第68話 最後ぐらいビシっと決まると思った!?気になってたあのお店にいざ参る!
「最後に一つよりたいところがあるんだが、いいかな?」
僕が三人に質問した。
「今更一個二個増えたところで、変わらないんじゃない?」
「そう……です……ね。」
「おう、行こうぜ行こうぜ。」
みんなからのオッケーをいただいた。よかった。
「じゃあ、行こうか。」
僕らはその店に向かって歩いて行った。もちろん、あのデブの女の人が案内してくれてるんだけどな。
実は……僕らはあの後、好き勝手ほしいものを買いまくっていった。……特に特徴的なものをいうとするならば、悠加はサンドバック。それも変な絵付きの。気持ち悪いやつを退治している風に思えるらしい、とのこと。珠理は、よくわからないたくさんの本たち。中には広辞苑かよと思えるぐらいの本を買っていた。あんなの読む気にもなれないよな。そして、早絵はヴァーチャルランニングマシン。これこそほんとに謎なのだが、本人曰く、"「やっぱり、前の世界の時の私みたいに、走りたいの!」"とのこと。普通に車いすで移動してても楽しいと思うんだけどな。だって実際には動いてないわけだし。
「目的地に到着しました。」
デブの女の人がそう言ってきた。
「ありがとう。」
僕がそういうと、もちろんながらお辞儀をしてくれた。でも、それを見るのはこのお店で最後なのか……と思っている僕でもあった。
「ここって……。」
珠理がそう言いかけた。これはいかん。最後ぐらいはビシッと決めないと。
「そう、ここが僕が気になってたお店の、ロボット専門店!」
みんなに言われる前に僕が先に言っておいた。これで完全勝利っと。勝利のVサインでも……。
「みなさん……もう入ってます……よ。」
「え?」
周りを見たら珠理しかいなくて、僕が店内をのぞいてみると、すでに早絵と悠加は中に入っていた。
「最後も決めさせてくれないんだな。」
「そういう……運命……なのでしょう。」
「……悲しいな。」
そう言って、珠理と僕もロボって店に入って行った。
「ここにあるロボットって、全部クオリティー高いね。」
「マジで、やべーな。まるで、人みてーだな。」
おいてある商品はどれも、日本ではまだ実現できそうにない、見た目が完全に人間のロボットであった。
「こんなにもロボットじゃないロボット初めて見たな。」
「ロボット……技術は……とても高い……んですね。」
動き、動作、どれをとっても人と間違えてもおかしくない挙動をしていた。
「ここにあるロボットは、わしがすべて管理しておるんじゃぞ。」
「あなたは、ここの店主さんですか?」
「そうじゃよ。」
立派な白髭に白髪で、とてもやさしそうな顔立ちをしているおじいさんがそこに立っていた。
「こういったロボットってどうやって作ってるのですか?」
やっぱり気になるよな。そういうとこ。男のロマンというかなんというかさ。ア〇ロいきまーす的なさー。
「これらは、全部ダンジョンの贈り物なんじゃ。」
「「「「ダンジョンの贈り物?」」」」
僕らは全員、頭をかしげた。ダンジョンとは?
「実はじゃな、このロボットたちはモンスターが作っておるのじゃ。」
「なんと!」
「すごい……ですね。」
モンスターの中にも凄い奴がいるのか。やっぱりモンスターって元々はみんないいやつなんじゃないかな。
「種類はオートマタと言ってじゃな、自分の傷を自分で治す習性があっての。その成長過程で、自分たちを守るという理由で、このロボットを作ってるわけじゃ。」
「ということはつまり、強奪……?」
そのオートマタを倒して、今ここにそのロボットたちが並べられている……ということなのか? オートマタ側からしたらたまったものじゃないよな。かわいそうすぎる。
「そうではないのじゃ。ここに置いてあるロボットは皆、奴らの失敗作なのじゃ。」
「……これで……失敗作……なのですか?」
見た目といい、動きといい、完全に失敗作には見えないんだけどな。
「そうじゃ。ただし、奴らにとっては……というだけなのじゃ。」
「というのは?」
「奴らがほしいロボットは、自由意思のないロボットなのじゃ。ここに置いてあるロボットはみな、自由意思があるロボットなのじゃ。」
「つまり、そのオートマタが求めてるのは、絶対服従のロボットのみというわけね。」
「そういうことじゃ。」
完全服従のロボット。僕からしたら嫌だな。自分が言ったとおりのことしかやってくれないんだよ。そんなのよりも、自由意志があった方がいいよな。自由サイコー!
