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リデル・ロイヤーの冒険日記3

作者: 溶融太郎

西暦2245年、地底より魔王軍が襲来した。魔王軍の力は強力で、各国は手を取り合い連合軍として

これに対抗した。永きに渡る戦争は拮抗を保っていたが、次第に連合軍が圧され始めた。各国は高い賃金を支払い志願兵を募った。リデル・ロイヤーもまた、志願した傭兵の一人である。





「ホッホーウ!!今日は風が気持ちいーぜ!!」

そう言ってアルテロは、有人ドローンを回転させる。アルテロは、この国の空軍兵士だ。リデルとアルテロは無線でつながっている。

「リデルー!真面目に飛んでないで、お前も、何か技、決めろよー。」

アルテロは、蛇行飛行する。リデルは現在、アルグサリアという国の空軍の傭兵だ。この日は、一人乗りの有人ドローンの飛行訓練で、リデルとアルテロは、空を舞っていた。この国は空軍の軍事に力を注いでおり、有人ドローンもまた、新戦力としてアルグサリアを支えていた。

「オッ!リデル!何かする気だな!」

アルテロは期待する。リデルは、有人ドローンを逆さに向けて飛行する。雲が下に見える。

「ウオッホーウ!!やるな!リデル!!」

アルテロはゴキゲンだ。

「リデル!もっと高く飛ぼうぜ!!」

高度を上昇させるアルテロに、リデルはついていった。ブレードが回転数を上げ、モーターの音が大きくなる。リデルは、いつの間にか空が大好きになった。好きなものは上達も早い。

「リデル、この辺でお茶しようぜ。」

2機の有人ドローンは、遥か上空で止まっている。遠くには海が見えて、水平線が、丸みを帯びて見えた。

「良い眺めだろ・・・」

アルテロもリデルも、この景色が大好きだった。しかし、その時、無線が入った。

「おーい。2人共ー。もーいいだろ。戻ってこーい。ガガッ。」

「まっ、しゃーねー。戻るか。」

リデルとアルテロは、ドローンポートに着陸した。

「リデルも、すっかり一人前だな!」

アルテロはそう言いながらリデルに近寄ってきた。アルテロは金髪の白人だ。目はホリが深く、体は細い。リデルは、この国で戦闘機乗りの資格まで取得した。一人立ちまでもうすぐだ。

「失礼します。」

2人は司令室に呼び出されていた。

「2人に出撃命令だ。戦闘機で翼竜タイプのモンスターを撃墜してくれ。」

司令官に出撃を言い渡された。モンスター達が跋扈しているのは、どの国も同じ事だ。

「このリブデラの街から北の空に、数体の飛行モンスターがイメージングセンサに捉えられた。アルテロがメインパイロット、リデルはサブパイロットを担当してくれ。敵影は、サイボーグタイプと考えられる。」

サイボーグタイプとは、敵モンスターの体内に機器系統が組み込まれた、銃火器を装備したモンスターだ。近年では、モンスターとて近代化している。恐らく魔王軍の科学者が改造を施しているのだろう。

「管制塔と連携を取り、撃墜してくれ。」

2人は司令室を退室し、コーヒーを飲んでいた。

「サイボーグタイプかー。面倒くさいなー。あいつら、口からミサイル吐くんだぜ?とっ捕まえて、解剖してやりたい位だぜー。」

アルテロは、ぼやいた。

「まっ、サッサと片付けるか。」

2人はパイロット・スーツに着替え、戦闘機に乗り込んだ。2人乗りの戦闘機は、前側がアルテロ、後ろ側がリデルの担当だ。

「エンジン出力安定。各部、異常なし。管制塔、聞こえるか。」

いつもの様に、アルテロが確認作業する。

「こちら、管制塔。通信問題無し。・・・ああ、アルテロかー。聞いてくれよ、うちの子、今日、誕生日なんだぜ?3歳だ。」

管制塔から無線が入るが、世間話だ。

「なんだ、クリスかよー。テメエがおしゃぶりでも咥えてろよ。こりゃ、先が思いやられるぜ・・・」

アルテロとクリスは、古い仲らしい。

「何だ、つまんねえ奴だなー。サッサと飛んでけよ!」

アルテロはクリスを無視して、ジェットエンジンを点火させた。

「んじゃあ、今日も頼むぜ、ブリジット。」

ブリジットとは、この戦闘機に付いた名前だ。ブリジットは滑走路から、テイクオフした。

「こちらブリジット。レーダーに敵影をキャッチした。撃墜に向かう。」

アルテロは無線を飛ばす。

「うちの子、ホント可愛いんだぜ!メアリーって言ってな。」

クリスは、まだ言っている。

「前方に敵、2体発見だ。ヨシ!撃墜するぞ。リデル、レーダーを照射してくれ。」

リデルは、レーダー波を照射し、ロックオンの音を待つ。

「ピ、ピ、ピ、ピ、ピー!」

敵をロックオンした。

「ヨシ、アクティブホーミング、ファイアー。」

アルテロの指示で、リデルは、ミサイルを発射した。

「敵機撃墜!あと1体だ、良い子にしててくれよ。サイボーグちゃん。」

アルテロは慣れた手つきでブリジットを巡行する。その時、モンスターが仲間を呼んだ。モンスターは全部で4体に増えた。

「あーっ!めんどくせーなー。」

アルテロは、ぼやく。

「クオン!クオン!クオン!」

ブリジットのレーダー警戒装置が鳴る。モンスターに、ブリジットがロックオンされてしまった。

「こちら管制塔。お前らロックオンされてんぞ。笑わせるぜ!!生命保険には入ってんのか?」

クリスが無線で笑いやがる。

「生命保険は今、検討中だ。リデル、フレア、出してくれ。」

リデルはフレア・システムを機外に放出した。モンスターのミサイルは、フレアの熱源に向かって行き、爆発した。

「ンアーッ!ちゃんと当てろよ。」

クリスが無線の向こうで言っている。

「クリス!ちとメンドイ!イージスから、ミサイル撃ってくれ。」

アルテロが無線に言う。海上では、イージス艦が空に向かって、ミサイルを上に向けている。

「ハア?ミサイル一発で一杯のオゴリだぜ?」

「分かったよ。バーで吐く程付き合ってやる。」

アルテロは、こんな状況で笑って話している。さすが、空軍のトップ・ガンだ。

「あいよ。ミサイルの出前、一丁。」

クリスが返事をした。イージスから2発のミサイルが発射された。モンスター2体が爆発した。

「アルテロ、後は自分でやれよ。ふあ~あ。」

「寝てていいぞ、クリス。・・・リデル、こっちにシステム回してくれ。」

アルテロは、操縦しながら攻撃すると言った。スゴイ奴だ。

「あ、そ~れ。」

モンスターを1体撃墜した。

「ハッピーバースデー、トゥ・・・トゥ・・・ユー!!」

もう1体撃墜した。

「何だよー。もうやっちまったのかー。俺が活躍できないだろー。」

今度はクリスがぼやく。

「ハハハ。娘の誕生日、祝ってやっただろ?」

リデルは驚嘆した。空軍のトップ・ガンとの差が、こんなにあろうとは!ブリジットは、リブデラの街の滑走路に着陸した。





「ご苦労。生命保険には入った方がいいぞ。」

司令はニヤニヤしている。さっきの会話を聞いていたのだろう。

「これよりアルテロとリデルは別々の任務だ。アルテロは空、リデルは陸だ。」

「了解!じゃな、リデル。俺は、白兵戦の経験は無いから、陸は任せるぜ。」

アルテロは右手を挙げた。

「うむ。アルテロには後で指示を出す。リデルはこのまま残ってくれ。」

アルテロは司令室を退室した。

「これからリデルには、北のイルレイの農村に入り込んだモンスターを掃討してもらう。何、数匹の小モンスターだ。」

リデルは頷く。

「一応、傭兵を一人連れて行け。ソイツのジョブは、ガンマンだ。凄腕のガンマンでな。色々、役に立ってくれるだろう。今、呼び出すから、ちょっと待ってくれ。」

指令は内線をかけた。数分後・・・

「コンコン。」

「入りたまえ。」

司令室の扉が空いた。そこには、背が高くて、髪の長い、目付きの鋭い女性が入ってきた。全身、黒のライダースーツだ。

「紹介しよう。ガンマンのスナイパー?君だ。」

その女性は、フン、とリデルを見下ろし、首を回して長い髪を後ろに流した。

「フン・・・スナイパーだ。口のきき方には気を付けるんだな。でないと、そのマヌケ面に風穴が空くぜ?」

スナイパーは、なおもフンフンとリデルを見下ろす。リデルは、また厄介そうなのが来たと思った。

しかし、これから、任務を共にする間柄だ。気まずいのもやりにくい。リデルは握手しようと、右手を差し出した。

「なっ!?何だいその手は!?初対面で、もう手をつなごうってのか!?やらしいね!油断できないよ!

フン!!」

スナイパーは、ソッポを向いた。気まずい空気が、司令室に充満した。




2人は、リブデラの街から北にある、イルレイという農村を目指した。その道中・・・

「・・・・・」

「・・・・・」

2人に会話は無く、リデルはとても気まずかった。冷たい風が、リデルを孤独に追いやった。さすがに、

耐えられなくなったリデルは、スナイパーに、いつからガンマンをやっているのかを訪ねた。

「・・・女に過去を聞くもんじゃ、無いよ・・・」

スナイパーは、静かに答えた。・・・・会話終了。

「てか、アンタ!!」

スナイパーは、いきなり大きな声を出した。

「さっきからアンタ、近いんだよ!ハッ!・・・まさかアンタ、アタシの隣にいるからって、もうその気になっちまったってのかい!勘違いするんじゃ無いよ!フン!!」

スナイパーは、またフンフン言い始めた。・・・冷たい風が、一層、強く感じた。

2人は、イルレイに到着した。緑豊かな自然に囲まれたこの村は、コメや野菜を多量に収穫し、この国の食卓を潤わせる。この村もまた、重要な役割を担っていた。リデル達が、広大な田畑に見とれていると、

「んぎゃあ!」

と、老婆が、転倒した。

「あっ!おばあちゃん!大丈夫?ケガしてない?」

と、スナイパーが老婆に駆け寄った。

「あたしゃ、大丈夫さア、ありがとうねエ。」

そう言うと、老婆は立ち去った。リデルは、スナイパーの意外な一面に驚いていた。

「いっ・・今のは・・・恩を売って、コメを安く仕入れようと思っただけだ!フン!!」

スナイパーは、ギリギリの所で、フンフン言っていた。2人は、通りがかりの男性にモンスターはどこかと尋ねた。男性は、モンスターを指差した。獣タイプのモンスター数匹が、木陰で眠っていた。

放っておけば、村民が襲われるだろう。リデルは、剣を手に取った。

「待ちな!」

スナイパーが、リデルを制止した。

「挨拶がてらだ。アタシの腕を見せてやろうじゃないか。」

スナイパーは、大きなマグナムをモンスターに向けた。モンスターは目を覚まし、威嚇する。

「ガオオオッ!!」

モンスター数匹が、スナイパーに襲いかかった!!

「ドン!!」

銃声が一つ、聞こえた。一瞬でモンスターを4体倒した!

「アタシとやり合って、無事に帰った奴はいないのさ・・・」

スナイパーは、フッ、とマグナムの銃口を吹いた。早撃ちというやつだろうか?リデルは、スナイパーにスゴイ腕だと言った。

「フン・・・荒野じゃあ、これくらいできないと、生きていけないのさ・・・」

荒野?ここは、農村だが・・・

「グルルルル・・・」

気が付くと、モンスターは1体残っていた。リデルはスナイパーにまだ残っていると伝えた。

「・・・アイツは・・・カワイイから・・・撃てない・・・・」

は?カワイイ?どこが?仕方ない、リデルは剣を手に取った。

「グアアアッ!!」

モンスターがリデルに襲いかかる!

