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制裁で萌えてる場合じゃない!




季節は秋。秋といえば…?


芸術?


食欲?


性欲?(おっと失礼)


それもいいけど、やっぱりここは




『運動』の秋でしょ!


体を動かすことは大事よ〜。そして、何と言っても『体育祭』をひかえているのだ!!

ここらあたりで運動神経の良い啓斗がリレーで優勝して、普段見ない真面目な姿にドキッ!さらに、汗で髪が張り付く首元にドキドキッってするとこだね!!もうそろそろ、本気でチャラ男受けが導入されてくるところだよ!!


「ハイハイッ!俺、リレーに出る!!」


僕の妄想をぶった切って現実世界に引き戻したこの声は神楽君のものだ。


「俺もー!!」


今のは啓斗だ。二人してリレーか。ふーむ、萌えの匂いたっぷりだ!今のところあんまり親衛隊は動いてないけど、もうそろそろわからないな。チャラ男受けと同時進行かも!?


「おい。」


あぁ、呼び出されて『もうダメか!?』って時に会長に助けられて欲しい!風紀でもいいな!!

それか、返り討ちにしちゃうほど神楽君が強いか。実はこの可能性が一番高いよね。だって彼は裏世界で生きてきたんだもの!!(多分)


「雅!!」


「、はいっ!」


今度はいつも通り灰に現実世界に引き戻された。なんだよ、声は出てなかったぞ!!(きっと)

顔にも出てなかったぞ!!(おそらく)


「競技、借り物競争になってるけどいいのか?」


「うぇっ!?」


黒板を見ると借り物競争の欄に僕の名前が。変えてくれるよう頼もうとしたら、無情にもチャイムが鳴り始めた。




まさか、借り物競争になるなんて…。きっと予想できてるだろうけど、借り物は大抵『人』だ。

『好きな人』とか『彼氏or彼女』とか。男子校だから彼女は無いだろっ!!っていうツッコミは今までおきていない。

こういうのはかわいいチワワちゃんに恥じらいながらやって欲しいんだけど……。


「ちょっと、ふざけないでよね!!」


ほんとほんと、ふざけないでほしいよね!……ん?


「生徒会の皆様に近づかないで!!」


なんとっ!!これは夢にまでみた制裁のシーンではないか!!

かわいいチワワちゃんが三匹に睨みつけられてるのは、言うまでもなく神楽君だね。あれは会長のとこの親衛隊だ。なぜわかるかというと、全親衛隊把握してるから。僕って無駄に記憶良いんだよね。萌えのために役立つなら脳細胞たちも本望です!!


「堂慈様が迷惑がっていらっしゃるのがわからないの!?」


「「そうだ、そうだ!!」」


きゃぁぁあー!!!は、鼻血出そう…。


「迷惑なのはお前たちだろ!?親衛隊なんているから大呀たちに友達がいないんだろ!!」


「そんなわけないでしょっ!!僕たちは生徒会の皆様により良い学校生活を送っていただくために集まったんだ!君みたいに自分の意見を押し通すだけの勘違いと一緒にしないで!!」


ヒートアップするチワワたちと神楽君。チワワたちが言っていることは本当だ。ほまれが言ってたし。日々あんな生徒会のために汗水流して動いているのに、ぽっと出の転入生にこんなこと言われたら、そりゃ腹もたつわな。


うわー、うわー。これは永久保存版だな!と思っていると、向こうから見慣れた人影がやってきた。


「あっれー?君達こんなところで何してんの?」


ナイスタイミング!ナイスガイだよ、啓斗君!!


「「「岳知様!?」」」


「啓斗!聞いてくれよ!コイツら酷いんだぜ!?俺に啓斗たちと離れろって言うんだ!!」


こんな美味しい状況に腐ってて腐男子の啓斗が気づかないはずもなく、顔がニヤけないようにするのに必死そうだ。


「俺の絢ちゃんいじめちゃダメだよー。皆仲良く、ね?」


コテンと首を傾げるが、ぶっちゃけ啓斗がやっても可愛くないぞ。まったくもって萌えない。

だけど、親衛隊には効果があったらしく顔を真っ赤にして否定している。

もちろん啓斗は親衛隊がそんなに酷いことを言ったなんて思っていないし、転入生の言葉に語弊があることを知っている。なぜなら彼が王道だからだ。


「今回のことは誰にも言わないけど、制裁なんてしちゃだめだよ。せっかく可愛いのに自分の価値下げる必要なんて無っし!!」


言うやいなや神楽君の手を引いてこっちに向かって来たではないか!?ちょっと、隠れ場所ないんですけど!?

