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プロローグーー出会い

この小説は夕葉が書きました。


空間が揺らぎ、黒く彩られた灼熱の光と共に魔王は生まれた。

魔王を生み出すために払った犠牲 は人と魔族の命。

でも魔王はこの世に必要だったのだ。魔王は魔界の最強の切り札。

魔王がいないと魔界は人間に滅ぼされてしまう。

しかし 魔王が誕生してからも魔王の力が暴走するたびに、世界からマナが奪われた。魔力の源であるマナがその身からなくなると人も魔族も色を失くして命を燃やしてしまうのに。




私が魔王という存在であることは生まれた時から知っていた。

冷たい指で自分の体を抱きしめる。

人間の女の子と変わらない躰……心。

檻に入れられ足枷を嵌められてもそんなもの簡単に壊してしまう。

時々訪れる人間は媚びるような妖艶な笑顔と美貌を持っていた。

生贄ーー彼らはそう呼ばれていた。その言葉の意味は私の中の膨大な知識からすぐにはじき出された。

生贄と呼ばれる彼らは嘘つきだった。

耳を澄ませると嘲笑う彼らの声が聞こえた気がした。

パァンッ!と心が破裂する音が聞こえる。

もう止まらない。

牙を剥き出したら跪く彼らの命が散った。


ほら、やっぱりまたこうなるの。

彼らの骸を人間の国から遠く離れた魔城の庭の土に埋めながら思う。

頬に水の雫が伝った。

不意に煌めくような気配がして、私の記憶に根付いている気配がして思わず下を向いた。

この城の魔族に私に近づくものなどいない。

顔をあげると聡明で光溢れるようなう人間の男がいた。

この男が誰なのか……すぐにわかった。

「……勇者様?」

「……そうだよ」

答えは予想通り。

勇者様は魔王よりも強いんだ。

私はホッと息をついた。

「勇者様なら私を殺せるでしょう?ねぇ、私を殺して?」




読んでくださってありがとうございました。

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