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精霊樹のエルフは働かない  作者: るーるー
魔国侵攻?編
144/429

大精霊、興奮する

 

「な、なぜ魔王さまがこちらに⁉︎」

「楽しそうだったから?」


 獅子族の男の問いにシャオは首を傾げながら答えとる。

 いや、普通は自分の味方の所を楽しそうとかいう理由で攻撃なんぞせんじゃろうに。

 というか獅子族の奴、顔真っ青じゃぞ。


 その間にも獅子族の男は力を込めてるみたいじゃがシャオは全く動かん。力の差は歴然じゃな。


「たまには運動しようかと思って出てきた」

「う、運動?」

「そ、だからあそぼ」


 シャオの奴が構えというか自然体でいるだけなのじゃが全身から放たれる圧が強くなったのう。

 これ弱い奴なら気絶するかもしれん。

 実際、精霊達がパタパタと倒れとるし、あの獅子族の奴も顔色が悪くなっとる。


「大将を守れ!」

「あの筋肉を守るんだぁぁぁぁ!」


 そんな獅子族の男が動かなくなったからじゃからかじゃろう。

 そやつの部下らしき連中が武器を振り上げて爆進してきよる。

 部下には好かれとるんじゃな。

 逆に魔王の顔が知られてないことにびっくりじゃがな。


『そらうさま、なんかかべからいっぱいでてきた』

『ありさんみたい』

『ぷちっとつぶす?』


 過激じゃのう。

 そりゃ、守りに使ってた壁が一部とはいえ一撃で崩落したら焦るというものじゃ。

 出てきたのは魔族に獣人、スケルトンなどじゃが動きに統一性はないようじゃし、一部の部下の暴走ぽいのう。

 魔法が効きにくいスケルトンは精霊達にはちとキツイかもしれんがよい遊び道具にはなるじゃろう。

『適当にあしらっていいぞ。ただしあんまり殺さんようにな?』

『だいじょうぶ!』

『はちわりごろしくらい?』

『ぜんごろし?』


 いや、全殺しはもう死んどるじゃろ……

 今まで精霊達が遊んでも死なんような奴らしか相手をしてなかっただけに手加減が出来ん気がするのぅ。

 実際、さっきの攻防で向こう側の魔族や獣人は結構死んどるし。重軽傷者は更に多いじゃろう。


『ちゃんと手加減するんじゃぞ? あんまりやりすぎるとイーリンスにちくるからの?』

『お、おうぼうだ!』

『いーりんすにいわれたらおやつがなくなる!』

『へたしたらせいれいかいにもどされる!』


 我、大精霊なんじゃがなぁ。

 なんで大精霊の我より一つ下の位であるイーリンスのほうが怖がられとるんじゃ。

 あれか? 威厳みたいなもんが足りんのか? あんまり威張り散らすのは好きじゃないんじゃが。


『適度にするんじゃぞ?』

『『『はーい』』』


 返事だけはいい精霊達を見送る。

 しばらくすると再び爆音が鳴り響き始めた。

 なんとも不安になるが、やりすぎて怒られるのは我じゃないから別に問題ない。


「く、やるしかない!」

「初めからそうすればいい」


 そんな事よりも獅子族の男とシャオの戦いに動きがあるようじゃし、我的にはそっちの方が興味をそそられるし興奮するのう!

 どっちも肉弾戦タイプぽいからの! 血湧き肉躍るというやつじゃ!

やっぱり闘いは殴り合いじゃないといかんからの。


「アサシネイト」


 夢中になって観戦しておる我の背後から上がった僅かな殺気と声に気付き、我が後ろへと振り返る。

 振り返る途中、我の首筋へと迫る漆黒の刃が目に入ったのじゃが、腕を伸ばそうとするにも間に合いそうにない。そんな考えが脳裏に浮んでいるうちにその刃は我の首筋に突き刺さった。

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