「奴らにとってはいらないものを、わしらがとっていったところで、奴らは怒らない。むしろ、持っていってくれみたいな行動をとってくれる。だから、わしらはこうやって商売ができるわけじゃ。」
「なるほど……。つまり、このロボットの作り方とかは、一切わかってないということですね?」
盗む……いや、もらってきてるものだから、作る工程を知らないということか。
「そうじゃそうじゃ。だから、よくロボットは売り切れてしまう。オートマタがいる場所がいつも厄介な場所での。今度の入荷日は未定なのじゃ。」
「え、いまここで動いているもので売り切れってことか?」
「そうじゃな。まぁ、そんなに売れるものでもないからの。直ぐに売り切れるわけではないのじゃが。」
こういったロボットはレアで生産できないから、不定期入荷ということか。
「さらに、高いんですね。」
早絵がそう言った。そういえば値段を見てなかったなと思い、値段を見てみると……穴金貨2枚!? それは高すぎるな。
「めったに見つからないものだからじゃの。これに関しては、どうしようもないのじゃ。」
「なるほどな。」
ロボット。地味にほしかったりしたけど、ちょっと高すぎるな。そこまで手が届かないよな。
「一番……安い……ロボットは……いくらぐらい……ですか?」
珠理が質問した。確かに気になるな。それなら届くかもってやつが……。
「そうじゃな、一番安くても、金貨8枚じゃったかの。それは片腕がなかったのじゃ。それでその値段にしたのじゃが、すぐに売れてもうた。もっと高額な金額にしておけばよかったの。」
こういうものは需要と供給を考えて値段をつけないといけない。この主人的には、供給を見間違えたといことだな。ちなみに金貨8枚だったら迷うな。
「それでも……高い……ですね。」
「そうじゃな。でも、買う奴は買うのじゃ。色々と使えるしの。」
やっぱり、ロボット欲しいな。でも、それはお金がたまったらかな。
「そうじゃ、ひとついいものを見せてやろうかの。」
主人が店の奥に行ってしまった。
「なんだろうね、いいものって。」
「あんまり期待しすぎると、出てきたものによっては落胆するぞ。」
「だって、これらを見せられた後なんだしね。」
「それも、そうだよな。」
実は僕も期待してる。めっちゃ美人の胸が大きいロボットとかを見せてくれるのかな?
「おまたせじゃ。」
店の主人が持ってきたのは……え、これは!
「これは、けえたいげぇむとかいう奴じゃったかの? これに、わしが考えた人工知能を入れてみたのじゃ。」
「つまり……チートができるゲーム機ってことですか!」
僕は興奮した。地味にほしかったあの携帯ゲーム機がそこにあった。やっと実物が見えた。
「ちぃとってのはよくわからんが、色々とサポートしてくれるものを入れてみたのじゃ。」
「おじいさん。あなたは神ですか!?」
つまり、FPSゲームで言うならばエイムアシスト付きってこと。最強すぎるじゃん。凸砂とかやり放題! 無双できるよ。
「それ、ぜひ欲しいのですが!」
僕はそう言った。これを逃したら、もう二度と手に入らない品物だと思ったからだ。
「それはよかった。これをプレゼントしようと思っていたのじゃ。」
「プレゼントですか!?」
確か、この携帯ゲーム機は売り切れで、朝から並んで買う人体がいるぐらいな物だよな。それを見ず知らずの人にプレゼントって。ほんとにこのおじいさんは神様なのでは!?
「わしが、こういうのを持ってても、意味がないからの。君みたいな若者に上げたいと思っていたのじゃ。」
「……ほんとにいいんですか?」
「いいんじゃ、いいんじゃ。」
「……では、ありがたくいただきます。」
僕は携帯ゲーム機を無料で手に入れた。それもチート機能付きで。超うれしいんですけど!
「お、もうそろそろ店じまいの時間じゃな。」
「ほんとにありがとうございます。また来ますね。」
「そうかそうか、次来るのを待っとるとするかの。」
僕らはロボット専門店を後にした。
「希心、いいものもらったね。」
「ここにこれて、ほんとによかったよ。」
僕は心からそう思った。今度行ったときは、ロボット一体ぐらい……買えるといいな。恩返しにな。




