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パーフェクト・デイ  作者: ミソラ


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65 答え合わせ

 それから私と樫井さんは、度々メッセージで読んだ本の感想を送り合った。

 

『どう? 買った本は面白かった?』

『うーん、あの場面の主人公の行動が理解できないんですよねえ。』

『確かに。でもそこが伏線になるというか、悩むのが人間らしいというか……。』


 樫井さんと同じ本を買い、仕事とは関係なく共通の話題があるのは、特別な気がして楽しい。SFもイメージとは違って面白い。


 *


「あ、またお肉ばっかりですね。添えてある野菜も食べないって。」

 私が住んでいるマンションの近くにある居酒屋さん。私が帰りやすいようにと、反対方向なのに樫井さんがこちらに来てくれた。

 

 樫井さんの注文するのは相変わらず肉メイン。

「牛とか鶏のエサは草なんだよ。だから大丈夫なんだよ。」

「なんですか、その屁理屈は。……あっ。」

「なに?」

「食育アドバイザーの資格を勉強しようかな。」

「食育?」

 樫井さんがつくねを卵黄につけながら怪訝な顔をしている。

「はい、食育。でもITの勉強も続けますよ。で、はい、かぼちゃサラダ。」

「食育って俺の? 子供扱い?」

「子供並みの偏食ですからね。でも違いますよ、そんな資格もあったなあと思い出しただけです。ほら、魚も食べましょう。」

 

 ずいっと玉ねぎやきゅうりがたくさん載った鮭の南蛮漬けを樫井さんの前に置くと、樫井さんは笑いながらつくねを食べた。


 ふと向かいに座っていた樫井さんの手が私の首の方に伸びてきた。


「ひっ!」


 思わず体を固くして避けた。

 樫井さんもビクッとして手を引っ込める。

「ご、ごめん。髪の毛に糸くずがついていて……。」

 樫井さんは引っ込めた手を所在なげにしながら、申し訳なさそうに顔を青くしていた。

 

「いえ、こちらこそごめんなさい。」

「……嫌なこと、思い出させた?」

 三矢さんのことはすっかり忘れていた。しかしそれよりも夢の内容が蘇った。

「……えーと。」

 なんて言ったらいいのか。


 それにしてもフラッシュバックって思いがけない時に起こるんだ。

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