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エルフ、怒らす


聖獣。

聖なる獣と書いて聖獣らしい。

正直な話、ただの白い生き物にしか見えない。いや、普通のひよこよりは格段に大きいのだからただのというのは違う気がする。

でも正直な話、聖獣がなにかわからない。


「聖獣ってなに?」


わからないことは何か知っているだろう精霊さんに聞いてみよう。


『せいじゅうさまはねーつよい』

『でかい』

『かっこいい』


よくわからなかった。

精霊達の言葉は端的というか幼いから何を言ってるかよくわからないことがある。

あと、ひよこは多分かっこよくはない。


「つまりなにするの?」

『さぁ?』


どうやら精霊達もよくわかってないみたいだ。

でもそれはこの子達が生まれたばかりの精霊だからかもしれない。

そうなるとソラウあたりなら知ってるかもしれない。

でも今ソラウは森で暴れているからなぁ。

帰ってきた時にでも聞いてみよう。

そんなことを考えながらもふもふを堪能するべく撫でていると白い生き物がもぞもぞと動き、その大きな瞳を私へと向けてきた。


「ぴよ」

「やっぱりひよこかなぁ?」


まるで挨拶をしているかのように私に向かって片手?というか翼を上げてきていた。

仕草が凄く人っぽい。

とりあえずさらにもふもふを味わうために抱きつく。さらには撫で回す!

おお、柔らかい!


「ぴよ!」


しまった撫ですぎたのかな。

首をすごい振り回して嫌がるようにすると私の撫でる手から転がるように逃げ出し、椅子から飛び立ち、地面に着地するとまるで私を警戒するかのような眼差しを向けてくる。


『せいじゅうさまおこー』

『げきおこー』


怒ってるのか。

もふもふしたいだけなんだけど……


「ふむ」


警戒されてるなら警戒を解けばいいわけだけど……

餌付けだ!

美味しいものを食べたなら警戒も解けるはず!

問題はひよこかわからないこれの好物がわからないってことだね。


「肉かな?」

「ぴよ?」


お、肉という言葉に反応したみたい。

やっぱり肉か!

となると肉を取りに行かないといけない。


「精霊さん、肉が欲しい! これにあげる肉が!」

「ぴよ‼︎」


聖獣を指差すと、まるで指をさすなと言わんばかりに聖獣が鳴く。ついでに指に噛み付こうとしてきたので慌てて指を引っ込める。


『なんかさがしてくるー』

『たべごたえならぐらんどぼあとかかな』


そんな聖獣の抗議の声を無視して精霊さん達は森の中へと楽しそうに飛んで行った。

そんな精霊達の姿を見て聖獣は残像が残るほどの速度で小さな尻尾を振ってた。

うん、犬だ。見た目はひよこだけどこの聖獣の動作は好きなものを目の前に持ってこられた犬だ。

となるとこれも好きだと思うんだけど。


私はポケットに手を入れると中にある物を取り出し放り投げてみた。

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