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精霊樹のエルフは働かない  作者: るーるー
幕間 そのころの精霊界編
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大精霊、起こされる

章タイトルを『精霊界編』から『幕間 そのころの精霊界編』に変更しました


『相変わらずよく寝る奴じゃのう』


 時の大精霊アイリスは真っ白の肌に光の当たり加減で髪の色が変わる虹色の髪を持つ最強の大精霊じゃ。

 正直な話、アイリス以外の大精霊が一斉に攻撃を仕掛けてもアイリスは居眠りを続けれるじゃろうな。

 いや、闇の大精霊ならば一人で起こす事も可能かもしれんが……

 それほどにアイリスと闇の大精霊は他の大精霊との強さの格が違う。

 圧倒的な強さ、魔力を持つが故にアイリスは精霊界から外に出る事が少ない。

 だからか知らんがこやつは大体は大精霊樹の天辺に自分で設置したらしいベッドで寝ておるしな。

 たまに落下してきて下で遊んでおる精霊が悲鳴を上げたりしておるし。

 なんかイルゼと性格が同じような感じじゃ。寝るのが一番幸せらしいし。


『おら、アイリス起きろ』

『あいちゃーん』

『おきてー』


 ザインガルドとウーラールーラが眠りこけているアイリスの体を揺するようにして起こしておるがアイリスは『ううん』と唸るだけでザインガルド達の手を払い除けて寝返りを打つと再び寝息が聞こえ始めてきておる。

 こやつ、起きる気ないのう。


『あ、あいりすさまだー』

『げきれあー』

『でもねてるー』


 ぶつかった衝撃から徐々に立ち直ってきたらしい精霊達も眠っているアイリスを見つけて周りを飛び回っておる。

 まあ、確かにアイリスの奴が大精霊樹の天辺から落下以外に姿を現すのはレアかもしれんしのう。

 あ、今回も落下と言えば落下かもしれんか。


『アイリス、さっさとソラウに処罰を言い渡せよ!』

『嬢ちゃんしか精霊王からその裁きを下す権限が与えられとらんからのう』

『我は何も裁かれんでもいいと思うんじゃが?』

『『『『論外』』』』


 この場にいる寝ているアイリス以外の大精霊全員が否定してきよった。

 ちっ、やはり罰を受けるのは確定なのか。

 じゃが、裁きを下す立場にあるアイリスが起きん限り我に罰を下すのは無理だがな!


『仕方ない。使いたくなかったが最後の手段を使うしかねーな』

『あれだね』

『あれしかないね』


 ザインガルドとウーラールーラの奴らが何やら怪しげな会話をしておる。

 我の知る限りアイリスの奴は一度寝るとなかなか起きん。

 なにせ寝ている間は自分の周りに触れた物の時間を遅らせる時の結界まで張るという徹底ぶりじゃからな。

 時の結界は同じ大精霊でも破るのは難しいしのう。


『ほーらアイリス』


 そんなアイリスの時の結界にあたるか当たらないかという微妙な距離感でザインガルドの奴はどこからか取り出したキラキラと輝く小さな物を掌に乗せていた。

 あれは、確かアメとかいうお菓子じゃったはずじゃ。確かイルゼの奴が花の蜜を固めて作っておった気がする。あんなキラキラしてなかったが……


 ザインガルドがアメをアイリスの顔の周りで振ると匂いに反応したようにアイリスの小さな鼻が動き、閉じられていた瞳がゆっくりと開き、


『おはよう、あむ』


 ザインガルドの掌の上に乗るアメをザインガルドの腕ごと食べたのだった。


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