表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お題掌編

掌編――雪

作者: と〜や

 ひとひらの花びらが舞うように、ひとひらの雪片が舞う。

 裕美は、ハンドルに腕を置いてフロントガラスから空を見上げた。

「あら、また雪が降ってきたのねえ」

 後部座席でのんきな声を出したのは裕美の母、美也子だ。

「あら、じゃないわよ。雪のせいで大渋滞してるんだから」

 まったく暢気なんだから、と裕美はため息をついた。

 事実、三十分ほど前からさほど進んでいない。ストレスレベルも上がるというものだ。

「だからって、あなたがいらいらしたってはじまらないでしょ。お天道さまのやることにいちいち血圧あげてちゃ、雪国で生活なんかできやしないわよ」

「その話はやめてってば。あたしは戻るつもりないんだから」

 裕美はバックミラーに映る母をにらみつけた。母は、いつの間にか編み物を始めていた。

「あら、あなたの話なんかしてないわよ?」

 軽く受け流す母に裕美は唇をとがらせる。

「とにかく。当分結婚するつもりはないから。見合い話持ち込まないでよね」

「はいはい、わかってますよ」

 美也子は編み目を数えながら言った。

別館サイトからの転載です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