「チャキン・・・」

リデルは剣を鞘に収めた。モンスターはそのまま倒れた。

「・・・フン・・・」

スナイパーは鼻を一つ鳴らした。認めてくれたのだろうか?2人は、リブデラの街に向かった。

「近いんだよ!!」

リデルは、また冷たい風に吹かれた。




2人は、司令にモンスター討伐を報告した。

「ご苦労。早速だが、次の任務だ。リブデラの街から西に、コルデ鉱山という採掘現場がある。そこに、モンスターが居座ってしまってな。鉱夫達が困っているんだ。退治して来てくれ。もちろん2人での共同作業だ。」

「共同作業か・・・」

スナイパーが呟いた。

「ハッ!!共同作業!?リデル!!アンタ、共同作業って言われて、現場で変な気起こすんじゃ、無いよ!?気が早いんだよ!ものには順序ってもんがあるだろう!フン!!」

スナイパーは、またフンフン始めた。リデルは、スナイパーを新種の不思議ちゃんだと確信した。

・・・・翌朝。

リデルとスナイパーは、コルデ鉱山に向かっていた。

「フンフン、フッフフーン♪」

スナイパーは、何やら上機嫌だ。同じフンフンでも今までとは大違いだ。しばらく歩いて行くとコルデ鉱山の入り口が見えて来た。

「オッ。待っていたぞ。」

コルデ鉱山の鉱夫が右手を挙げた。

「この道を歩いて行くと、でっけえモンスターがいるんだこれが。倒して欲しいんだこれが。」

2人は、頷いて鉱山を歩き始めた。しばらく歩いて行くと、

「グウウウウッ。」

リデルの腹が鳴った。そういえば、朝食を取っていない。

「何だいあんた、腹が減っているのかい?」

スナイパーは、そう聞いて来た。リデルは頷いた。

「腹が減っては戦は出来ないよ。基本がなってないねェ。・・・ほら、これはアタシの非常用の兵糧だ。

今のうちに、腹に詰めちまいな。」

そう言って、弁当箱を渡してくれた。その弁当箱は、クマちゃんの絵の弁当箱だった。

「何だいその目は!?似合わないって言いたいのかい?・・・フン!口に合わないようなら捨てちまいな!」

スナイパーは、そう言った。よく見ると、弁当箱には「コウメ」と、書かれていた。・・・コウメ?

「そっ!それは!・・・アタシの本名だ・・・似合わないって言いたいんだね!フン!!」

コウメちゃんは、フンフンした。リデルとスナイパーは、その辺に腰かけた。リデルは、コウメちゃん弁当を口に運んだ。玉子焼きは、甘くて優しい味がした。

「おっ・・おいしいのかい?」

リデルは頷いた。スナイパーは、自分のお手製弁当をリデルが食べる姿を、まじまじと見ていた。

リデルは弁当を平らげた。リデルはスナイパーに弁当はとても美味しかった。是非、また食べたいと伝えた。

「ハア!?手間かけさせるね!こっちはアンタの栄養の事も考えて・・・ハッ!・・・何でも無いよ!

ほら先を急ぐよ!」

そう言ってスナイパーは立ち上がった。リデルも続けて立ち上がった。

2人が進んで行くと、モンスターが現れた。ニクトサウルスだ!

「リデル!アタシが先ず銃弾を撃ち込む!アンタは続いて斬り込んでくれ!」

リデルは頷いた。

ニクトサウルスは羽を広げて威嚇した!

「行くよ!!」

スナイパーは、マグナムを眉間に撃ち込んだ!ニクトサウルスは怯んだ!その隙にリデルは斬り込んだ!

ニクトサウルスを倒した!

「フーッ。終わったね。リデル、良い連携だ。どうやら、アタシとアンタは、相性ピッタリのようだね。・・・ハッ!・・・相性ピッタリ!?・・・クッ!・・・フン!!」

スナイパーは、勝利してもフンフンした。

「フンフン、フッフフーン♪」

帰り道も、スナイパーはゴキゲンだった。




2人は司令室で、モンスター討伐の報告をした。

「ご苦労。これから一時、リデルとスナイパーは、別々の任務に当たってくれ。リデルはアルテロと組んで、有人ドローンでイルレイの北の大空洞へ行ってくれ。運転ミスでもしたら大惨事だ。くれぐれも慎重に行動してくれ。今、アルテロを呼び出す。」

司令官は内線をかけた。

「リデル・・・」

スナイパーが声をかけてきた

「これをアンタに渡しておくよ・・・」

スナイパーは、赤い何かを手渡してきた。これは・・・クシ?

「それは、アタシの大事な物だ。任務が終わったら、必ず返すんだよ・・・アンタの手で、アタシに返すんだ。約束だよ。・・・約束破ったら・・・承知しないよ・・・」

リデルは、言われるままに頷いた。

「・・・フン・・・」

スナイパーは、司令室から退室した。スナイパーと入れ替わる様に、アルテロが入って来た。

「失礼します。・・・ようリデル!久しぶりだな。また頼むぜ!」

アルテロは、元気よく挨拶してきた。

「うむ。ではリデルとアルテロは、大空洞に向かってくれ。その大空洞に、ディモルフォドンが居座ってしまってな。奴も飛行モンスターだ。ドッグファイトになるだろう。中は暗く視界も悪い。ドローンを壁や天井にぶつけてしまったら、大惨事だ。慎重に、任務に当たってくれ。」

これまでに無い緊張感が走った。

「了解。失礼します。」

2人は格納庫に向かった。訓練とは違い、有人ドローンの戦闘となる。もちろん、リデルとてドローンでの出撃は初めてでは無い。

「長さん、久しぶりです。」

アルテロは、整備長に挨拶した。

「おお、アルテロ。出来てるぞ。」

整備長は、リデルとアルテロをドローンに案内した。ドローンには、機関砲。小型ミサイル8発が搭載されている。

「サンキュー長さん!じゃあ、行ってくるよ。」

リデルとアルテロは、有人ドローンに、それぞれ乗り込んだ。

「あ、あー。リデル、聞こえてるか?」

アルテロの声が無線で繋がる。リデルは無線で聞こえていると返した。

「おっしゃ。システム異常なし。クリスーどうだ?」

「あいあいー繋がってるよー。リデル、久しぶりだな。」

久しぶりに管制塔からクリスの声が聞こえる。3人は同じチャンネルで繋がった。

「カメラ見えてるか?」

「見えてるよ。イカしたドローンポートと長さんがバッチリだ。」

格納庫の天井が開いた。2機のドローンが空へと羽ばたいた。

「こちらアルテロ、現在、リブデラ上空。クリス、モニター問題ないな?」

「見えてるよー。あー、あそこに子連れの親子がいるな。」

リデルはリブデラの街を見下ろした。確かに子連れの母子がいる。

「最近のママは若くてキレイだぜ。イイよなー。ウチのカミさん、文句ばっかりだぜ。」

「ハハハ、クリスお前、家事やってんのか?」

「やってるつもりなんだけどなー。昨日もカミさんがよー・・・」

いつもの様に、何でもない会話が続く。飛行していると、イルレイの村が見えた。

「この村に、昔、別れた女がいるんだ。アイツと一緒になってたら、今頃、違ってたのかなー?」

「ハハハ、クリス、何も変わって無いと思うぜ?お前は今と変わらず、陰口ばっかりだ。」

「直接、言えないからなー。」

リデルは聞こえてくる無線に、クスリと笑った。

「あっ、あそこが大空洞の入り口だ。2人ともライト付けて侵入してくれ。」

クリスの指示で、リデルはドローンのライトを点灯した。大空洞というだけあって、中は広い。

ドローンのライトが、内部のホコリを浮かび上がらせた。

「ストップ!・・・ほらそこ、いるぜ。ディモルフォドンだ。」

クリスがストップをかけた。

「リデル、見てるか?アイツ、地べたで何かモゾモゾしているな。俺から行く。援護してくれ。」

了解。とリデルは返事した。アルテロのドローンが、前進した。

「ファーストストライク、イタダキだ!!」

アルテロのドローンから、小型ミサイルが発射された。ボン!と煙が上がる。

「キュアアアアア!!!」

ディモルフォドンは、そう叫びながら飛び上がった!

