第6話 身の上
「意地悪じないでぇぇぇぇ!」
誰に話す訳でもありませんが。どうも皆さん。
今、目の前で女の子が泣いとります。知らん女の子ですたい。ただ、おっぱいは大きいけん。うん、大きいけん。
そんな事今はいい。俺が今驚いているのは、目の前の女の子が泣いてる事だよ。
いや、意地悪した俺にも非がある。
だがしかし!
奴は、謙った態度をして敵対心が無いことを主張していた事を良い事に、上から目線で物を言ってきたんだぞ!腹が立たない方が可笑しいだろ!
そんなこんなを自問自答していたら、おっぱいがグズりながら押し倒してきた。
って、ちょいちょい!
「いいもん…ごろずもん…」
「ゴロズもん?」
新しい猫型ロボットか?
「ぶっころしでゃるぅぅぅ!」
「!?」
どうやら違ったらしい。
あっちょっ…。
―――――
あの後滅茶苦茶殴られた。
いや、もう、あれ、人じゃないよ。
女性の殴る時の力じゃなかった…お陰で上半身が真っ赤だ。痛い。
「うっうぅ…もう…意地悪じない?」
「お、おう…すまなかったな」
「出てけとか…言わない?」
「おう、多分な」
「殺す!」
「冗談!冗談だから!」
全くもって儘ならん。
が、どうにかこのおっぱいを家に返してやりたい、と思うのは俺の良心からだろうか。それとも、面倒事を避けたいと心の何処かで思っているからだろうか。
まあ、どちらにしろこのおっぱいの名前が分かるまでは匿ってやらんでもない。かな。追われてる分けでは無いと思うけど。
「あ!」
「どうした!」
「思い出した!」
「何を!」
「白十槍に追われてたんだ!」
「匿う」であっていたようだ。