~君今月で仕事首です!~
皆様初めまして
人生で初めて冬の札幌に行って参りました
私自身札幌とは縁もゆかりも無い人間なのですが
私に見せてくれた札幌の景色は素晴らしく
一回しか行った事の無い人間が言うのもアレなのですが
もっと多くの人に札幌のすばらしさを知って貰いたいと思いこの小説を書きはじめました
小説なんて書いた事無い人間なので至らぬ点多いと思いますがお手柔らかにお願い致します
(12月12日 一部を改変致します。)
人生は、理不尽だ。
昨日まで、普通に会社に通い普通に仕事をして普通に生きて来たのに
世の中は、残酷で、突拍子も無く職を失ってしまう
この僕の様に・・・・・
北ヶ谷 勇気 (24) そう昨日突拍子も無く、これまたあっさりと職を失った僕の名前だ。
理由は単純、会社が経営難に陥り、社員を雇えなくなったから。
僕は、今まで秋葉原で、美少女フィギュアの通信販売をする仕事をしていた。
しかし、強力な競合他社の進出、70代社長の二転三転する経営方針、更にショップレビューが大荒れしたり、多数のアルバイトが、集団でバックレたりともう滅茶苦茶で結局通信販売は、僅か3年で撤退。
晴れて、不要部署の社員となった僕は、会社からの再就職支援金25万円と冬のボーナス20万円を渡され、当然拒否権も無く勧奨退職に合意してしまい、晴れて自由の身となった訳だ。
元々危機感が無かった訳では無い。
何故ならば、毎年数人社員のリストラをしていたからである。
今まで、会社を去っていく何人もの人を見てきた。
しかし、自分は若いからまだ先だ。
いつもそう思っていた訳だが・・・
昨今の好景気を理由に、見事にリストラ候補にあがった訳だ。
「君はまだ若い。社会は今売り手市場だ。君にはまだ可能性が有る。このまま会社が残る為には誰かが去らねばならない。どうか宜しく頼む。」
こんな事を言われてしまえば、拒否のしようなんて無いじゃないか。
しかし、このまま法律を盾に会社に残った所で、数年以内にこの会社は潰れるだろう。
幾ら、社会経験が少ないとは言え、潰れる会社と言うのは意外と見破れる物だ。
社長の言う事が、その日のうちに真逆の方向に変わる。
部署が次々と閉鎖される。
優秀な社員が次々と辞めて行く。
備品の発注に関してかなり厳しくなる。
ただえさえ少ない人員を更に削れと言われる・・・・
挙げだしたら切が無い。
しかし今確実に言えることは、ネットで出回っている潰れる会社の前兆 みたいな記事に書いてある事は全て自分の会社に当てはまっている事だった。
首を告げられたその日の夜、僕は電車内でふと思う。
「うーん、人生って難しい 世界って何があるのかなぁ」
秋葉原でこの仕事を始めて以来、仕事はきっちり定時に終わるが、まとまった連休など無く、当然盆正月も無い生活を繰り返して来た僕は、数年ぶりに自由の身になった訳だ。
しかし、思いの外後悔や喪失感は無い。
もう少し、傷ついたり、落ち込んだりする物かと思っていたが、心は思いの外冷静だった。
恐らく、職を失う喪失感より、自由を手にした解放感の方が、強かったからかもしれない。
会社を辞めた事に、後悔が無い訳じゃ無い。
ただ、それ以上に自由になった事で見れる新しい世界に心が揺れていた。
最後に、旅行に行ったのは、子供の頃だっただろうか。
家族仲が悪かった訳では無いが、如何せん帰省で年3回ぐらいプチ旅行みたいな事はしていた。
ただ、毎年行く場所は一緒。つまらなかった訳では無いが旅行と呼べる物では無かった。
となると最後に旅行に行ったのは、幼少期の頃親に連れられて白浜に行ったのが最後だ。
勿論、会社に勤めてる時も、旅行や温泉に行きたいと思った事は多々あった。
しかし、やはり時間が無かったのだ。
仕事を失ってから、旅行へ行こうと言う感情が芽生えるまで、時間はそうかからなかった。
今までの、主な給料の使い道は、もっぱらソシャゲ。
他の使い道も無かった訳では無いが、休みが無いのでこれぐらいしか使い道が無かったと言うのが正しい。
当然、旅行の様な如何にもリア充してます!的な方々みたいなお金の使い方はしてこなかった。
そんな中、不幸中の幸いと言うべきだろうか。
職を失うという代償を払って手に入れた時間とお金。
「さぁ 旅に出よう。僕はもう何にも縛られない。そう完全にフリーなのだ!」
これは、彼女が居ないと言う意味のフリーと、職が無いという意味のフリーを掛けた言葉なのだが
彼が今回リストラ候補に選ばれたのは、こういう所が原因かもしれない。
今一人の無職の人生を探す旅が始まろうとしているのであった。
今回は主人公の生い立ち編とでも言いましょうか
プロローグにあたる部分になります
札幌編までもう少々お待ちください><