「チツ!外したか!」

「ヘタクソだなー。」

クリスは余計な事を言う。ダダダダダ!とアルテロは機関砲を撃ち込んだ。

「クソ!すばしっこい奴だ!どこへ行った!?」

アルテロとリデルは、辺りを見回した。

「アルテロ!後ろだ!!」

クリスの声にアルテロは後ろも見ずに上昇した。アルテロ機のすぐ下をディモルフォドンが通過する。

「リデル!捉えられるか!?」

アルテロの声にリデルは手動で照準を追いかけた。

「ピピピ!!」

リデルは4発のミサイルを撃ち込んだ。煙を上げてディモルフォドンが墜落する。

「やったなリデル!!敵機撃墜だ!!」

「やるようになったなリデルー。お前がドローンの、トップ・ガンかもなー。」

アルテロとクリスは、リデルのめざましい進歩を称賛した。

「任務完了。リブデラに帰還する。」

アルテロとリデルはリブデラに戻った。

「ま、一番の活躍は、俺だけどなー。」

クリスは最後に余計な事を言った。





アルテロとリデルは司令官に任務終了の報告をした。

「うむ。よくやってくれた。リデル、聞いているぞ。お手柄だったな。」

リデルは頷いた。

「これから、アルテロは空、リデルは陸の任務に戻ってくれ。リデルはまたスナイパーと組んでくれ。」

ここでアルテロとは、別行動になった。

「じゃな、リデル。また。」

アルテロは退室した。

「リデル。まだまだ、危険なモンスターは盛沢山だ。良かったな、仕事に困らなくて。次のモンスターは・・・ランフォリンクスだな。コイツの資料がその辺にあったな・・・」

司令は部屋の隅を指差した。リデルはしゃがみ込んで、部屋の隅にある棚の資料を探し始めた。その時、

「コンコン!ガチャ!」

誰かが慌てて司令室に入って来た。スナイパーだ。

「ハア・・・ハア・・・司令!リデル帰って来るんだろ?どこにいるんだい?教えておくれよ!」

スナイパーは指令に詰め寄った。司令は目を丸くしてリデルを指差した。スナイパーがリデルを見つけた。

「アッ!!・・・・フン、何だ、またアタシの前にノコノコ現れたのかい?仕方ないね。少しだけなら面倒見てやるか・・・」

スナイパーは、長い髪を後ろに回した。司令は、ニタニタ笑っている。

「そうだな。一緒に組んでくれ・・・プッ・・・いや、失礼。次の任務だがな、敵は強敵だ。そこで、また一人、傭兵を雇った。ソイツのジョブはソーサラーだ。」

ソーサラーとは、魔術師の事だ。

「ソイツは炎熱系の魔法が得意でな。強烈な炎の使い手だ。期待していいぞ。今、内線をかける。」

指令は内線をかけた。リデルはこの隙にスナイパーに、クシを返した。その際、リデルとスナイパーの、手と手が触れ合った。

「あっ・・・・フン!!」

リデルはスナイパーのフンフン振りが懐かしく思えた。

「コンコン。ガチャ。」

一人の男性が入って来た。その男は、ツンツンした髪と、服と、靴だった。

「紹介しよう。ソーサラーのマギウスだ。」

「ギュワワーン!ティラリラリラリラ・・・」

その男は、いきなりギターを取り出し、かき鳴らした。

「俺の本当のジョブはギタリスト!!リデルとやら!俺と一緒に、音楽で時代を変えようぜ!!」

リデルは、また変なのが来た、そう思った。

「オット!サインならちゃんと並んでくれ!!ソーサラーは、俺がドームを埋めるまでの、アルバイトさ!!」

マギウスはそう熱弁した。リデルは、これが才能の無駄使いというやつか・・・心からそう思った。

「うむ。ランフォリンクスは、コルデ鉱山の北にいる。山越えになるからな。ウチの輸送機で運ぼう。

上空からパラシュートで降下し、任務に当たってくれ。」

司令がそう言った。

「ちょいと待っとくれ!アタシ、パラシュートの経験なんか無いよ!」

スナイパーが待ったをかけた。

「ああ、そうか。では、リデルと一緒のパラシュートで降下してくれ。」

司令はそう言った。

「ああ、それなら・・・リデルと一緒にか・・・ハッ!!リデルと一緒になる!?だから!そーゆーのは気が早いって言ってるだろ!!・・・フン!!」

またスナイパーは、一人フンフンを始めた。リデルはそれも懐かしいと思った。




3人はリブデラの滑走路へと向かった

「フンフンフーン♪」

スナイパーのフンフンソングが聞こえた。

「ギュワワンワーン♪」

マギウスのギターが、後からついてきた。

「フッフフフフーン♪」

「ギュワワワワーン♪」

リデルは、いつからこのパーティーがチンドン屋になったのかと思った。普通の自分が悲しく思えた。

3人は輸送機に乗り込み、パラシュートを装着した。そして輸送機が飛び立った。

「この辺だ。OK!GO!」

と、パイロットに促された。3人は輸送機から飛び降りた!ボンとパラシュートが開き、落下速度が安定した。

「空からのライブってのも、良いな!」

そう言ったマギウスは、エア・ギターを披露した。その時、スナイパーがバタバタと暴れだした。

「こ・・・怖いよう!高いの怖いよう!ウエエエ~ン!怖いよ~!リデル~!ちゃんとアタシを抱っこしてて~!怖いよ~!ウエエエ~ン!!」

余りの恐怖の為か、スナイパーは自分を曝け出して泣き始めた。リデルは慌ててスナイパーを抱き抱えた。

「ハア・・・ハア・・・」

着地に成功したスナイパーは、四つん這いになって息を切らしていた。リデルは、大丈夫か?とスナイパーに声をかけた。

「リデル・・・アンタ、さっきアタシの変なトコばっか触って!ものには順序があるって言ってるのに!!もう知らない!!フン!!」

スナイパーは、涙目になっていた。リデルは、スナイパーにゴメンゴメンと言い、3人はランフォリンクスへと向かった。しばらく歩いて行くと、ランフォリンクスが現れた。

「スナイパー!ここは俺達に任せてくれ!!俺の腕を見せてやるぜ!!」

マギウスは、そう言ってギターを構えた。

「・・・フン・・・面白いじゃないか・・・」

余裕を取り戻したスナイパーは、腕を組んで高見の見物を決め込んだ。

「キュラキュラキュラキュラ・・・ジャカジャ~ン!!」

マギウスは、ギターをかき鳴らした!

「リデル!俺は今から炎を練り上げる!!お前は俺のギターに合わせて歌ってくれ!!」

・・・歌う?リデルはマギウスからマイクを渡された。

「ギャーギャギャギャギャギャギャ!!!」

マギウスのギターが、あおり始めた。

「キテル!キテルぜ!!熱いサウンドが!!ヨシここだ!!ここでリデルのヴォーカルで加速させてくれ!!」

リデルは訳も分からず口をマイクに近づけた。

「くいしんぼうの、サンタクロース♪・・・」

「バカヤロウ!!そんなので客がつくと思ってんのか!!」

リデルは怒られた。

「クっ・・・仕切り直しだ・・・今度は、俺が・・・ソロで行く!」

マギウスはギターを構え、スウッと息を吐いた。

「ギョギョギャギョ、ギョギョギャギョ・・・」

ん?この曲は・・・

「ギョギョギャギョ、ギョギョギャギョ・・・」

この曲はまさか・・・

「俺はリブデラ傭兵のーギタリスト、ミュージシャン♪」

これは・・・まずい。

「今は下積みソーサラああで、夢を見る、男です♪」

まずいまずい!

「でもあんた・・・飛行モンスターって言ってるけど・・・活字ばっかで姿分かりませんからー!!!

残・・・!」

リデルはマギウスの口をとっさに抑えた!これ、大丈夫だろうか?その時、辺りから、激しく炎が立ち上った!まさか・・・今のが魔法詠唱だというのか?

「ギャーギャギャギャギャギャギャ!!」

マギウスのギターが、あおりを加えた。みるみる炎の色が青く変わり、凄まじい青い炎の竜巻がランフォリンクスを襲う!!

「アンコールは、受付ないぜ?」

マギウスは、キュウン!とギターを止めた。

「ギャアアアアア・・・」

ランフォリンクスは、燃えカスになった。

「フン・・・出来る様だね・・・」

スナイパーは、組んだ腕を外し、ランフォリンクスの亡骸に背を向けた。

「ウフッフフーン♪」

「ギャギャッギャギャーン♪」

また、チンドンソングが始まったが、まあ、これもありか・・・リデルはそう思った。3人は輸送機でリブデラに戻った。




「だだいま戻りました。」

3人は司令室に戻った。

「うむ。これからの事なんだが、大きな戦いがある。サンダーグリフォンという強敵がこの国にはいてな。今、準備段階だ。君達には、その前にいくつかのモンスター討伐を頼む。この国の最北にデネルという街がある。その街の付近にモンスターが居着いてしまってな。ソイツはプテロダウストロというモンスターだ。そして、大きな戦いの前に、また一人、傭兵を雇っておいた。その傭兵のジョブは、ネクロマンサーだ。」

ネクロマンサーとは、死霊使いの事だ。

「その傭兵は、見た目は幼いが、古くはシャーマンの家系で、相当な才能の持ち主らしい。今はこんな時代だ、若くてもモンスターと戦える者は戦えるし、大人でも戦えない者は倒れていく。仕方ない事だが・・・上層部との話し合いの結果、傭兵として招き入れる事にした。今、内線をかける。」

司令は内線をかけた。

「コンコン・・・失礼します。」

司令室に入ってきたのは、本当に、幼い女の子だった。

「初めまして。メルディナと申します。ネクロマンサーをやっております。どうぞよろしくお願いします。」

メルディナは、静かに頭を下げた。リデルは、なんて・・・なんてしっかりした子なんだ!と安心した。

「オイオイ、ガキじゃないか・・・大丈夫なのかい?こんなんで。」

スナイパーは、ブスッとした顔をした。

「ションベンでも、漏らされたら厄介ダゼ・・・」

マギウスも困った顔をした。

「お二人とも、声が大きいですね・・・」

メルディナは無表情でそう言った。

「なっ?なんか腹立つガキだね!若けりゃいいと思ってんのかい!アタシがアンタ位の時はね!学校の写生大会に入賞して、絵描きのウメちゃんと言われたもんさ!」

スナイパーは、鼻をフンカフンカした。

「分かるぜスナイパー。このガキャ、スカシやがって!俺のギターを聞いて、腰抜かすなよ!」

マギウスもフンカフンカした。

「クスッ・・・」

メルディナは少し笑った。

「キイイ!は・ら・た・つガキだねぇ!おっ・お前!バーカバーカ!・・・フン!!」

「絶対お前にはサインしてやらねえ!!後悔するぞ!!」

2人は、フンカフンカしている。

「オッホン!!」

司令が話を続けた。

「先ずは、デネルの街に向かってくれ。輸送機で運ぶ。今回はちゃんと空港から着陸できるぞ。向こうで少し休憩してもいい。そこから、プテロダウストロ討伐に向かってくれ。では頼む。」

メルディナを加えた4人は退室した。

「いや、やっぱり信用しろといわれてもなー。アンタ本当に大丈夫なのかい?」

「うーん。危ない事を子供にやらせるのもなぁ。」

スナイパーとマギウスは、メルディナの事を疑っている。

「仕方ありませんね・・・」

メルディナはキョロキョロと辺りを見回した。

「あそこに300年前に亡くなられた女性の霊がいます。このままにしておくと悪霊化しそうなので、消し去ります。それで信用してもらえますか?」

メルディナは一本のスギの木を指差した。

「まあ、お手並み拝見といこうじゃないか。」

「そうだな。そうしよう。」

スナイパーとマギウスは、それで手を打つ事にした。

「ムツ・・・」

メルディナは両手を合わせた。

「あらよっと!おお!メルディナ!どうしたんだ?」

メルディナは死霊を召喚した。その死霊は、何やらキラキラした服を着てローラースケートを履いている。

「あそこに女性の霊がいます。連れ去って下さい。出来ますか?」

メルディナは、死霊にそう言った。

「アタリマエダのクラッカーだぜ。ナウいナオンの落とし方なんて、楽勝さ。こんな役なら、マンモス

ウレピーぜ!」

その死霊は、聞いた事の無い言葉を駆使して女性の霊へと向かった。

男霊「ハーイ。何してんだい?竹の子族かい?今からサテンで、レーコーでもどうだい?」

女霊「え?何?あんた・・・恥部餓鬼隊のボックンに似てるね・・・」

男霊「おっ!その、猫なめ、ナウいな。」

女霊「あら、よく分かってるのね。私をスキーに連れてって。」

男霊「フッ・・・ラブ・ストーリーは突然に、か・・・その瞳、ギンギラギンにさりげないぜ・・・」

男霊と女霊は一緒に消え去った。

「これで、信用できますね?」

メルディナはそう聞いてきた。

「これってすごいのかい?」

「ウーム。」

スナイパーとマギウスはまだ疑っている。

「分かりました。では、私のお友達を紹介します。」

メルディナは、ゾンビを2体、召喚した。

「ヒイイ!アタシ、怖いのダメなんだよお!眠れなくなるんだよお!」

「俺もだ!分かった!分かったから!お帰り頂いてくれ!!」

ゾンビにはお帰り頂いた。

「フーッ!末恐ろしい子供だね!大人を脅すなんて・・・」

「ああ!チビっちまったぜ・・・ん?本当に、チビって・・・」

スナイパーとマギウスは、渋々、納得した様だ。4人は輸送機に乗り込み、デネルの街へ向かった。




デネルの街へ向かう途中。リデルとメルディナは話込んでいた。メルディナの幼いながらしっかりした雰囲気にリデルは安心していた。リデルはメルディナに、いつからネクロマンサーになったのかと尋ねた。

「私は、物心ついた時にはもう、召霊の修行を受けていました。修行といっても、呼び出したお友達と遊んでいただけですけど・・・」

リデルは感心した。それ以上に、可愛らしいメルディナと話すのが楽しかった。気が付くと、スナイパーがギリギリと歯ぎしりして、こちらを睨んでいた。どうした?とリデルはスナイパーに声をかけた。

「リデル・・・アンタ他の女とそんなに楽しそうに・・・キ、キイイ・・・アタシだって、アンタの事なんか、これっぽちも、何とも思って無いんだからね!!フン!!」

リデルは、スナイパーに、はい、ゴメンゴメンと言いなだめた。輸送機はデネルの街に着陸した。

4人はデネルの街を見渡した。デネルは、色鮮やかな花々が色どり、豊かな水源と、たっぷりと栄養を含んだ土壌が自慢の街だ。また、お菓子や特産品も有名であり、お土産には、デネルが誇る大きな風車をシンボルとするデザインが、度々、採用されている。

「ンアーッ。何か疲れたぜ。休憩してもいいって言ってたよな。うまそうなもんも、そこらじゅうにあるぜ。」

マギウスは、伸びをして、深呼吸した。

「そうだね。アタシは買い物がしたいねエ。」

4人は、一度休憩の為に解散した。リデルは、鮮やかな花壇を見ていた。

「お花はいりませんか?」

花売りの少女がリデルに近付いてきた。リデルは、ついその少女が可愛くて、花を全部買ってしまった。

「わああ。ありがとう。」

少女は嬉しそうに花束にしてくれた。リデルは大きな花束を空に掲げた。しかし、リデルは花にまったく興味が無かった。さて、この花はどうしたもんか・・・すると、買い物をしていたスナイパーに、バッタリ出くわした。

「どうしたんだい?その花は?」

スナイパーは不思議そうに花束を見ていた。リデルは、段々、花束が邪魔に思えて、スナイパーに花束を手渡した。

「なっ!・・・アンタ・・・こんな所で、いきなりプロポーズするなんて!!アタシは、花なんかで落ちる女じゃ無いんだからね!・・・ふん・・・でも、か、考えておくさ・・・」

スナイパーは、大事そうに花を抱えて立ち去った。2時間後、4人は集合し、デネルの入り口に集合した。スナイパーは、先程の花束を自宅に送ったらしい。4人はプテロダウストロに向かった。

「こっちですね・・・」

メルディナは、案内人を召霊して道を聞いているらしい。なんと便利な能力だ。しばらく歩いて行くと、プテロダウストロに遭遇した。プテロダウストロは、いきなりリデルに攻撃した!これだから、モンスターは討伐しておかないといけない!

