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第08話 チーター出現!?やっぱりカップ焼きそばはおいしい!

 なんだかんだで着替え終わった。トイレもそこそこ広かったからね。


「これでよし! っと。」


 鏡を見ながら最終チェックをした。うん、なんも問題なさそうだね。これで町の人たちからの偏見の目から解放されるな。


「さて、一旦家に帰ってからストレージカードの中身全部出して、返しに行きますか。」


 僕はトイレから出て外に出てみた。


「熱っ!!焼ける!!」


 僕は急いで店に戻った。え、今の何? めちゃくちゃ熱かったんだけど! あれ、いままでこの太陽の下歩いてたのか? よく歩けてたな。……ん? ちょっとまてよ。


「もしかして……。」


 僕は来ていた黒のコートを脱ぎ、学ランをストレージカードから取り出して着た。上着だけだし、店内で着替えた。温度感はあまり変わってない気がするけど。


「これで外に出てみると……。」


 僕はまた外に踏み出した。


「……………熱くない。」


 多分、異世界転生したときに僕の来ていた学ランに、何か施されていたのだろう。道理でずっと学ランでいても熱いとも寒いとも思わなかったわけだ。きっとこの世界の紫外線の量が、僕がいた世界に比べて高いのだろう。もしこれが施されてなかったら……真っ黒になってたかも。


「学ランは切っても切りはがせないものなんだな。トイレに戻るのめんどいし、しょうがないからこのまま帰るか。」


 僕はそのまま家まで帰った。周りの目がさっきより痛い。それはそうでしょ。上は学ランで下はジーパンだよ!絶対に合うわけがない。そして迷子属性発揮により趙遠回りコースで帰る羽目になりました。




「そのカード、君に上げるよ。」

「え、本当ですか!? ありがとうございます。」

「俺はそのカードまだ2枚あるし、そのカードも君の元に行きたがってるからな。」

「は、はぁ……。」


 僕は不動産屋に来ていた。ストレージカードの返却日が今日までだったので返しに来たらそう答えられた。もしかしてこの人最初からそのつもりで? まぁ僕にとってはプラスなんでありがたく頂戴しますけど。


「君はギルドの教育施設で勉強するんだね。」

「はい、そうですけど……何で知ってるんですか?」


 なんで僕の行動が知られてるの? もしかしてストーk……(以下略)。


「いや、君みたいな人のうわさなんてすぐに手に入るよ。」

「そうですか、そんなに変ですかねこの格好?」

「恰好もそうなんだけどね……。」


 不動産屋の店主が気まずそうな顔していた。これは聞かない方がいいやつかもな。


「それはどうでもいいとして、君に一つ忠告しておきたいことがある。」

「忠告ですか……。」


 なんの忠告なんだろう。この世界の教育施設はアメリカ式で、入学は簡単で出るのがつらいとか? それはやだな。


「とある貴族の子どもが入学するらしい。名前はミツルギ。小さい頃から剣の技術がものすごくて、スキル”勇者の卵”をもってるらしい。」

「な、なるほど……。」


 スキル!? この世界にもスキルがあるのか。自分も何かスキルを持ってるといいな。それにしても勇者の卵だって! めっちゃかっこいいし、勇者になるってことだよね。チートじゃん。チートすぎる!


「見た目の情報とかは聞いてないが……、そいつに女子を持ってかれるだろうな。」


 なるほど。確かにそんな天才がいたら、女子は少しでも気に入られようとよってくる可能性が高いな。


「もし、冒険者を目指すならそのミツルギは要警戒だ。」

「助言ありがとうございます。じゃ僕はこの辺で。」

「おう。なんか悩みがあったら来なよ。俺、あんたのこと気に入ったからな。」

「それはどうも。」


 僕は不動産屋を出た。




「ミツルギか。」


 僕は家への帰り道でそうつぶやいた。このヒロミツってやつ、絶対やばいよな。まず剣の才能があって、勇者になるサクセスストーリー確定って。パチンコだったら大当たりで出玉2万発でるのが決まってるみたいな感じじゃん。それで見た目がわからないっていってたけどどうせ"イケメン"だろうな。ほんと神様って理不尽だな。


「先が思いやられるけど……、まぁこれも何かの縁だ。仲良くなれるといいんだけどな。」


 うまくコネを使って色々ともらえるといいんだけどな。貴族っていってたし。


「今考えててもしょうがない! さっさと家に帰ろうか。」


 って歩いて行こうとしたら自分の家を通過していた。あれ? 今回は珍しい。一番最短距離で行けたみたいだ。ふと反対側のパン屋さんをのぞいたらタイムセールをやっていた。安くなってたフランスパンを買って僕は家に戻った。




「今日の晩御飯は……カップ焼きそば!」


 お湯を入れて約3分。お湯を切ってソースをかければ完成のカップ焼きそばである。お湯を切ったりするのがちょっとめんどくさいが、現実世界のカップ焼きそばはおいしいからな。


「それでは、いたただきます!」


 はふ。


「やっぱ、カップ焼きそばはおいしいな!」


 正直、味が安心する。あのへんな魚食べるより、これ食べてた方がうんとましだな。

 ついでにさっき買ったフランスパンを食べる。固い。でもおいしい。


「料理ができれば、もっといろいろ食べれるんだろうが……まぁそこはしょうがないよな。なんだかあの、ファストフード店のチキンナゲットが食べたくなってきたな。」


 作り方全然わかんないけど。マスタードとかBBQソースってできるのかな。


「でも、なんだか一人暮らししてるみたいに思えてきたな。仕送りないけど。」


 一度してみたかったんだよね、一人暮らし。好きな時間に寝れて、好きな時間に起きれる喜びとかね。


「異世界生活。僕はエンジョイしてますよ。」


 きっと聞こえないであろう、向こうの世界のみんな。家族とか……友達いないから家族だけか。家族には申し訳ないことしたな。せめて成人式の写真は親と撮りたかったけど。


「こっちの世界で生き抜きますよ! 前の人生より活躍してね。」


 戻り方もわかんないし、二回目の人生はうまくやっていこう!


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