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レオの誕生日


真っ暗闇の中、私たち3人はじっと獲物を待っている。


「まだかな〜。足しびれてきちゃった」

「言い出したの鈴だろ。我慢しろって」

「あっ、足音聞こえる!」


ガチャ──

扉が開く音がした。


「いくよ!」


───

 

これはまだ日本にいた時の話

3日前

文化祭1週間前の月曜日


「2人に相談があります!」


お昼休み、私は2人の教室へと駆け込んだ。


「どうしたの?なんか真剣だね」

「3日後、何の日か分かりますか!」

「おーっ!レオの誕生日だろ?知ってるぞ!」

「そう! その通り! だからサプライズを仕掛けたいの!協力して、お願い!」

「もちろんいいよ!」

「俺も賛成。あいつの驚いた顔、ちょっと見てみたいと思ってたし!」


こうして、作戦会議が始まった。





いろんな案が出たけど、一番現実的だったのは──


「部屋真っ暗にして驚かせる、アレ」

「王道だね……」

「他になんかあるか? 空から落とすのは無理だし」

「無理に決まってるでしょ」

「じゃあ仮装するのは? ハロウィンっぽく」

「あかり!それ、めっちゃいい!ホラー系で行こうよ!」

「今ハロウィンの時期じゃねーけど……ま、いっか」


───


当日


「みんな、準備OK?」

「ケーキよし!」

「仮装よーし!」

「部屋の飾り付けも完璧!」

「じゃあ、レオに連絡入れるね」


───

部屋で宿題をしていると、鈴からメッセージが届いた。


「今すぐ私の部屋来て」


……なんだ?


曲づくりなら公園のはずだし、最近妙にあいつらコソコソしてるんだよな。


鈴だけじゃなく、隼人も明里も。


まさか──

勉強……?


期末テスト近いし……

あいつ、ついに本気出したのか?


「……成長したな」

わからないところ俺に聞きたいんだな、きっと

お菓子でも持ってってやるか。


鈴の家に着いてインターホンを鳴らすと、おばさんが出た。


「鈴なら部屋にいるわよ〜」

──なんだか、嬉しそうに笑いをこらえてる?


きっと、勉強し始めたことが嬉しいんだろうな。


部屋の前まで来ると、なんか違和感があった。


「……静かすぎねえか?」


まさか集中しすぎて息止めてないよな?


「鈴?」


ドアを開けると、部屋の中は真っ暗。


「え、サボってんのか……?」


と、思った次の瞬間──


背中に何かがまとわりついてきた。


「ガオォォォ!!!」


「!?」


振り返ると、毛むくじゃらの狼みたいな奴が俺を睨んでる!


「ふふふふふ……」


横から現れたのは、とんがった耳をした髪の長いやつが、大きな杖を持って目の前に立ちはだかる。


……え? これ、もしかして……


「オッホホホ!! 庶民よ、ひれ伏すがいい!」

そしてもう一人派手なドレスを着て扇子を広げた人が出てきた。

 

「……なにやってんだ?」


沈黙の後、俺の言葉に鈴がぷくーっと膨れた。


「えー、なんで驚かないの? つまんな〜い!」


次の瞬間、ゴツッという鈍い音。


「いったぁっ!!」


隼人が足を抱えてうずくまっていた。


「大丈夫??今電気つけ──わあっ!」


あかりも暗がりで転んだ。


───

「……で、何してたんだ?」


俺の問いに、3人はそろって正座。


「今日はレオの誕生日だから……驚かせようって……」


本当は、腰抜かすほどビビる顔が見たかったなんて……言えない。(by 3人)


「……おおかた、俺が腰抜かすとこ見たかったんだろ」


「……ぎくっ」


3人の肩が同時にピクリと上がる。


「図星か」


苦笑しながら、俺はケーキのろうそくに火をつけた。


「ま、ありがとな。嬉しかったよ」


 

「来年もこれやろうよ!」

「いいね!」

「俺この耳すげー気に入った!」

3人が楽しそうに話してる。


(お菓子、持ってきてよかったな)


─────

 

「楽しかった?」

2人が帰ったあと鈴が聞いてきた。

「ああ、」

こんなのもたまには悪くないな。


「来年も……その先もずっとお祝いしようね!」

 


 

────────────────────────





 

旅を初めてから1ヶ月。

冒険者ギルドに登録したり、初の魔物討伐したりと大忙しだった。鈴のランクがSSなのが冒険者にバレた時はそれはそれは大変だった。


 

「レオこっち!!」

 

鈴に手を引かれ目隠しをされた俺は色々なところにぶつけられながら移動した。

 

「さっきから痛えよ!」

「ごめんごめん!はいっ!」

 

目隠しを外され眩しい光が目に飛び込んでくる。

 

『お誕生日おめでとう!』

 

机には大きなケーキと豪華なご飯が並べてあった。

前を見ると

狼の耳としっぽを振ってる隼人

とんがった耳をした魔法使いの明里

貴族出身の鈴

 

「来年も……か」

「なんか言った?」

「いや……なんでもねぇよ!!」

ちょっと騒がしい、けどあたたかい誕生日。

いつまでも続きますように



 Re:noteーこの音が君に届いたらー 終



ご視聴ありがとうございました。


これにて完結とさせて頂きます。


このお話は私が初めて執筆して完結させた思い入れのある物語です。ここまで読んでくださってありがとうございました。


音楽と再会をテーマに書き進め、時には息詰まるところもありましたが何とか完結させられて嬉しく思います。


もし別作品を投稿した場合はそちらもよろしくお願いします!


改めてありがとうございました。



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