「リデルさん、回復します。」

メルディナは、看護師長を召喚した。

「何だい?急患かい?あーあんたケガしてるね。何だい!こんなケガで!あたしの旦那は、痛いなんて言った事なんて、無いよオ!!」

看護師長はリデルの傷口を叩いた!リデルは3のダメージを受けた!

「あたしと旦那の出会いかい?あたしとあの人の出会いはね・・・そりゃあ、奇跡みたいなもんさ・・・

ある日、あの人は傷だらけで急患で運ばれて来てね、まだ新人だったあたしは、徹夜で介抱したもんさ・・・あの人が元気になった時、あたしに何て言ったと思う?このお礼は、一生をかけて君を守るだってさ・・・笑っちゃうだろ?こっちは仕事でやってんのにね・・・まあ、あたしも仕事ばっかりで、他に出会いなんてなかったし?女の幸せを手にするのも悪くないってゆうか?それで、やがて2人は時間が経つに連れて・・・」

「はやくはやくはやく!!!」

リデルは回復を急かした!

「何だい!女の話を聞かない男だね!まあいいさ!そらよ!!」

リデルは回復した!看護師長は旦那の元に帰っていった。

「続いて召喚します。」

メルディナは、また召喚した。

「おや!メルちゃん!いい子にしてたかい?」

「おお、久しぶりじゃのう~」

メルディナは老夫婦を召喚した。

「おじいさん、おばあさん、いつもありがとう。」

ババ霊「いいんだよ~アタシら呼んでくれるだけで嬉しいもんさ。」

ジジ霊「ほうじゃほうじゃ、嬉しいもんじゃ。」

ババ霊「はい、メルちゃんこれ、あっちでとってきた、ふきのとう、湯がいて食べるんだよ。」

ジジ霊「ホッペが落ちるでのう~。」

ババ霊「所でどうしたんだい今日は?あ!あいつがメルちゃんをいじめるのかい?」

ジジ霊「カア~!!許せんのう~!」

ババ霊「あんた!こらしめるよ!!」

ジジ霊「おうともよ!!陸軍でイワせた竹やりさばき、見せてやるわい!!」

ババ霊は灼熱のお灸を据えた!ジジ霊はかつて時代を駆け抜けた竹やりさばきで串刺しにした!

「グギャアアアア!!・・・」

プテロダウストロを倒した!

「肉体は滅んでも、魂は不滅です。」

メルディナは、クスッと笑った。

ババ霊「また、呼んでおくれ・・・」

ジジ霊「待っておるでのう~」

ジジババの霊は帰って行った。

「アタシ達・・・やる事無かったねエ・・・」

「・・・・・」

スナイパーとマギウスは、メルディナが傭兵として迎えられた理由を理解した。4人はリブデラに帰還した。





4人は司令に任務完了の報告をした。

「うむ。ご苦労。次の任務が終わったら、休日を挟んでくれ。その次はサンダーグリフォンとの戦いがある。次の任務は、首都・カリグラムでの討伐だ。カリグラムのカジノに人間に化けたモンスターが出入りしているとの情報が入った。魔王軍には、ジャック・マジシャンという変化の術を使うモンスターが存在する。恐らく、ソイツだろう。ソイツはカジノで常に大勝ちしているらしい。風紀が乱れては大変だ。

4人共、正装して任務に当たってくれ。では、頼む。」

4人は、司令室を退室した。

「カリグラムかあー。そんなに縁がないなー。」

マギウスは、そう言った。

「確かに、アタシ達、傭兵は用事でもないと行かないね。」

スナイパーは同意した。メルディナも頷いている。リデルとて同じ事だ。4人は輸送機に乗り込み、首都・カリグラムを目指した。

「正装かあ。どれぐらい振りだろうな。」

マギウスは、呟いた。

「久しぶりに、めかし込むかねえ。」

スナイパーは、少し楽しそうだ。

「おっ!カリグラムが見えてきたぜ。」

「大きいねー。さすが首都だ。」

マギウスとスナイパーは感心している。リデルは窓の外を覗いた。ひしめき合う様に建物が並び、多くの人々が歩いているのが分かる。輸送機はカリグラムに着陸した。

「やっぱり都会はいいぜ!こんな所でライブしたいもんだな!」

マギウスは興奮している。4人は、カリグラムの街並みを見ていた。アルグサリアの首都というだけあって、すごい人工密度だ。様々な看板や、国外の観光客達が4人の目を奪った。

「観光はこの辺にしておこうか。もうすぐ夜だ。正装しないと。」

スナイパーの一声に、皆、頷いた。4人は正装の為に一時解散した。リデルとマギウスは、輸送機の中で着替えた。2人とも、光沢のあるスーツに蝶ネクタイをした。輸送機を降り、スナイパーとメルディナを待っていた。

「お待たせ。」

そこに、スナイパーとメルディナが現れた。リデルは目を疑った。驚く程に美しくなったスナイパーが立っていた。黒く妖艶なドレスは、ザックリとスリットが入っており、スナイパーの脚線美を際立たせた。キラキラと輝くジュエリーは、周囲の光を全て吸い込んで、スナイパーが眩しく見える。元々、モデル体型のスナイパーだ、露わにした胸元も、一つの武器にしているのだろう。艶々と妖しく光る口紅が、リデルを虜にした。

「ウッフ~ン。アッハ~ン?」

スナイパーは、ふざけて挑発するようにリデルの胸元から口元にかけて、人差し指でなぞった。

リデルは、吸い込まれそうな香りを残すスナイパーに、フラフラとついていった。

「あたしも、おめかししてるのに・・・」

メルディナはふてくされた。ここはスナイパーの貫禄勝ちだった。

4人はカジノへと向かった。夜を迎えたカジノは眩しいイルミネーションを放っていた。客達も同じように正装している。独特の世界観がカジノには存在した。

「オオッ~ッ!!」

大きな声が上がった。その声の中心に、高くチップを積み上げた男がいる。

「よく来て下さいました。お話は聞いております。」

ボーイが現れた。そのボーイは、チップを積み上げた男が怪しいと囁いた。

「分かりました。姿を暴きます。」

メルディナは、召喚を始めた。

「ハンドタワーです。」

黒いサングラスをかけた超魔術師が召喚された。手品師には魔術師で対抗しようというのだろうか。

「初めまして・・・ミスター・マリッコです。」

ミスター・マリッコは、チップの前の男に挨拶した。

「なんだあ?初めて見る奴だな。」

男は偉そうにハマキをくわえている。

「今からそのチップを全て無くしてご覧にいれます。」

マリッコは、ニヤリと笑った。

「ハハハ!やってみろよ!俺はこのチップを倍にしてやるぜ!!」

手品師と魔術師の一騎討ちが始まった。周りのギャラリーも、固唾を飲んで見守る。その時、マリッコが、フッ!と息を吐いた。

「なっ!消えた!?チップが消えた!?」

男はうろたえた。

「おっ、お前・・・どこにチップをやった!!」

周りのギャラリー達も何が起こったか分からない。その時、ミスター・マリッコが、

「バリッ、バリッ、バリッ・・・」

と口を動かした。

「喰ったのかよ!!」

と男はずっこけた。しょうもないタネあかしのハズミで、ドロン!!と変化の術が解けた!ジャック・マジシャンが現れた!!

「ハンド・タワーです。」

マリッコはそう言い残し、帰っていった。

「キャアアアア!!」

カジノは騒然となった!

「ここからはアタシ達の仕事だよ!!」

4人はマジシャンの前に立ちはだかった!マジシャンは炎を集め始めた!

「炎、無効化します。」

メルディナは、消火隊を召喚した。

「み組の火消したぁ、俺達の事よ!お前ら、ピストンフォーメーションでい!」

「おうよ!!」

み組の消火隊は、バケツリレーでマジシャンの炎を消し去った。

「熱さなら負けねえ!ギャーギャギャギャギャギャギャ!!」

マギウスはギターをかき鳴らした!4人の力が倍増する!

「リデル!行くよ!」

スナイパーは腰のマグナムに触れた瞬間、眉間を打ち抜いた!さらにリデルが、ムーンサルトスラッシュを決めた!!マジシャンを倒した!

「ヒュー!!最高のショーだ!!」

カジノは拍手に包まれた。4人は拍手を受けながらカジノを去った。

「よーし!任務終了だ。明日は休みだぜ!」

マギウスは背伸びをした。

「リデル、せっかくだ。このままの恰好で飲みにでも行かないかい?」

スナイパーが誘って来た。リデルは頷いた。

「私は、宿を探します。」

メルディナは、そう言った。

「・・・あ、そうだな。俺もその辺ぶらつくかなー。」

マギウスもそう言った。何かを察した2人は気を利かせたのだろう。スッと居なくなった。

「あいつら・・・フン・・・まあいいさ。リデル、行こう。」

2人は正装していないと入れない様な高級なバーに行きついた。大きなホテルの最上階のスカイ・ラウンジだ。美しい夜景が2人の距離を近づけた。パーテーションで区切られて周りの世界から断絶されている。

「綺麗な夜景だね・・・」

薄暗い照明に燈されたスナイパーの瞳はキラキラと輝く。

「カンパイ・・・」

2人はグラスを鳴らした。ジュエリーを輝かせてグラスを口に運ぶスナイパーの仕草に、リデルは息を飲んだ。

「リデルは、どうしてこの国にいるんだい?」

スナイパーは尋ねた。リデルは、モンスターにさらわれた妹を探す為に、世界を旅しながら傭兵をしている事を伝えた。

「アンタも・・・大変なんだね・・・」

ユラユラと光るピアスが、スナイパーの魅力を引き立てた。

「人と飲むなんて、何年振りだろうね・・・フフ・・・何だか、気持ち良くなっちまったね・・・」

そう言ってスナイパーは、リデルの肩に頭をもたげた。スナイパーの美しい髪の香りが、リデルの鼻を誘惑した。リデルは、この夜景とスナイパーの美しさに我を失い、スナイパーの唇にキスをした。

「ん・・・んん・・・は・・・リデル・・・んん・・・待って・・・んん・・・待ってよ・・・んん・・・待って・・・お願い・・・」

スナイパーは、両手でリデルの体と距離を空けた。

「気持ちは嬉しいけど・・・アンタには、やらないといけない事があるんだろう?」

スナイパーは瞳を潤ませてそう言った。その時、リデルは、ハッと我に返った。そうだ・・・旅の目的を忘れてはいけない。

「これ以上は、アタシも、もう引き返せなくなるんだよ・・・」

スナイパーは、首を左右に振った。

「大人になる程・・・自由が、消えていくのかね・・・」

スナイパーは、グラスを飲みほした。2人はバーを後にし、それぞれ別の部屋で夜を明かした。

次の日、4人は帰還の為に輸送機に集まった。スナイパーはいつも通りのライダースーツに戻っていた。

リデルは、昨日のスナイパーの姿は幻だったのかと思った。しかし、あのスナイパーの美しい姿は、リデルの心を掴んだまま離さなかった。ふと、リデルとスナイパーは目が合った。スナイパーは、すぐに目を逸らした。

