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エルフ、モフる


 ロッキングチェアで寝てるのは多分ひよこなはず。

 実際に見たことはないけど昔、村で読んだ本に書いてあった気がするし。本に書いてあったのは絵なわけでこんな大きな姿じゃないから確信が持てない。

 私なんてまるまる飲み込めそうな大きさだよ。乗っかってこられたら絶対に潰れるよ。

 あと毛が真っ白なんだよ。

 すっごいフサフサしてそうな毛なんだよ! 凄い触りたい! でもあのくちばしで突かれたら死ぬほど痛そう……


 私と精霊達が硬直して見ている間もひよこは気持ちよさそうに寝てる。


『あれってさー』

『だよね?』


 なんか周りにいた精霊達はヒソヒソと話をしてるみたい。ってことは危険は特にないってことだよね。

 危険だったら精霊達がもっと騒がしくしてるはずだし。


 とりあえず私のロッキングチェアで寝ているわけだから使用料としてもふもふさしてもらおう!


 鼻息荒くしながら私は多分ひよこ、というよくわからない生き物へと足音を立てないようにして近づいていく。


「もふもふだぁ!」


 寝ている生き物の頭を撫でながら私は叫ぶ。

 手のひらに感じる柔らかな感触! もふもふだ! すっごいもふもふだ!


 なんてもふもふ! やばいぞもふもふ!

 このもふもふに埋もれていたら安眠間違いなしだよね!

 なんかもふもふしか言ってないけどかやっぱりもふもふなんだよ!


 私がぶつかってもまだ寝ているひよこ。このひよこもなかなかに図太い神経をしてると思う。


「もしかして魔獣?」


 不意に頭によぎった考えを口に出す。

 もしこの白い生き物がこんなひよこみたいな姿でも魔獣であってさらに強力なのであるとするならば警戒なんてする必要がないのかもしれない。


『なんでそんなにうれしそうなの』

『まじゅうだったらあぶないよ?』


 でも魔獣だったら絶対に精霊やフィズが慌てると思う。

 特にフィズはログハウスの周りに魔獣が少しでも姿を現わすと雷を叩きつけてるし。

 どういう理屈かわからないけどフィズは魔獣が近くに来たらわかるみたいなんだよね。


「魔獣なら毛皮を剥ごうかと思って」


 魔獣なら狩っても罪悪感はないしね。

 普通の生き物は襲ってきたら別だけど特に食べる必要のないエルフが狩るとなると罪悪感が湧くんだよ。


『だ、だめー!』

『せいじゅうさまのかわはいじゃだめー』


 精霊達がなんだか急に慌て始めた。

 皮剥いじゃダメかー

 ん? せいじゅうさまってこの白い生き物のこと?

 せいじゅうさま…… 聖獣さま?

 このひたすらに寝ている白い生き物が?

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