舞台は整い幕が上がる
*鬼と祓い屋の物語01.5*
*ヒーロー・六原睦月のおはなし*
――人からはヒーロー等ともてはやされている私にも悩むことだってある。
仕方ないか。まぁ、でもあいつ等なら大丈夫だろうという期待があった六原睦月はポケットからケータイを取り出し、目的の人物に電話をかける。
数度のコールの後、目的の人物、月島 舞孤は電話を取った。
「……お久しぶりです。睦月さん」
「そんなに他人行儀にしなくても、お義姉様と呼んでもいいのよ」
「いや、それは断るよ」
「あら、残念。それでまだウチのバカ弟は君にちょっかいを掛けているのかしら」
「そうだね。よくワタシの事を気に掛けてくれるみたいだ」
「それはいつも愚弟が迷惑をかけて悪いわね。良かったら、私の方から弟にやめておくように言ってあげるけれど」
「別に構わないさ。私は彼の事を嫌ってはいないのだからね」
「そう……」
「それでどうしたのだい。まさかこんなことを聞く為に連絡してきたのではないよね」
「ええ、そうよ。ねぇ、月島ちゃん」
「何だい、睦月さん」
「先月、私が君を助けた事を覚えている」
「もちろん。あの時はありがとう」
「お礼はいいわ。その代わり助けた借りをそろそろ返してもらいたいのだけど、いいかしら」
「……ワタシに一体何をしろというの」
「理解が速くて助かるわ。少なくとも貴方の力なら簡単な事よ」
六原睦月は月島に仕事の依頼を頼むことにした。
そして、月島には拒否権はなく。翌日、詳しい話を聞く為に月島の指定された場所に向かう事になったのであった。
少年は記憶を失っていた。だが、高校二年となった際に出会った少女達、そして、偶然巻き込まれた異様な戦闘によって全てを思い出す。
悪鬼と呼ばれる異形の存在。
一度滅ぼされたとしても、長き年月をかけ再び復活する、死すら恐れぬ不滅の集団。
それらを討つ古より存在した機関。
やがて、記憶を思い出した少年は悪鬼との戦いに自ら身を投じる事になる。
思い出した記憶、両親を殺した鬼をこの手で討つ為に……
これは悪鬼との戦いに身を投じる事になった少年、天野正雄の物語。
第2章・鬼と祓い屋の物語・
――それでは、はじまり、はじまりぃ