「・・・・・」

離陸した輸送機の中、スナイパーは窓の外を眺めていた。リデルは、もうフンフン言わなくなったスナイパーを寂しく思い、胸が苦しかった・・・




4人は司令室で任務終了を報告した。

「うむ。ご苦労だった。これから、サンダーグリフォンとの戦いがある。準備ももう終わった。サンダーグリフォンはカリグラムの西にいる。サンダーグリフォンは、サイボーグタイプだ。大変な戦いになるだろう。心してくれ。奴はミサイルを無効化する厄介な相手でな、近接戦闘を重とする作戦をとった。

一応、奴も飛行モンスターだ。空と陸の両方から攻撃を仕掛ける。今、アルテロとクリスを呼び出す。」

司令は内線をかけた。数分後、アルテロとクリスが現れた。

「うむ。皆、集まったな。アルテロは飛行部隊を率いて、サンダーグリフォンが飛び上がった時に攻撃を

仕掛けてくれ。クリスは管制塔から全体の指揮を頼む。リデル、スナイパー、マギウス、メルディナの

4人は、カリグラムから歩いてサンダーグリフォンに向かってくれ。作戦は、明日の朝だ。皆、準備もあるだろう。今日はこれで解散してくれ。では、健闘を祈る!」

6人は、ゾロゾロと退室した。輪になってコーヒーを飲んでいる。

「いよいよだな!リデル、俺達は今回はサポートだ。明日はヨロシク頼んだぜ!」

アルテロは意気込む。クリスも頷いた。

「オッシャア!やったるぜ!!」

マギウスも意気込む。6人はそこで解散した。リデルは、背を向けたスナイパーを呼び止めた。そして、

また今夜、飲まないか?と誘った。

「それは・・・ダメだ。」

スナイパーは首を振った。

「リデル、気持ちは嬉しい・・・でも、アンタはこれまで妹を探して、色んな国を渡って来たんだろ?・・・アタシはこの国から離れられない理由がある・・・それに、アンタが家族を見捨てたら、そんな男と一緒にはいられない。気持ちは本当に嬉しいんだ・・・でもね・・・2人の気持ちが同じでも、

一緒に居られない事もあるんだよ・・・」

スナイパーは、リデルに背を向けた。

「夜は冷える・・・カゼひくんじゃないよ・・・」

スナイパーは立ち去った。スナイパーが残した香りが、リデルの心を引っ掻いた。リデルは一人、立ち尽くしていた。明日は大事な戦いがある。集中しなければ、命を落とす事になる。リデルは、痛む胸を抑えながら、明日の勝利を静かに誓った・・・




4人は朝、輸送機に乗り込みカリグラムに向かった。リブデラの空港では戦闘機が数機、準備を始めている。4人に会話は無かった。静かに戦いの時を待っている雰囲気だ。しばらくして、輸送機はカリグラムの空港に降り立った。カリグラムの街では、いつもの賑わいをたたえていた。だれもこの4人が戦いに行く事など知らないのだろう。4人はそのまま、サンダーグリフォンの所へと向かった。

「リデル!集中して行くよ!」

スナイパーが声をかけてきた。分かっている。リデルは頷いた。しばらく歩くと草むらが開けた。

「キィエエエエエェェ!!」

サンダーグリフォンがそこに立ち上がっていた。

「行くよ!」

スナイパーのかけ声で、4人はサンダーグリフォンに向かった。


スナイパーはマグナムを連射した!

マギウスは激しい炎を巻き上げて焼き払った!

メルディナは騎士を召喚し、突撃させた!

リデルは、剣を構えて斬撃を放った!


「キィエエエエエェェ!!」

サンダーグリフォンは叫んだ!

「効いてるよ!!追撃だ!!」

スナイパーの声に、4人はさらに武器を構えた!

「パリパリパリパリッ・・・」

サンダーグリフォンは口を開け、サンダーボルトを放った。

「あああああああ!!」

4人は雷撃を喰らった!!

「パリパリパリッ・・・」

サンダーグリフォンはまた口を開けた。

「あの雷、無効化します。」

メルディナは、科学者を召喚した。

「ああ、雷?簡単ですよ。これで100%中和できます。雷を避雷針に落とすより、雷を発生させない、

このメカニズムにより発案された・・・・」

「ヨシ!!これでいける!!」

スナイパーは話を無視して銃弾を撃ち込んだ。

「キィエエエエエェェ!!」

攻撃を無効化されたサンダーグリフォンは、たまらず空へ羽ばたいた!

「誰の前で飛んでんだ!?」

ブリジットに乗り込んだアルテロが、サンダーグリフォンの翼に機銃を撃ち込んだ。

翼を失ったサンダーグリフォンは地面に叩きつけられた!!

「ヨシ!!トドメだ、アンタたち!!」

4人は、一斉にサンダーグリフォンに突っ込んだ!

「ギエエエェェェェ!!!」

断末魔を上げて、サンダーグリフォンは息絶えた!

「やったぜ!!勝利のポーズ!シャキーン!」

マギウスはガッツポーズをした。

「フーッ。何とかなったね!帰ろう。リブデラに!」

4人は、ハイ・タッチをして勝利を喜んだ。

「よくやったな!お前達!」

司令官も笑顔で6人を迎えた。司令官室に集まった6人は、皆、笑顔だった。

「ハハハハハ!!あー・・・・あ?何だ、あれ。」

クリスが窓の外を見ていた。リデルもつられて窓の外を見た。遠い空に、何かが浮いている。

あれは・・・・ドラゴン??そのドラゴンから、何かが落ちた。司令官も、それを見ていた。

「危ない!!!伏せろ!!!」

「・・・・カッ!!!!」

閃光が駆け抜けた。司令室の窓は、衝撃で全て割れた!

「ゴゴゴゴゴゴゴ!!」

凄まじい爆音が、アルグサリアに響き渡った!巨大なキノコ雲がコルデ鉱山辺りから登っている。

「山が・・・消し飛んだ!!」

司令は息を飲んだ。皆も、啞然としている。ドラゴンは、どこかへと飛んで行った。

「何だあのドラゴンは!?見た事がないぞ!!」

司令官は声を荒げた。

「皆、大丈夫か!?」

司令官の声に、6人はお互いの無事を確かめ合った。窓ガラスが割れて散乱している。

「今、上層部に電話する!」

司令官は電話で話し始めた。リデルは皆の元に駆け寄った。皆、大したケガはしていない様だ。

割れた司令室の窓から、外を見ると、人々が外に出てざわついていた。

「何が起きたんだ!?」

「空にドラゴンがいたぞ!?」

「あんな危険な奴がいるのか!?」

様々な声が聞こえた。

「皆、今から会議室に集まってくれ!緊急会議だ!」

司令の声に、6人は頷いた。




6人は会議室に着席した。大変な事が起こると、会議室に集まるのはどの国も同じだ。ザワザワと会議室の席が埋まった。上層部の偉い人が壇上に立った。

「諸君、分かっていると思うが、大変な事が起きた。我々も見た事もないドラゴンが、コルデ鉱山を吹き飛ばした。そのドラゴンは北の方角へと飛んで行ったらしい。一般市民がそのドラゴンの写真を捉えている。」

上層部は、その映像を出した。体の大きなドラゴンが写し出された。

「確かに、見た事ない・・・」

「何だ、コイツは・・・」

近い席から声が上がった。

「我々はこのドラゴンを、アトミック・ドラゴンと名付け、早急に討伐に向かう作戦をとる。新たな被害が出る前に、アトミック・ドラゴンを討たなければならない。各、部隊の者は、上官に指示を仰いでくれ。では、解散!」

会議室からゾロゾロと人が出ていく。6人は指令室に集まった。指令官を待っている。

「いやー、とんでもない事になったなー。山が無くなるとはなー。」

クリスが丸い顔を震わせて言った。

「空から攻撃したとして・・・」

アルテロは考えている。

そこに、司令官が入って来た。

「新たな情報だ。」

司令官が地図を拡げた。

「大空洞は覚えているか?リデルとアルテロがドローンで潜入した場所だ。大空洞より北の地に、アトミック・ドラゴンが降り立ったとの情報が入った。奴も恐らく、サイボーグタイプだろう。サンダーグリフォンの様にミサイルを無効化するかもしれん。リデル、アルテロ、クリスの3人は無線機で連携しながら、空と陸から攻撃してくれ。今回もリデルは陸だ。皆、3階級特進だけはやめてくれよ?リデル達4人は、カリグラムから徒歩で南下してくれ。では、健闘を祈る。」

6人は、司令室を出た。

「やばそうだな今回はー。」

クリスが丸いアゴをザラザラいわせた。

「ま!またブリジットに頑張ってもらうかな。」

アルテロは前向きだ。

リデル達4人は、輸送機に乗り込んだ。





輸送機はカリグラムに着陸した。カリグラムは、やはりいつも通りだ。4人はカリグラムを出て南下した。リデルは無線を繋いだ。

「こちらアルテロ。ブリジットで待機している。合図があれば、戦闘機部隊、いつでも出れるぜ?」

「あいあーい。クリスだ。今日も楽しくドンパチやらかしますかー。」

「クリス。もう思い残す事はないのか?プッ!」

「そう言うなよアルテロー。お前らが仕留めてくれないと今度はリブデラがやられるんだぜ?あーあ!

こんな事なら、今朝、カミさんにキスでもしとくんだったぜー。まー嫌がるけどなー。」

リデルは、遥か遠くにアトミック・ドラゴンの姿を確認した。リデルは無線に報告した。

「了解!戦闘機部隊、出撃する!リデルはそこで待機してくれ!巻き添えを喰らっちまうからな!」

「リデル達の出番が無ければ御の字だなー。」

しばらくすると、戦闘機部隊が現れた。

「こちらブリジット。目標の姿を確認。攻撃に移る。」

「頼むぜアルテロ。カミさんにキス位させてくれよ?」

「キスできないのは、俺のせいじゃないだろ?」

「それを言うなよー。」

戦闘機は、アトミック・ドラゴンの周りを旋回した。

「こちらブリジット!ダメだ!コイツ、オート・チャフだ!ロックオン出来ない!」

チャフとは、妨害電波の事だ。

「アルテロ!手動で攻撃できるか?」

「やってみる!」

戦闘機は一度距離をとった。その時、アトミック・ドラゴンが口からミサイルを数発、発射した。

「ドドドドォォォォン!!!」

戦闘機部隊が数機、撃墜された!

「アルテロ!生きてるか!?」

「こちらブリジット!まだ俺は生きてる!だが、スタビライザーをやられた!リブデラ近郊の海に不時着する!リデル!・・・ザザ・・・スマン!・・・ザザ・・・かせた・・・ザザー・・・・」

アルテロの無線は通信が途絶えた。

「リデル!後は頼んだ!!俺は戦闘機部隊の救助を要請する!!死ぬなよ!!・・・ザザー・・・」

クリスの無線も途絶えた。

「行くしかないね!走るよ!!」

スナイパーの声に4人は走った。アトミック・ドラゴンが現れた!

「コイツはどうだい!?」

スナイパーはマグナムを撃ち込んだ!アトミック・ドラゴンの肌が銃弾を弾いた!

「チィ!!ならこうだよ!!」

スナイパーは狙いをすましてアトミック・ドラゴンの目を攻撃した!

「ギャアアアアン!!!」

アトミック・ドラゴンの片目は見えなくなった!怒り狂ったアトミック・ドラゴンは口を開いた!

