでもないと会議というか言い合いをしているような感じ。

 微笑ましい光景ではあるのですが、この会議の内容が『イルゼにどうやって説明をするか』というものですのでなんとなくバカにされている感じがします。


「アレってなんですか?」

『せいれい』

「どんな精霊さんなんです?」

『んーうるさい?』


 精霊とはやかましくないと存在できないようなものなんでしょうか?

 この場にいる精霊さんはかなりうるさ…… 自分に正直ですし。

 一応、高位の大精霊であるはずのソラウにも落ち着きとかそういうものが全くない。

 つまりは落ち着きのない子供なわけなんですよね。


『イルゼよ、何か失礼なことを考えておらぬか?』


 そんな私の上に影ができたので見上げてみると薄青いドレスに身を包んだソラウが宙に浮かび、なぜか不機嫌そうな顔をしながら私を見下ろしていた。

 相変わらずソラウは私の心中を読んでいるんじゃないだろうか?

 確かに失礼な事は考えはしてたけどね。


「そんなことはないわ。それよりソラウ、ここにいるみんながアレって呼ぶ精霊ってなんなのかしら?」


 精霊さん達がワイワイと会議をしているのを指差しながら私はソラウへと尋ねることにした。

 わからない事は聞けばいいんだから。

 無駄に長生きはしてないはずだし、精霊のことだからわかるはず!


『また失礼なことを考えとるな?』

「ソンナコトナイヨ」


 なぜバレる?


「そんな事よりアレですよ。アレ。何か教えて」

『なんじゃあれって』


 訝しげな表情でソラウは私を見てくる。あれ、意思疎通できてない?


「なんかさ、私のベッドが傾くのは精霊のせいってあの子達が言うのよ。でもあの子達じゃないって言うし」

『そりゃ、あれは確かに精霊じゃ。しかも精霊の中でもかなりの高位のな』


 え、高位の精霊が他にもいたの?

 あのログハウスに?

 そしてベッドを傾けているのがその高位の精霊ならやることがせこくないかな? ただの安眠妨害だよ。

 私には効果あるけどさ!


『アレと精霊たちが呼ぶのはまあ、仕返しじゃな。あやつは細かく煩い。遊んでばかりの精霊はことごとくあやつに怒られる』


 この様子だとソラウも怒られたんだろうなぁ。なんか顔がげんなりしてるし。


『正直な話、このログハウスにあやつが付いてきたのは意外じゃったんじゃがな』

「ログハウスに付いてきた?」


 どう言う意味だろ?


『まあ、会えばわかるじゃろ。ほれ、イーリンス、いい加減出てこんか! お主の朝の目覚ましに主人がご立腹じゃぞ!』


 私が首を傾げているうちにソラウはログハウスの方に向かい大きな声を上げた。

 するとログハウスの入り口が静かに開き、中から真っ白な服を着た真っ白な少女がなぜか眉を釣り上げて怒ったような表情で姿を現した。

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― 新着の感想 ―
[一言] うわ。波乱の予感。イルゼさん、無敵だけど、ぐーたらだけは出来ないんですね。
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