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第9話 無き地蔵
短めどす
「動いたら撃つ。手を挙げろ」
「え?」
大翔の後ろからは女性の声が聞こえた。
それに、沈んだ金属音と後頭部に押し付けられた物体。
ははーん。おそらくエアガンか何かだろう。
何が目的なのかを一瞬考えたが答えは直ぐに出た。カツアゲだ。
確かに、今の大翔は一花の服を買うために結構な金額を持っている。10分の1を渡しても満足に帰ってもらえるほどの金額だ。
いや、でもまてよ…。と、そこで大翔は引っ掛かった。「女性の声」に。
この時、大翔はとんでもないスピードで思考を巡らせ結論に至った。
おっぱいを揉みたい。
その衝動が彼にどんな作用をもたらしたのかは分からない。
途端、大翔は尋常かつ常人では絶対にあり得ない速さでしゃがみながら後ろを向き、バネの様に胸に向かって飛び付いた。
しかし、
「乳が…無、固っ!!」
途端、大翔の意識が無くなった