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終章 ひいばあちゃん

 暗い部屋でプロジェクターに映し出される、老齢の女性。金髪で緑の瞳。年齢は80代と言うがそれを思わせないしっかりとした姿勢で話している。

 「ひいばあちゃんは軍人だったと聞いたけど、本当にピシっとしてるね」

 20年前の曾祖母の映像を見て、ミカのひ孫、ルカは一人呟く。大学の授業で家族の歴史を調べると言う課題があって、大きな図書館を漁っていたら不意に出てきた一つのデータ。

 マナと生命の切り離しはデマであり、社会はマナがないとされる人の犠牲の上に成り立っていると言う、恐慌に駆られた武装集団が時の首相を暗殺する事件があった。

 マナが無いと言う人が居るという感覚もわからない。昔は石油とか原子力とかいう非効率なエネルギーを使っていたそうだ。なぜ自分達の中に当たり前にあるエネルギーを使わないのか、すごく不思議な感覚だ。

 ちなみにその事件の後、ヒトガタと呼ばれるエイリアンみたいなモノと、とても大きな戦争になった。それももう75年前。

 戦災などいうことはもはや歴史、また人は平和と繁栄を享受している、と言われている。

 「その日を懸命に生きるしんどさに強弱や優劣なんてないと思うけどなぁ」

 画面の中の女性ははっきりと受け答えをしている、自分が物心ついた時には、すでに他界しており、動く声や姿を見るのは新鮮だ。

 音声は聞こえるが言ってる話が当時の細かい話すぎるのと、方言がキツく聞き取れない。

 しかし、インタビューが中間を過ぎて、事件の後始末の話になったとき、ひいばあちゃんは泣いてしまっていた。

 亡くなった方への懺悔、同僚や部下への謝罪、自分の不甲斐なさへの忸怩たる思い。人が真剣に泣くものにはくるものがある。ルカの中からも溢れるものがある。

 一瞬のカットの後、ひいばあちゃんは泣き腫らした顔でインタビューを受けていた。戦後、戦災期、子供、孫の話、そこにはただただ優しいお婆さんがいた。

 何がどう立ち直ったのかわからない、泣くということはまだ想っている、でも止まらずに生きてきた。ひいばあちゃんの映像を見てそう思う。

 「ひいばあちゃん、かわいいなぁ」

 

明日、ifの冒頭を投稿します。

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