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精霊樹のエルフは働かない  作者: るーるー
帝国激動編
281/429

大精霊、飛び出す

 

『なんか色々落ちてきたから全部凍らせてやったが、どこじゃここ?』


 我は蒼いドレスをはためかせ、落下してくる瓦礫ぽい物を片っ端から凍らせては殴りつけて吹き飛ばしながら周りを見る。

 ふむ、魔力の薄さからしてアヴェイロンの森ではなさそうじゃし、ダンジョンコアがある城の中でもなさそうじゃな。

 そうしてようやく落ちてくる瓦礫が無くなったので下へ着地する。

 うーむ、精霊界での地獄のような仕打ちからようやく解放されたと言うのに誰も労いの言葉もなしか?

 いや、最後は喚ばれた魔力を利用して無理矢理こっちに召喚されるようにしたわけなんじゃが誰も何もなしというのは寂しいじゃろ。


「ふ、ソラウ様」

『ん?』


 声をかけられたからそちらへと振り返る。

 そこには座り込んでガチガチと歯をぶつけて音を響かせながら震えるアンとトロワ。そしてよだれを垂らしながら眠っているであろうイルゼの姿があった。


『お主ら、こんな壊れかけの建物の中で何をしとるんじゃ?』

「さ、寒すぎます!」

「トロワ達はい、い、イルゼ様みたいに暑さ寒さに強くないしぃぃぃ」


 む、言われると落ちてくる瓦礫が鬱陶しかったから崩壊しそうは建物自体を氷つかせて無理矢理崩れないようにしたのじゃったな。

 確かに普通の生き物には辛いかもしれんが……


『氷を溶かしたら下手したら建物が崩れるかもしれんが良いのか?』

「「寒いのを我慢します!」」


 まあ、そうなるじゃろうな。

 氷を溶かしたりしたら再び瓦礫の雨じゃし。


『で、どういう状況なんじゃ? そもそもここはどこなんじゃ?』

「えっと、ここは帝国で」

「イルゼ様の魔力が空になってるの!」


 ふむ? やはりここは精霊樹の森ではなかったか。しかし、自覚がないとはいえあの馬鹿みたいな魔力を持つイルゼが魔力切れじゃと? いや、どうせ精霊達がまたカラミティみたいな規格外の物を作ったんじゃろう。

 それでイルゼの膨大な魔力を食い切ったと。

 昼寝とかだらけるのが好きなイルゼではあるが、我が見る限り今のイルゼは寝とると言うより気を失っとるように見えるんじゃがな。

 まあ、軽く調べて問題なさそうじゃしこのまま寝かせておくとしよう。

 さて次に場所じゃが、帝国とはのぅ。

 我が精霊界で酷い目にあっている間に観光して楽しんでいるとは許せん!

 なんか外でも精霊達が飛び回ってる気配がしておるしな。

 いや、しかし、気になるのは、


『なんでこんなボロボロの建物に隠れとるんじゃ?』

「「ボロボロになったんです!」」


 いや、意味がわからん。

 だってここ廃墟じゃろ?

 我の氷を溶かさしたら崩壊してもおかしくないし。


「ここ、皇帝の城ですから!」

「外のでかいのにやられたの!」


 でかいの? ああ、確かになんかでかい魔力が暴れとるのう。

 これを精霊が攻撃しとるのか?

 それなりにでかい魔力の塊じゃ。つまりは我も暴れることができるというわけじゃな!


『精霊界では魔力を封じられて何もできんかったからな。そのストレスを発散さしてもうぞい!』


 全身に魔力を漲らせた我はすでに空が見えるくらいに穴が空いている城の天井に向かい跳躍し、八つ当たりをするべく外へと飛び出したのじゃった。

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[一言] ここでソラウ様、大暴れですか。
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