わたわたとしている間にも啓斗たちは近づいて来ていて…


「あっ…」


バッチリと神楽君と目が合ってしまった……。







嵐の予感。







僕の予感は的中したらしく、朝から神楽君が話し掛けてきて正直鬱陶しい。

あれか、これが俗に言う転入生の親友ポジションか?確かに平凡の親友を引き回してないなぁと思ったけど、その役が僕のとこにくるなんて誰も思ってなかったでしょ!?雅ちゃんびっくりよ!?……、啓斗の真似してみたけどキモいよね。わかってますー。


「なぁ、お前昨日会ったよな!?同じクラスだったんだな!!名前なんて言うんだ?あぁ、俺は神楽絢っていうんだ!絢って呼んでいいからな!俺ら親友だろ!?」


わーでたー、めーんどーくさーい。本気で親友ポジションですか?そうですか。絶対嫌だ!俺の親友は灰だけだ!!


「何やってんだ、うるさいぞ。」


やっと来たなマイハニー!!正義の味方は遅れて参上が基本だが、現代版ではピンチなときコンマ一秒で来て欲しいのが本音だぞ。そりゃマイハニーだもの、ちょっとトイレに行っただけで帰ってくるのが遅くなるほどチワワたちから声をかけられるのはわかるけどさ、ちゃんと本命は一本に絞りなさいよ!パパもママもそんな子に育てた覚えないんだからー!


「黙れマイダーリン。こんな親だからこんな子供に育ったんだろうな。家出してやる!!」


「待てよハニー!!僕らの絆はそんなものではちぎれないぜ!何てったってハニーは僕の心の声をわかってくれているからな!!」


僕らの繋がりはすごいんだからな!!神楽君の『声に出てたけど』発言も僕らの世界には入ってこれないんだぜ!


「おまえら付き合ってるのか!?男同士で恋愛っておかしいぞ!皆で仲良く友達になろうぜ!!お前ら名前何ていうんだ?」


「ところでハニー、課題やってきた?僕今日当たるんだけどー。」


「黙れ、煩い、自分でやれ。」


「いやん、それって愛の鞭?はい、すいません、ごめんなさい、黙ります。」


そんな顔で睨まなくってもいいじゃん。あー恐い恐い。…ん?何か忘れてるようなー。まぁ、いいか。白紙のノートを広げたままシャーペンを持つ気力も起こらず、夢の住人になるべく机に突っ伏した。その隣で灰が僕のノートの端に答えを書いてくれていたのを知ったのは、授業が始まり半泣きになったとき。このツンデレめっ!どうやらこれまた声に出ていたらしく灰と先生の両方に睨まれた。よし、これから気をつける!










隣ですでに寝てしまった雅を見てため息が出る。何回『ハニー、ダーリン』のコントをすればいいのだか。正直ハニー呼びは勘弁してほしい。身長差云々もあるが、ここはもっと繊細な問題だ。昔はただのギャグですんでいたが、最近では気持ちの割り切りが難しい。それもこれもコイツのせいだ!


「どうしてくれる!?」


「そんなことオレに言われてもね〜。そもそも気づけたというのはいいことだろ?」のほほんとそんなことを言うのは、ほまれだ。コイツのせいで俺はあることを自覚してしまった。それがよかったのかどうかは全然わからないが、今のところいいようには思わない。

ほまれと俺は従兄弟同士で、正月や盆などなにかしらと会う機会があり、自然と学校でも話す機会が増えた。得に、雅と啓斗がソッチ系の話をするために部屋を乗っ取られるとき。

いつどうやってそのことを自覚したのかは、ほまれのニヤニヤとした顔を思い出すからここでは話したりしない。思い出しただけでもムカつくのに、目の前にまさにその顔がある。…殴ってもいいか?


「腐男子攻略お互い大変だけど、がんばろうねぇー!!何か進展あったら教えてねっ!」


猫かぶるな。


啓斗がこの部屋に帰ってきたら、俺も自分の部屋に帰れるのに。次からはあのついていけないテンションの中でも部屋に残っとくか?

確実にここにいるよりも数倍疲れることが想像でき、大きくため息をついた。




.

相変わらずな月一更新

申し訳ありません;

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