「やばいぞ!!伏せろ!!」

「ドガアアアアン!!!」

アトミック・ドラゴンは口からミサイルを吐いた!4人は吹き飛ばされた!!

「あのミサイル、無効化します。」

メルディナは、獣医師のオネーサンを召喚した!

「よく吠えるワンちゃんには、こうするのよ♡」

オネーサンはアトミック・ドラゴンの口をグルグル巻きに縛り付けた!アトミック・ドラゴンはミサイルを撃てなくなった!

「グウウウウウン!!!」

口を縛られたアトミック・ドラゴンは両腕を振り回した!

「ガハアッ!!」

4人は、また吹き飛ばされた!

「このままじゃ、ヤバいね!」

スナイパーは傷付きながら立ち上がる。

「リデル!今度は俺とのコンビだ!お前の剣を、炎の剣にする!」

マギウスはそう言うと、ギターを構えた!

「ティラリラリラ、ティラリラリラ、ジャカジャーン!!」

リデルの剣が、燃えさかった!

「ヨシ!リデル!その剣を突き立てるんだ!!」

マギウスの指示でリデルは、アトミック・ドラゴンに炎の剣を突き立てた!!

「ギャラギャラギャラギャラ!」

マギウスのギターが炎を激しく煽った!炎は火柱となり天を衝いた!!

「ギャアアアアン!!!」

アトミック・ドラゴンは真っ黒になって倒れた!!

「言っただろ?時代を変えてやるのさ!!」

マギウスはギターを天にかざした!

「やったね・・・けど・・・ボロボロだよ・・・」

スナイパーは、へたり込んだ。4人もボロボロになって、へたり込んだ。リデルは無線で、輸送用のドローンを4機、要請した。

4人はボロボロになって任務終了を報告した。

「よくやってくれた!その姿、痛み入る!!」

司令は、心苦しそうに褒め称えた。

「しばらく休んでくれ。」

4人は、司令室を退室した。スナイパーは足を引きずっている。

「やっと休める・・・」

皆、声を合わせた。そこに、アルテロとクリスが現れた。

「よく勝ってくれたな!!大勝利だ!!」

アルテロはリデルの肩を叩いた。

「スゴイじゃないか!!結局、俺はキスできないままだけどな!」

クリスも大喜び・・・なのか?ボロボロになった4人は療養の為の有給休暇を1週間もらった。もちろん、労災と臨時賞与付きだった。




1週間後・・・4人は指令室に集まった。

「皆、もう大丈夫そうだな。」

司令室に集まった4人は元気一杯だ。

「この国も、これで平和に近づいたな・・・」

司令は窓の外を眺めた。その時、遠くの地でカッ!!と光った。

「ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・」

またあのキノコ雲が上がった。

「まさか・・・またか!!あの方向は・・・首都だ!!」

「また!?あんなのと何回も戦ってたら体が持たないよ!」

スナイパーは眉をひそめた。

「テレビ!テレビだ!」

マギウスはテレビを指差した。

司令は慌ててテレビを付けた。

「緊急速報です。先程、カリグラム上空に現れたモンスターに、首都が攻撃されました。被害はまだ明らかになっておりませんが、時刻は午前11時です。この時間帯になると、人通りも増え、犠牲者は最悪のものになると考えられます。モンスターはその後、姿を消しました。倒壊した建物には近づかない様・・・」

テレビは最悪の事態を映していた。

「何て事だ!!首都がやられるとは!!」

司令は真っ青になった。尚もテレビは悲惨な光景を映し出す。その時、司令室の電話が鳴った。

「はい・・・はい・・・分かりました!すぐに!」

司令は電話を置いた。

「皆!会議室に集まってくれ!すぐにだ!」

司令を含む5人は会議室に急いだ。





「皆!大惨事が起きた!2体目のアトミック・ドラゴンが現れ、首都を攻撃した!」

上層部も真っ青になっていた。

「一体どうなっているんだ!どうして2体目が現れるんだ!!そもそも奴らはどこからくるんだ!!」

会議室が緊迫する。

「・・・いや、取り乱してすまない。誰か、何か知っている者はいないか?」

会議室は沈黙した。追い込まれると会議室が静かになるのは、よく見る光景だ。

「奴らは一刻も早く退治しなければならないが、これではイタチごっこだ。根本的な対策が必要になる。

奴らが現れるのを待っている様では、被害は増すばかりだ。・・・何か手を・・・」

上層部は手で顔を覆った。よほど切迫しているのがうかがえた。

「新しい情報・・・あります。」

手を挙げたのは・・・メルディナだ。

「おお・・・君は、以前、話に上がった・・・」

メルディナは、会議室の空気を掌握した。

「今、私の隣に探偵のお友達が来ています。お友達が情報を売るそうです。・・・フンフン・・・報酬は、アンパンと牛乳、タバコと・・・エロ本!?」

メルディナの隣には、エロいお友達が来ている様だ。メルディナは真っ赤になった。

「・・・後で供える。続けてくれ。」

上層部は笑わない。

「お友達が言うには、リブデラの東の小さな島に、悪魔がいて、モンスターを魔法陣から召喚しているそうです。その悪魔はメフィストフェレスと言うそうです。」

会議室の皆が、メモを取り始めた。

「メフィストフェレスか・・・厄介そうだな・・・して、2体目のアトミック・ドラゴンは、今どこにいるんだ?」

「・・・エロ本、2冊目、追加だそうです・・・」

「言う通りにしよう。」

「・・・胸の大きな・・・主婦物がいいそうです・・・」

メルディナは顔を抑えた。

「言う通りにするから!!」

上層部は、イライラしている。

「2体目のアトミック・ドラゴンは、デネルの街の東にいるそうです。」

エロいお友達には、お帰り頂いた様だ。

「よし・・・皆、聞いたな?先のアトミック・ドラゴンとの戦闘で、空からでは太刀打ち出来ん。すまないが、また、近接戦闘をお願いしたい。」

「ちょいと待っとくれ!!」

待ったをかけたのは、スナイパーだ。

「アタシ達には、戦う為の武器が、もうないんだよ!アタシの銃も通用しない、リデルの剣だって・・・このままじゃ、無理なんだよ!」

スナイパーは、立ち上がって訴えた。確かに、先のアトミック・ドラゴンとの戦闘で、リデルの剣は炎の剣となり、そして燃え尽きた。

「では、各自、武器を揃えてくれ。経費は軍で落とそう。」

「何だと!?経費は・・・軍で・・・落とす!?」

今度はマギウスが立ち上った。

「うむ。そうだが?好きに揃えてくれたまえ。」

スナイパーとマギウスは、ニヤリ、と笑って、着席した。

「早めに必要な物を揃えて、アトミック・ドラゴンを討伐してくれ。私達は、首都の救援に向かう。

では、解散。」

会議室がバタバタと動いた。4人は、司令室に戻った。





4人は司令と話していた。

「これから、皆で武器を揃えます。先ずは、マギウスの武器からです。4人の武器が揃い次第、ここに帰って来ます。」

スナイパーがそう言った。

「うむ。我々は、アトミック・ドラゴンの周りに結界を張り、奴を足止めしておく。我々にできるのは、もう、それ位だ。」

4人は、司令室を出た。

「マギウス、アンタの武器はギターだろ?心あたりあんのかい?」

スナイパーが聞く。

「たりめーだ!リブデラのギターショップだがな、伝説のギターが展示されている。」

マギウスの案内で、ギターショップに案内された。

「ここかい?」

「ああ・・・あのギターを手にするのが、夢だったんだ・・・」

そこは、よくありそうなギターショップだった。

「クッ・・・すげえソウルだ・・・近づけねえ・・・」

マギウスを残して、3人はスタスタ入店した。

「・・・これだ・・・こいつが・・・伝説の、ファイアーバード1だ・・・くっ・・・眩しすぎて、まともに見れねえ・・・」

他の3人は、展示ギターを、まじまじ見ていた。

「コイツは1963年型でな。見て見ろ。ボディに特有の鳥のマークが無いだろ。マジモンのプレミアだ。伝説のギタリストも、コイツを装備してたんだ。」

マギウスは、ゴクリと息を飲んだ。

「しゃいやせー。何かお探しで?」

店主が笑顔で現れた。

「コイツを・・・迎えに来た・・・」

マギウスは、展示ギターを指差した。その瞬間、店主に笑顔が消えた。

「小僧・・・貴様に、これが扱えるとでも?・・・」

「軍の経費で落ちるんだ。金に糸目はねえ・・・」

店主「ほう・・・貴様に、このギターを触れる程の腕があるか・・・確かめてやろう・・・」

マギ「面白え・・・こちとら遊びじゃねえ!」

店主「コイツを目の前にしても、粋がれるかな?・・・」

マギ「そっ!それは!!伝説のレスポール!!」

店主「フッ・・・臆したのか?」

マギ「それはどうかな?これが俺の獲物だ。」

て「そのギターは!フフ・・・少しはやる様だな・・・」

マ「俺の本気を見せてやるぜ!!」

て「行くぜ!」

マ「来やがれ!」

て「ギャラギャラギャアアアアン!!」

マ「キュラキュラキュラキュラ!!」

て「ジャカジャ~ン!!ピチョピチョピチョ・・・・」

マ「ベリベリベリ!!ホ~ホケキョ!!」

て「ンpくぃえjgfくぉj大pjqrq」pt」尾tj」尾jt4」尾えyとぇお!!!」

マ「jふぇ@」ktのぼ@「lw@r「@「「・「「¥え・gplfp@けkgkk@か!!!」

て「ゼエゼエ・・・」

マ「ハァハァ」

て「フッ・・・感じたぜ・・・お前のソウルを・・・」

マ「まさかアンタ!!俺を試す為に・・・」

て「ああ、お前がこの・・・・・・・・・・!!」

マ「そうだったのか!すると・・・・・・・・・・・!!!」

・・・・・・・・・・・・・・マギウスは、伝説のギターを手に入れた!!

「ふあ~あ。終わった?」

マギ「ああ!この・・・・・・・・・・・!!」

4人は、次はスナイパーの武器を求めて移動した。





4人はリブデラの街の中にいた。

「アタシもずっと手に入れたい銃があったんだ。手が届かなかったけど、経費で落ちるんなら、入手しない手は無いよ!」

スナイパーに案内されたのは、路地裏のガンショップだ。寂れた空気が少し怖い。

「いらっしゃい・・・」

ふてくされた店主が新聞を開いている。

「コイツが欲しい。」

スナイパーは、目立つ所にあるライフルを指差した。

「・・・・・断る。」

店主は、また新聞に目をやった。

「どうしてだい!?」

スナイパーは、大きな声を出した。

「・・・・ソイツは、マクミランだ。シャレになんねぇ威力でな。女が持つもんじゃねえ。帰って、料理でも作ってな。」

店主は、シッシッ、と、手をやった。

「どうしてもかい!?」

「どうしてもだ。」

スナイパーは、ギリギリと歯を食いしばった。

「皆、ちょっと待ってな!」

そう言って、スナイパーは出て行った。数分後・・・・

「カランカラン・・・」

入り口が開いた。そこに立っていたのは、ドレスアップしたスナイパーだった。

「店主さ~ん?ウッフ~ン。アッハ~ン?カワイイお耳ね。ふうーっ。マクミラン、売って~ん?」

スナイパーは、店主の耳に息を吹きかけた。

「・・・・・・・・・・・・・うん!売っちゃう!オジサン、売っちゃう!だ、だから、もっかい耳に・・・・・・あひいいいい・・・・」

店主とリデルは、フンカフンカした。スナイパーは、マクミランを手に入れた!

