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魔法がある世界では科学はどの様に定義、発展するのかについての一考察

作者: 加藤 良介

 皆様こんにちは。魔法が出てくる小説を書いている加藤良介です。


 今回は思考実験を一つ。

 魔法が存在する世界では科学はどの様に定義づけられるか。また、どのように発展するかについて、幾つかの設定に基づいて考えてみようと思います。



 ① 魔法使いが一人の場合


 ガンダルフみたいな魔法使いが、世界に一人だけいる場合を考えてみます。

 これは簡単です。

 ガンダルフが死んだら、魔法も死にます。

 科学は普通に発展するでしょう。魔法はおとぎ話の世界として継承されはするでしょうが、社会に与える影響は皆無と言っていいでしょう。



 ② 魔法使いが少数だけ存在する場合


 世界に数人程度の魔法使いが、常に存在する場合ばどうでしょうか。

 これも社会に与える影響は限定的です。

 やや制約は受けますが、科学は普通に発展するでしょう。

 なぜならば少数の魔法使いは、異端として迫害されるからです。

 人類は異質な存在を許しませんので、魔法使いの方も一般人との接触は避けるか、その実力を隠すでしょう。ただ、その少数の魔法使いが積極的に社会に介入すれば、科学の発展は抑制されます。

 この場合の魔法使いは宗教指導者と同義になり、科学者は宗教と戦わねばなりません。勝てるかどうかは、相手の実力次第と言ったところでしょう。



 ③ 魔法使いがそこそこ存在する場合。


 珍しくはあるが、社会に普通に存在している場合はどうでしょう。

 ファンタジー小説でよく見る設定ですね。私の作品もここに分類されるでしょう。

 この辺りから科学の発展が、明確に阻害され始めるでしょう。なぜならば、魔法使いが社会的影響力を持つからです。

 私の認識では"魔法"と"科学"は相いれません。

 作品にもよるでしょうが魔法という代物は、「質量保存の法則」や「エネルギー保存の法則」を無視して成立している場合が多いからです。

 魔法使いが社会を支える存在である場合、"科学"は"魔法"を説明できないので、発展することは難しいでしょう。

 目の前で起こる現象を説明できないのであれば、何の説得力もないからですからね。

 科学の発展の可能性があるとすれば、魔法使いそのものが科学を研究する場合です。この場合は少しづつでも知見が積みあがっていくでしょう。彼らは魔法と自然現象の違いを認識する事が出来るからですね。

 ちな、私の作品の魔法使いは、科学的知見から魔法を理解しようとして見事に挫折しております。



 ④ 魔法使いがめっちゃいる場合。


 少年少女が通う、魔法学校とかがある世界のお話です。

 この場合、科学の発展は絶望的です。

 超常の力を駆使する魔法使いが人類の上位者として君臨する世界ですので、全ての現象が魔法の論理で説明されるでしょう。数学と天文学が生き残れたら御の字。

 科学は魔法を否定または抑制する存在ですので、魔法使いたちは自分たちを脅かす可能性のある、科学的発想や研究を許さないでしょう。そして一般人はこの動きに対して抗う術がないので、残念ながら科学が入り込む余地は少ないと言えます。

 多くの知的活動が魔法使いの管理下に置かれる世界でしょう。

 科学は異端の学問として、変わり者の爺さんが山奥でこっそりと研究されている程度だと思われます。これはこれで面白い設定ですね。


 私が考えるに、科学と魔法は反比例の関係にあります。

 科学が強ければ魔法は減退し、魔法が強ければ科学が減退するはずです。

 また、科学と魔法は"客観"と"主観"に分類できるでしょう。

 一定の知能が有れば誰がやっても同じ結果が観測でき、一定の客観性が担保されている科学と、特殊な才能の持ち主だけが理解、運用できる魔法。

 客観と主観が決して相いれないのと同じように、科学と魔法も同様に相いれない存在として認識されるでしょう。



 次は、魔法と科学が並立する世界はあり得るのか考えてみましょう。

 結論から言えばあり得ます。

 それは十分に発展した科学を持った世界の場合、我々には魔法との違いが認識できなくなるからです。

 要するに宇宙船が飛び交い、ワープや反重力が当たり前の「SF作品」は、科学と魔法の融合した世界を描いているっちゅう訳ですな。

 ファンタジー作品とSF作品は、本質的には同じものなのかもしれません。


 ( ̄▽ ̄)//そう言えば、私もSF作品も書いとったわ。完全に止まってるけど。



           終わり

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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