表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/18

第三話 出会い?

穂月視点ですっ

「……っ!?」

何でだよっ?俺何もしてないよな??


急に起き上がるとわき腹が痛んだ。ベットのきしむ音が響く。

でも、そんな痛みなど気にならないほどに慌てていた。慌てるとかいう言葉ではたりないほど慌てている。

くすんだ色の壁。無地のベットカバー。右隣をみると古い木の机がある。そして、熾音が編んでくれたのであろう何重にもなった結界。

それは、 昨日逃げ込んだ部屋の風景でわき腹の痛みも現実だ。

夢じゃない。

ゆっくりともう一度左隣を見る。

俺の横で薄紫の瞳を瞼で隠した黒髪の華奢な少女が眠っていた、裸で。寒くないのかな?ここ、体感気温冬の日本の朝くらいなんだけど。とかいう問題じゃなくて。

「……」

どうするよ、うわもうこの世界にきた時よりも焦ってる気がする。


「……ん」

瞼が上がりアメジストみたいな瞳が覗いた。

「穂月?おはよう」

「ぉ、おはよう……」

普通に、挨拶された!?

え?何この反応、これがこの世界では普通なのか……?

「えっと、何で服きてないのかな?」

言うと熾音は自分の身体を見下ろした。

「服を着ていると僅かなストレスがかかるの。私の『本能』は僅かなストレスでも取り除こうとするから……」

『本能』とは高位魔族にしか存在しない。正確には人間にもあるのだが、高位魔族と比べるとあまり弱いためないことになっている。意識のない時に本能が身体を守る働きをする。


ドアの向こうに強い気配がした。

「……熾音この結界、どのくらい強い?」

「編んでから時間経ってるから……高位魔族ならすぐ壊せるかも」

おそらく、ドアの向こうの気配は高位魔族のものだろう。しかも、昨日と違って気配を隠していない。

「ちょ……とりあえず服きてっ」

「ないの」

「は?」

「『本能』がマナで壊しちゃったから」

「マジ!?布団くるまってて!何があっても出てくるなよ!!」

「でも……」

「約束してっ」

「……うん」


扉が粉砕された。

床に木のクズが飛び散った。

現れた魔族は昨日の魔族たちだった。全員見た目は若い、30代に行ってないだろう。

なぜか、向こうに敵意はない。

どうしてだ?

熾音を殺そうとした奴もいる。魔族は四人いる。髪が短くて昨日はわからなかったが女性が一人いた。

「こんちわー、魔王と勇者がこんなとこに隠れていたとはねぇ、驚いたよ」

笑いながらそう言ったのは長いピンクの髪の長身の男だ。

「わかってると思うけど、敵意はないわよ?昨日は悪かったわね、怪我させちゃって。こいつが」

赤いショートヘアの女の人が耳をつまんで引き寄せたのはオレンジ色の髪をもつ少年。

「っ……。ごめん。……謝ったじゃん!もういいよねっ、ギスター助けてっ」

160センチあるかないかの少年が首を上に向けて見上げた先には青い髪の青年。

「自業自得だ」

彼は一言で切り捨てた。

シャープな身体と目が異様に冷たい空気をはなっている。

「ところでぇ、何しているわけ?魔王は?」

「魔王じゃなくて、熾音」

ピンク髪男に答える小さな声が思考の固まってた俺を引きずり戻した。

「そう、名前があんの。で、そっちこそ何してたんだ?昨日も含め」


魔族たちは顔を見合わせた。


「昨日のはちょっと試しただけだ。勇者の力がどれ程なのかを。殺気も気配もなく私達を相手にして無事とは……感嘆した」

ギスターと呼ばれたシャープな男が言った。

「そう、あなたたちは強いわ。だから仲間にいれてくれないかしら」

「そういうことっ、正直僕だって掠っただけなんて信じられないんだ。その凄さを近くで見せてよ」


どうするべきだろうか。

「ていうか、オレの質問に答えてよ」

ピンク髪男が布団に包まった熾音を見ていう。


「あー。仲間にするから野郎全員でてけっ」

男達が出て行った後に俺は熾音の服の調達を頼んだのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