「スナイパーライフルのマクミランだ!アタシにピッタリだろ?」

スナイパーは着替えて、今度はメルディナの武器を探しに移動した。





4人は、イルレイの農村に来ていた。メルディナによると、この村に生家があり、先祖に伝わる家宝の

杖があるらしい。メルディナに、生家へと案内された。

「ああ!よく帰って来たね!アンタ!メルディナだよ!!」

メルディナの母だろう、リデル達にも挨拶した。

「おおお・・・よく帰って来たな・・・」

その主人は、片腕と片足を失っていた。4人は家に招かれた。

「私も昔は傭兵でしてな・・・この有様です。恥ずかしながら、もう働けません。今は、メルディナがこの家を支えております。情けない話ですが・・・」

3人は、そんな事ないと首を横に振った。

「いつもすまないねぇ。メルディナ・・・」

母親はそう言う。

「ううん・・・いいの・・・皆、大好きだから。」

そう言うメルディナに、リデル達3人は、目を抑えた。

「お父さん、お母さん。あの杖がいるの。家宝の杖が。」

と、メルディナは言った。

「おおお。あの杖か・・・いいよな母さん。その時が来たようだ。」

「もちろんですよ。」

母親が立ち上った。

「はい、メルディナ・・・降妖宝杖よ。」

母親はメルディナに杖を渡した。

「これが・・・降妖宝杖・・・」

メルディナは、杖をまじまじと見つめた。その杖はスコップの様な形をしていた。

「私達の祖先はシャーマンで、神をも召喚できる魔力があったそうです。メルディナの代になって、血が目覚めたのでしょうか・・・何代も杖を扱えなかったらしいのですが・・・私達は、その杖を引き継ぐのが、宿命でした。メルディナ・・・頑張って来るんだぞ・・・」

「妖の・・・杖・・・」

メルディナは、杖をギュッと抱いた。

「良かったな、メルディナー。その杖よく似合ってるよ。ププ・・・砂場遊びも・・・プププ・・・

出来そうだしな!」

スナイパーは、不謹慎な事を言った。

「この杖・・・カッコ悪い・・・」

そう言いながらもメルディナは、妖の杖をまた抱いた。4人は、礼を言い、家を後にした。





4人は一度リブデラのに戻り、いつもの自販機でコーヒーを飲んでいた。

「後はリデルの剣かー。リデル、心あたりはあるのかい?」

スナイパーがそう聞いてきたが、リデルは頭を振った。リデルは異国の者でこの国には、ゆかりが無い。

「とりあえずは、丸腰じゃ戦えないからなー。武器屋にでも行くか?」

マギウスは、そう聞いてきたが市販の武器が通用するのだろうか?4人は悩んでいた。

「アッ!!いたいた!!リデル!吉報だ!」

そう駆け寄ってきたのは、アルテロだ。

「すげえ剣を発掘したんだ!!付いて来てくれ!!」

4人はアルテロに付いて格納庫に向かった。

「おお!待ってたぞ!」

長さんは立ち上がった。

「見てくれ。コイツだ。」

そこに横たわっていたのは、鈍く重そうな剣だった。

「コイツは、フッ飛ばされたコルデ鉱山の中から出て来たんだ。コイツの磁気が鉱山を創ったのかもな。」

アルテロはそう言う。

「調べたんじゃがな、この剣は、カラドボルグと言うらしい。別名、エクスカリバーじゃ!聞いた事はあるじゃろう?」

長さんはそう言った。リデルは頷く。世界中の剣士で、エクスカリバーを知らない者などいるのだろうか?それほど、有名な剣だ。

「ささ、剣を取ってみるがええ。」

長さんの声に、リデルは剣に手を伸ばした。カラドボルグは、しっくりとリデルの手に馴染んだ。

見た目とは裏腹に、驚く程に軽く、鈍く、活躍の時を待つその姿は、荘厳な佇まいさえ感じられた。

「これで・・・いけるね・・・」

スナイパーの声に、4人は頷いた。リデルは、カラドボルグを手に入れた!





「では、頼んだぞ。」

司令の声に頷き、4人は部屋を出た。アトミック・ドラゴンに空からの攻撃は通用しない。また近接戦闘になる。アトミック・ドラゴンはデネルの東に足止めされたままだ。4人は、輸送機でデネルに向かった。途中で、首都・カリグラムの上空を飛行した。

「酷いもんだね・・・早く、何とかしないと・・・」

カリグラムは、テレビで見たよりも現実的に悲惨な姿だった。一瞬で地獄へと追いやられた街は、瓦礫の遺跡の様だった。まだ、首都だと呼べるのだろうか?アルグサリアの誰もが、そう思っているだろう。

しばらくすると、デネルの街が見えた。輸送機はデネルに着陸した。

デネルは、まだ街並みは変わっていないが、笑い声など一切しない。花たちも、所々枯れ始めている。

すぐ近くにアトミック・ドラゴンがいるのだ。皆、神妙な心持ちなのだろう。リデルは、デネルの花売りの少女を思い出しながら、街を出た。

「もうこの前の俺達とは違うんだ。負けるはずねえ!」

マギウスは意気込む。

「そうだね、それぞれの新しい武器を信じよう。」

スナイパーも同調した。しばらく歩くと、4人は、結界の中に足を踏み入れた。

「いるぞ・・・」

前方に、アトミック・ドラゴンが見えた。リデルは、カラドボルグを鞘から引き抜いた。

「グルルルル・・・」

アトミック・ドラゴンと目が合った。

「ガアオオオオオオオオ!!!」

威嚇するアトミック・ドラゴンに向かって4人は、走り出した!


スナイパーは、マクミランを射撃した!

マギウスは、ファイアーバードをかきならし炎を巻き上げた!

メルディナは、妖の杖から氷の刃を噴出した!

リデルは、カラドボルグを振り下ろした!


「ギャアアアアアアン!!!」

アトミック・ドラゴンを倒した!

「・・・スゴイじゃないか!!あっという間だ!!」

スナイパーは、驚いている。

「こんなに違うのか!!とんでもねえ威力だぜ・・・」

マギウスも驚いている。

「これが・・・妖の杖・・・」

メルディナは、杖を見ている。リデルは頷いた。

「いけるよ!まだ戦えるよ!行こう!メフィストフェレスの元に!!」

スナイパーの声に、皆、頷いた。






皆、会議室に集まった。いよいよ、これまでにない戦いが始まる。

「よく、ここまで戦って来てくれた!我々は、メフィストフェレスのいる、イルダ島に攻撃を仕掛ける!

メフィストフェレスは、アルグサリア最大の敵だ!メフィストフェレスを倒す事が出来れば、戦況は一気に覆せる!空、陸、海からの陣を敷き、総攻撃をかける!正念場だ!!負けは、アルグサリアの敗戦を意味する!!」

上層部は、決意を匂わせる。

「作戦を、発言してくれたまえ。」

上層部と、司令が入れ替わった。

「先ず、戦闘機部隊が先陣を切り、空、陸のモンスター達を掃討する。その後、白兵部隊が突入する。

海上の、イージス艦隊、駆逐艦隊はサポートに回ってくれ。正直、近接戦闘が重になる。必ずメフィストフェレスまで辿り着いてくれ。全力で道を開く。リデル、スナイパー、マギウス、メルディナ、アルテロ、クリスの6人は、この後、司令室に集まってくれ。」

また、司令は上層部と入れ替わった。

「うむ。では、各、部隊。必ず勝利を掴むぞ!!解散!」

6人は司令室に集まった。

「思えば・・・本当に、よくここまで戦って来たものだ・・・戦いは、いつまでも終わらないがな・・・

リデル、アルテロ、クリスは、また無線で繋がっておいてくれ。皆、戦いが終わった後、またここで落ち合おうじゃないか。皆、武運を祈る・・・」

司令は静かにそう言った。

「皆、アレ、やろうじゃないか!」

スナイパーがそう言った。

「アレ?・・・ああ、アレか・・・やろう。」

マギウスは頷いた。6人が輪になった。

「待ってくれ。」

司令が皆を止めた。

「私も入れてくれ・・・」

司令を含めた7人は輪になり、輪の真ん中に掌を重ねた。

「いくよ・・・・絶対勝利だ!!!」

「オーッ!!!!」

7人は勝利を誓った。

司令を残し、6人は格納庫へ向かった。





「出撃だな!!頑張ってくれ!!」

長さんに見送られて、4人は輸送用ドローンに乗り込んだ。

「リデル達は、先にイルダ島に着陸してくれ!攻撃を仕掛けたらモンスター達が集まるからな!着いたら連絡をくれ!後から、戦闘機部隊が攻撃を開始する!」

アルテロは、修理したブリジットに乗り込んだ。

「リデル!サポートは、俺達に任せろ!必ず道を開けてやる!」

クリスはそう言って管制塔に向かった。そして、格納庫が開いた。

「必ず勝ってこい!期待しているぞ!!」

そう言った長さんを、リデルは上空から手を振った。4機のドローンがイルダ島へと向かう。

イルダ島は、リブデラからすぐ近くにある。このままメフィストフェレスを放っておく訳にはいかない。リデルは、カラドボルグの柄を強く握りしめた。すぐにイルダ島が見えて来た。4機のドローンはイルダ島の端に着陸した。リデルは無線をかけた。

「こちらブリジット!着陸したんだな!?ヨシ!攻撃を開始する!」

アルテロと確認をとった。

「よーし!大一番だぜー。」

クリスも準備万端だ。リデルは、皆の顔を見た。皆、リデルの顔を見て頷く。しばらくすると、戦闘機の音が聞こえて来た。

「こちらブリジット!上空に数匹、飛行モンスターがいる!撃墜する!リデルはそこで待機してくれ!」

「ドドドドォォォォン!!」

ミサイルの音がイルダ島に響いた!空に黒い斑点が増え始めた。

「こちらブリジット!モンスター達が集まっている!イージスから撃墜してくれ!」

「あいよ!花火大会だ!!」

クリスの指示でミサイルが打ち上がる。

「まだまだモンスターがいる、駆逐艦からも攻撃してくれ!」

「あいよ!ハチの巣にしてやる!」

海上の駆逐艦からも空に向けて攻撃している。

「アルテロ!後ろに付かれてるぞ!」

「分かっている!振り切れん!」

その時、一機の戦闘機がブリジットを狙うモンスターを撃墜した!

「まだまだだな!」

「え?司令?何やってるんですか!?」

「私もかつてはトップ・ガンと呼ばれた男だ!腕は落ちてはおらんぞ!!そら!!」

司令の戦闘機は、数体のモンスターを撃墜した!

「アルテロ!司令!2機とも後ろに付かれてるよ!!」

「アルテロ。アレ、やってみるか?」

「やりますか!!」

2機の戦闘機は、空中で縦に一回転し、モンスターの背後をとった。2機は同時に撃墜した!

「ヒュー!!映画みたいだぜ!!司令みたいに偉くなったらカミさんも優しいんだろうなー。」

「・・・・ウチのも文句ばっかりだ。」

「マジですかー!じゃあ、俺、一生文句ばっかりかー。まー殺されるよりいいかー。」

「ヨシ!空はイージス達に任せよう!そろそろ陸を攻撃する!!4人共、走れ!!」

アルテロの声にリデル達は走った!空からの攻撃が陸のモンスターを襲う。4人は倒されたモンスターの間を縫って走った。

「ヨシ!そろそろ島の中心部だな!戦闘機部隊は残りのモンスターを片付ける!リデル達には1体も近づけない!後は頼む!」

アルテロは引き返した。

リデル達は島の中心に辿り着いた。目の前に魔法陣が見えた。その中心に、メフィストフェレスは玉座に座っていた。

「メフィストフェレス!!観念するんだよ!!」

スナイパーは大きな声を上げた。

「俺の栄光の為にはお前が邪魔なんだよ!!」

マギウスも大きな声を上げる。

「悪は罰を受けるのです・・・」

メルディナは静かに睨んだ。

「カチャン!!」

リデルはカラドボルグを構えた。

「無駄ナ事ヲ・・・」

メフィストフェレスは、ゆっくりと立ち上がった。

「行くよ!!」

スナイパーの声に、4人は一斉に飛びかかった!

