1章 カケル
リクがキャプテン、話を聞きながら嫌な予感はしていたけれど、やっぱりリクは自分の価値観でしか物事を見れていない、本当に昔と変わってないんだね...... でもボクがその前川っていう人に監督やれと言われたらどうしただろう?僕ならまずサッカー部を止めていただろう、そんな環境でやったって結果なんて出せるわけはないのだから。でもリクはキャプテンと任命されたから、責任を果たそうと必死だったに違いない あいつはいつも一人で思い詰めちゃうから 僕は胸が熱くなっていく、ってあれ?ボクって何でリクのことをここまで考えてるの?思い返せばなんでだ?先に言っとくが僕は断じて同性愛者ではない、中学時代女の子と付き合った経験もあるし、人並みに下心は持っている、ってまた横道にそれっちゃったよ、自分のこととサッカーになると周りが見えなくなるのは悪い癖だ、まあその答えは後回し、今はともかくヒロシの話の続きだ
「俺たちは誰しもが焦ったんだ、このままいくと最後の大会どころか、学校すらやめさせられちまう」
「でもさ、リクだけが悪い訳じゃないよね?確かにリクはチームメイトを大事にしなかったから崩壊のきっかけを作ったのはわかったよ、けどさ、原因はリクだけど、結局止めたのはそのノボルって人の考え方の違いがあったからでしょ?普通に友達と遊びでサッカーはできるし、無理に部活にいる必要はないんだし。それって結局本人の問題でしょ」
「まあちょっとあいつには事情があったんだよ、長くなるからはしょるけど、オレらはそんなことわかってたんだよ リクも非はあったけど、最終的に決断するのは本人だ、だが前川はこういったんだよ、やられたやつがいじめっていったらそれはいじめだってな」
「前川って人が言うと説得力がないね」
「ああ、あいつは陰から練習はみてたらしいけど、オレらの人間関係なんて微塵も興味なかっただろうし、ノボルたちの話だけでいじめって決めつけるのはあまりにも短絡的すぎる」
「じゃあ前川って人の話を真に受ける必要はないんじゃないか?」
「前川は本気で部を潰そうとしていたんだ、オレらの発言なんて聞く耳持つわけねえし、俺たちを追い詰めるためだけにノボルたちのリクへの悪意を利用しただけだ、今でも前川がなぜ非道な真似をしたかは知らねえが、あのあとオレらを更に追い詰めたんだ、退学になりたくなかったら前川が監督だと認めろってな、もちろんリクは除外、リクを監督と望む者はリクの共犯とみなすってな」
「何でそこまでリクを?」
「さあ......?思えば不思議だよななぜあいつはそこまでリクを......」