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精霊樹のエルフは働かない  作者: るーるー
帝国激動編
286/429

大精霊、細切れにする

 

『うむ、相変わらず我の手にぴったりじゃな』


 氷の爪が付いた手袋。我の精霊武器であるヒュペリオンを装着した腕を軽く振るい感触を確かめた我は再びデカブツへと向き直る。

 黒ドラゴンもどきはすでに我が投げつけた氷剣で負った傷は再生したのか再び我に触手で攻撃を仕掛けようとしているらしく、大きく振り上げていた。


『さっきまでなら躱してから斬りつけておったがヒュペリオンを装備した我は違うぞ!』


 ヒュペリオンを装着した手を大きく開き、下から上へと大きく振り上げる。

 我の腕は何もない空間を凪いだだけであったが黒ドラゴンもどきから振り下ろされるはずだった触手に五本の線が縦に走り、裂けた。


『imtjxbadupwm⁉︎』

『驚いとる場合か?』


 いきなり切り裂かれた触手に黒ドラゴンもどきは驚いたような悲鳴?を上げとるが我はそれを無視してまだ振り上げていない反対の腕を横へと薙ぐ。

 それによって今度は横に五本の線が刻まれ、触手は一瞬にして肉塊へとかわり宙から地面へと血を噴き出しながら落下し始めておった。


『そりゃそりゃ! 切り分けていくぞ!』


 ヒュペリオンを装着した両手を我は振り回す。

 その度に黒ドラゴンもどきの体は切り裂かれ凍りついていく。

 触手なんか生えた瞬間に輪切りじゃ!


 我の精霊武器ヒュペリオンは手袋ではあるが実際は氷の爪の部分から氷を出すことができる精霊武器じゃ。

 それによって指を揃えて氷を出せば剣のようにも使えるし、爪のようにも使える。そして拳を覆うように氷を使えば手甲にもなるという色々な機能を秘めた精霊武器じゃ。

 そして今は指先から見えないくらい細い氷の糸を出し、それを振り回す事で黒ドラゴンもどきを切り裂いておるわけじゃ。

 攻撃するだけなら魔法をぶつけた方が速いとか思うじゃろ?

 じゃが、ヒュペリオンの凄いところは魔法を込められ、そして込められた魔法を武器に反映さす事ができることじゃ!


『ふっふっふ、さっきまでのなまくら氷剣とは違うぞ』


 さっきのなまくら氷剣では切り裂いた場所しか凍りつかせることはできなかったがこのヒュペリオンは違う!

 ヒュペリオンに込められた我の魔法、広範囲凍結魔法コキュートスを込められた糸は切り裂いた場所から凍りついていく。つまりは、


『傷が増えれば増えれほど凍るわけじゃ!』


 ヒュペリオンを振り回し氷の糸が宙を駆け回る。

 黒ドラゴンもどきも傷口から凍りついているのに気付いたのか傷口を抉るようにして分離しておるがそんな動きをしている間にも小さな傷が増えていく。


『小さい傷でもそれじゃ。本体を細切りにしたら生きてはおれんじゃろ!』


 我はヒュペリオンの糸を交差させ、網目のようにするとそれを黒ドラゴンもどきへと叩きつける。

 黒ドラゴンもどきは必死に避けようとしていたようじゃが凍りつき、動きが鈍くなった巨体に俊敏さなどはなく、氷の網によってあっさりと細切れになったのじゃった。


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