「ギハハ!!」

メフィストフェレスの右手から、黒く不気味な波動が4人を襲った!!4人は吹き飛ばされた!

「くっ!まだまだ!!」


スナイパーは、膝を着いてメフィストフェレスの頭部を狙った!マクミランの凄まじい銃声が叫ぶ!!

マギウスは、ファイアーバードをかき鳴らし灼熱の火炎の不死鳥を創り上げた!超高温の炎がメフィストフェレスを襲う!!

メルディナは、神をも召喚するシャーマンの力を借り、大天使達を降霊させた!!大天使達の眩き衝撃がメフィストフェレスを飲み込んだ!!

リデルは、カラドボルグを振り上げた!極超音速の鋭いカマイタチが唸りを上げてメフィストフェレスを

突き抜けた!!


「これでどうだい!?手応えありだよ!!」

スナイパーは立ち上がった。

「バファファファ!!」

メフィストフェレスは、暗黒のブラックホールを凝縮させ、彷徨う死者の怨念を吸い込んだ!

「ドコマデ耐エラレルカナ?」

怨念を凝縮させたブラックホールが、リデル達を包んだ!!

「があああ、ああ、ああ!!」

真っ黒い重圧が4人を押し潰す!!骨が軋み、息が苦しい!!

「命乞イ、シテミロ・・・バファファファ!!!」

メフィストフェレスは笑っている。

「冗談じゃ・・・無いよ!!」

スナイパーは立ち上がった。

「俺達には・・・未来があるんだ!!」

マギウスも、ゆっくりと立ち上がる。

「皆・・・大好きだから!!」

メルディナも、立った。

「うおおおおお!!」

リデルも立ち上がった!

「皆!4人の力を合わせるんだ!!アタシの弾に皆の力を与えてくれ!!」

スナイパーが叫んだ!!4人は、重圧に耐えながら、それぞれの武器を構えた!!


スナイパーは、友の形見の銃弾を詰め、願いを込めて銃口をメフィストフェレスに向けた!!

マギウスは、悲鳴を上げる右手に耐えながら、スナイパーの銃弾を熱く燃やした!!

メルディナは、古の神々と先祖を呼び寄せ、スナイパーの銃に破邪の恵みを与えた!!

リデルは、エクスカリバーの輝きを呼び覚まし、メフィストフェレスへ放った!メフィストフェレスは一瞬、隙を見せた!!


「皆!力を出しきるんだ!!」

スナイパーのマクミランは、熱い輝きを放つ!スナイパーからコロナが沸き上がった!!

「帰って、ママのミルクでもおねだりしな!!!」

スナイパーは、引き金を引いた!暗黒が、真っ白に塗り替えられた!!


「ウギャアアアアア!!!!」

メフィストフェレスは激しく燃え上がった!!

「そのまま、消えちまいな!!もう・・・お願いだよ・・・」

スナイパーは、へたり込んだ。皆も、うずくまっている。力を使い果たしてしまったのだ。

「グ・・・ウ・・・ウ・・・」

メフィストフェレスは、燃え盛る火炎の中で、また死者の魂を集め始めた。炎が黒く塗り替わる。

「はは・・・お天道様も、冷たいもんだね・・・」

スナイパーは、最後を悟り、肩を落とした。

「ザザー・・・デル!・・・リデル!・・・ザザー・・・お前ザザー・・・生きるんだ!!」

リデルの無線から、声がした。アルテロか?うずくまった4人の頭上をブリジットが通過した。

ブリジットは、そのままメフィストフェレスに突っ込んだ!!

「ドガアアアアン!!!!」

4人は衝撃で吹き飛ばされた!ブリジットは、粉々になって燃えている。ブリジットの残骸の下で、メフィストフェレスは絶命していた。・・・・4人は、呆然としていた。

「ガガー・・・アルテロ!?どうなったんだ!?おい!!アルテロ!!」

クリスの声が、無線から響いた・・・

「アルテロ!お前、まさか・・・クッ・・・また、若いヤツが先に・・・」

司令の声も聞こえた。

「まじか・・・アルテロ・・・お前は、本物の英雄だ!・・・お前が好きだった、イチゴ大福・・・代わりに、俺がたらふく喰ってやるからな!!」

「お前が喰ってどーすんだ?」

アルテロの声が無線から聞こえた。

「・・・アルテロか?・・・アルテロなんだな?・・・」

クリスの声が少し震えた。

「無線の調子が悪いだけだ!勝手に殺すなよ。」

「お前・・・何だよ!しぶとい奴だな!俺は・・・ブリジットが心配だっただけさ!何だよ、お前・・・」

「ハハハ・・・クリス。お前もトシだな。泣いてんのか?アルテロ、お前、今どこにいるんだ?」

「ん?今、リデルの後ろにいますよ?」

リデルは、振り返った。そこに、パラシュートを装着したアルテロが立っていた。

「皆、大変な戦いだったな。今、ドローンをそちらに向かわせる。待っててくれ。」

リデルは皆の顔を見た。皆の顔は黒く汚れていたが、皆、笑顔を取り戻し、親指を立てた。

「やったんだね・・・アタシ達・・・勝ったんだよ!!」

スナイパーの大きな声に、皆、喜びの声を上げた!!

「来たよ!ドローンが!!帰ろう!リブデラに!!」

ドローンのブレードの音が、やけに大きく聞こえた。





ドローンでリブデラに帰還した。皆は、拍手と歓声で迎えられた。まさに凱旋である。

「皆、ようやってくれたのう!感激したぞい!!」

長さんも喜んでくれている。陸、海、空軍が揃って出迎えてくれた。この国の英雄達は、カメラのフラッシュに囲まれた。明日の新聞では、一面を飾るだろう。

「さあ、次はカリグラムに行くぞ。英雄の姿は、首都に勇気を与えるはずだ!」

司令の声に、4人は輸送機に向かった。カリグラムに向かう途中、眼下にイルレイの村が見えた。

村民達は、輸送機に向かって手を振っている。

「ホントに、色んな事があったね・・・」

スナイパーは、これまでを懐かしむ。リデルは、スナイパーと最初に訪れた、このイルレイからの事を思い返していた。確かに、色んな事があった。皆と出会った事、この4人で最後まで戦い抜けた事、これからの生涯で忘れられぬ記憶になるだろう。しばらくすると、カリグラムが見えて来た。上空から見ると、ポツリ、ポツリと復旧が始まっていた。人類の諦めない姿が感じられた。そして輸送機はカリグラムに着陸した。カリグラムに着くや否や、眩しいフラッシュが4人を出迎えた。あれ程、何事にも無関心だったカリグラムが嘘の様だ。

「さあ、こちらに!」

報道陣に案内され、4人は壇上に上げられた。またフラッシュが飛び交う。

「皆さん、英雄達の、ご登場です!」

「ウワアアアアアアア!!!」

報道の声に首都が沸いた。あまりの数の人々と歓声に、瓦礫が霞んで見えた。司令、アルテロ、クリスも壇上に上がって来た。また、フラッシュが光る。

「えー、皆さん、素晴らしい戦いでした。1人、代表して今の気持ちをお願いします。」

報道は、マイクを受け取る誰かを探す。もちろん、司令・・・かと思ったが、司令は頭を振った。

「フフ・・・マギウス、そのギターは、何の為にあるんだ?」

司令は、マギウスを促した。

「えっ?これ?・・・・ギュワーン・・・」

「ウワアアアアアアア!!!」

マギウスのギターの音に、カリグラムが、また沸いた。

「こ・・・これだ・・・夢にまで見た景色だ・・・ギュワワワーン!!」

「ウワアアアアアアア!!!」

「キテル!俺の時代がキテル!!ギュワワワーン!!ギャーギャギャギャギャギャギャ・・・」

一人、悦に入るマギウスを残して、他の皆は壇上から下りた。皆は、それぞれ知人の方へ向かった。

リデルは、賑やかな場所を抜け出し、静かな所に行きついた。そこから、カリグラムの街並みを眺めていた。首都は、元の形を取り戻そうとしていた。

「こうやって、首都は、息を吹き返していくんだね・・・」

その時、リデルの隣にきたのは・・・スナイパーだ。首都に吹く風が、スナイパーのなびく髪に香りを乗せてリデルへと伝えた。

「なあ、リデル・・・お別なんだろ・・・?」

リデルは、目を細めて遠くを眺めた。

「アタシは・・・やっぱり無理だった・・・アンタに冷たくしても・・・アンタがこれからの事を決めてしまっても・・・捨てきれなかった・・・フフ・・・人間って、矛盾だらけだね・・・」

遠くに、連絡船の灯りが横切った。

「ううっ・・・リデル・・・無理なんだよお・・・これでリデルが居なくなると思ったら・・・アタシは・・・アンタの事が・・・大好きなままなんだよお・・・リデ・・・」

リデルは、スナイパーの言葉を遮る様に、キスをした。リデルも、張り裂けそうな想いを置いたまま、この街を出るつもりだった。

「んん・・・リデル・・・大好きなんだよ・・・んん・・・。なあ・・・思い出だけでも、ここに置いて行っておくれ・・・んん・・・」

リデルは頷いた。そして、ドレスアップしたスナイパーを、また見たいと言った。スナイパーは頷き、2人は、あのスカイラウンジへ足を向けた。その後、同じ部屋に宿泊した。

ずっと留まったままだった2人の想いが、ようやく1つになり、大きさの違う2つの手が、お互いの指の間を埋め合った。2人の想いを確かめ合い、消えてしまいそうな時間を引き留めたまま、2人の体は、ゆっくりと重なり合った。記憶と未来を、辿っては巻き戻し、お互いの違った出会い方に想いを馳せた。

やがて2人は現実に辿り着いた。記憶に自分を委ねる事をやめ、正しい未来を選択していた。

夜が白んで、また、首都の復興が始まろうとしていた・・・・






「忘れ物はないんだね?」

スナイパーの声に、リデルは頷いた。リデルは現在、リブデラの空港にいる。別れを惜しみ、皆、駆けつけてくれた。

「リデル!他所の国に行っても、俺のCD、買ってくれよな!」

マギウスは元気に別れを告げた。

「リデルさん・・・お元気で。」

メルディナは、いつもの様に無表情だ。

「リデル・・・・」

スナイパーは、静かに口を開いた。

「アンタの事は・・・すぐに忘れちゃうかもね・・・フン・・・」

そう言ってスナイパーは笑った。別れの時が来た。リデルは、エスカレーターを下りながら、皆が見えなくなるまで手を挙げた。エスカレーターを下りきった時には、スナイパーへの想いも、何もかも、全てが思い出になった。リデルは飛行機に乗り込み、そして、飛行機はリブデラの地から飛び立った。

上空から、アルグサリアの大地が見える。リデルは新たな土地へと思いを馳せた。その時、一機の戦闘機が近づいて来た。リデルは目を凝らした。「ブリジット・2」そう戦闘機にはペイントされている。

・・・・アルテロだ。リデルは、飛行機の窓に張り付いた。アルテロと目が合った。アルテロは、親指を立て、戦闘機の腹を見せて引き返していった。アルテロも本当にいい仲間だった。リデルの胸を、様々な記憶が通り過ぎていく。飛行機は、雲の上に出た。雲の上、リデルは日記を書いている。今回の旅を、

長く、書き留めた。飛行機は、ゆっくりと新たな地へと向かう。魔王軍との戦いは、至る国で起きている。リデルは、新たな活躍の場に向かって、窓の外を眺めていた。




                                          つづく

                               

あいあい、リデル・ロイヤー3終わりました。いやー長かったです。もう、ネタなんか、ありませんわ。

でも、これからもネタ無し小説、書いていきます。スナイパー、マギウス、メルディナ、アルテロ、クリス、あと、司令。アルグサリアやブリジット、さようなら。私は、新しい話を書きます。

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