2章 カケル
僕はヒロシから話を聞いた リクがなんでぐれてしまったのか
僕には納得に及ばない、あの誰よりも強いリクがなんでサッカーをやめたのか
おそらくヒロシから何を聞いたって何も解決はしないと思う だから僕はある決意を固めたんだ
「あのさ.....ヒロシ」
「おう、なんだ?」
「オレさ......リクと話してくるよ」
「どうするんだ??
「いや、何て言うかさ、ヒロシの話を聞いても、リクがこうなった理由をはっきりと理解できないんだよね。 やっぱり、口ではわかっても、心ではわかりそうにない からさ、話を聞きにいくさ、本人に全て話してもらう
」
「なあ、オレも話にいっていいか? オレも...リクをこうしちまった奴らの一人だしな、謝りたい」
「うん、、もちろんだよ」
「じゃあいこう」
「え、いや、オレら教室待機って言われてるよな、さすがに後にしようぜ?先行来たらまずいし」
「僕は今からでも話したくてしょうがないんだよ」
自分でもハチャメチャいってるのはわかってる、
でも真実を知りたい、その感情が僕を動かしてしまっている。
でも、教室のドアを開けた瞬間...
「うわっ」
「キャッ」
どこかの漫画で見たシチュエーション、
地べたに生足を出し、目の前で茶髪のスラッとした女の子がイテテといいながら頭を抑えている
「ご、ごめん大丈夫?......え!?」
僕は背筋が凍りついた
「う、うん......フアッ!?」
お互い失礼極まりないことに人差し指を突きつけあっている
「す、スミカあ!?」
「か、カケル!?」
「な、なんだ?カケル、知り合いだったのか?」
「あ、うん......僕の元カノだよ...」
「ええっ!?サッカーしか、興味のないお前に女がいたのか?」
「あ、まあね......」
「あー相変わらず周りの見えないドベね... 何この純白の天使こと小野純香ことスミカ様にケガでも負わしてくれたらどうすんのよ、バカケル!!」
「いや、悪かったけどさ、さすがに自分のこと純白って言うのはやめようよ」
「じゃあアンタはアタシがブスだっていいたいの? あ、わかった アンタ嫉妬してんのねえ? なんでアタシとちがって自分はこんなに顔立ちがよくないのかって当たっちゃダメよバカケルくん」
「はあ?、君自分の鏡見ろよ きっとあまりの醜さでぶっ倒れちまうよ 鼻高男みたいにひねくれた顔してるよ、ブスミカくん」
「ああ!? アタシみたいな美人が自慢しちゃなんか悪いの? それこそ才能の無駄遣いよ バカケルくん」
「どこが君が可愛いんだよ!? 君はプーさんもびっくりの荒れた顔だよブスミカくん」
「まあ、ツヤツヤの純白のアタシと、汗臭のバカケルは天地の差だからねー、スベスベのアタシに嫉妬してることに気づかないバカケルくん?」
「なあ、ヒロシ、この勘違いさんに君は可愛くないっていってやってよ」
「オレを巻き込まないでくれ...」
気づいたらスミカとは泥沼の言い争いと化していた なんで僕たちいつもこうなっちゃうんだろう...... 客観的に見てスミカは人並みに可愛い でも何故かいつもバカケル、ブスミカといい罵りあってしまう
「ん、君たち痴話喧嘩は後ね、今からHRするんだけど」
僕たちは我に帰った、どうやら担任の先生らしい 呆れ返った顔をしてる目の前の先生に僕たちは顔を赤くするしかなかった
「す、すみません」
僕たちは頭を下げてギスギスしながら中に入っていった、だがヒロシが帰ってこない
「ほら、君も中入る...もう痴話喧嘩は終わったから」
ヒロシは目を見開き怒りに震えた声で話す
「前川...... なんでてめえがまだ教師やってんだ!?」