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エルフ、見ている。


「世界樹に攻め込む時に使う切り札をこんなとこで使う羽目になるなんてね!」


 さっさと帰って欲しいのにサロメディスさんはやる気満々。

 そしてサラッとおそらくは私の住んでる場所を侵略宣言。是が非にでも帰っていただきたい。


 ソラウが相手を代わってくれたら絶対に一撃で終わるのに彼女はやる気なし。

 フィズはというと疲れたのかログハウスの方に向かって飛んでいく姿をさっき見た。実に契約者思いだよね!助ける気なしだよ!


 つまり、私の味方は精霊さんしかいないということだ。ソラウも精霊だけど手伝ってくれないから味方じゃない!


「ふっふっふ、私は魔王軍幹部の死霊のサロメディス! 私の名前を覚えて死になさい!」


 私を指差しながら不敵に笑い、死霊のサロメディスさんとやらは高々に名乗りを上げてきた。


「死んだら覚えてても意味なくない?」

『たしかに』

「う、うるさいわよ!」


 ちゃんと指摘してあげただけなのに。

 サロメディスさんはどうも怒りっぽい。そのせいかどうかはわからないけど身体から放たれている魔力はかなりの量みたい。

 放たれる魔力が周りの木々を軽く揺らしてるし。


「スケルトンアーマー!」


 サロメディスさんから魔力が放たれる。

 向かう先は身動きすらしなくなったゾンビの元みたい。

 ゾンビ達が再び動き出すのかと心配していたら奇妙な音を立てながら骨だけがゾンビの体を突き破って出てきた。血が飛び散って骨だけが出てくるのはなんてグロテスクな…… 吐きそう。

 その骨は勝手に人の形を取り、カタカタと音を鳴らすスケルトンとなった。


「私は死霊、死んだ者なら操ることができるのよ!」

「これはすごいですね!」


 先程までゾンビで溢れていた森は今度はスケルトンで溢れた。でもゾンビより数が少ない気がする。


『まほうでぼーん』


 私が感心していると精霊さんの何人かがスケルトンに向かい魔法を放った。

 放たれた炎の魔法をスケルトンは避けることすらできずに直撃。巨大な火柱が上がった。


「え、嘘! 燃えちゃった⁉︎」


 容赦なく精霊さんに魔法で攻撃され火柱に包まれたスケルトンを見てサロメディスさんは焦ったような声を上げてた。


『どんなにてきがおおくても』

『どんなてきがこようとも』

『せいれいぱわーでらくしょうです』


 そんなサロメディスなど眼中に入らない精霊さん達はイェーイとご機嫌にハイタッチをしていた。

 そんな精霊さんを横目に私とソラウは周囲に熱を振りまく火柱を見ていた。


『確かにすごいのう』

「そうだよね」

『えー?』


 火柱の中から白い骨の手が現れ、まるで何もないかのように現れたスケルトンを見て精霊さん達は唖然とした。


「あ、よかったぁぁぁ!燃えてないわ!」


 瞳に涙を浮かべて安堵の息を漏らすサロメディスさん。


「はっ⁉︎ んー、精霊は魔法が得意なんでしょ? だったらこのスケルトンには効かないわ! なぜならこのスケルトンはサロメディス特性の対魔スケルトンなんだから! 効かないのなんて初めからわかってたわよ」


 私が見ていることに気づいたらしいサロメディスさんは大きく咳払いをすると腰に手を当てて胸を誇張するようにして自慢してきた。


 その割にはめちゃくちゃ焦ってましたよね?

 私見ましたよ?


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