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パーフェクト・デイ  作者: ミソラ


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 樫井さんと何度かメールのやりとりをして、結局オショクジに来ることができたのは週末の仕事帰りとなった。

 悩みに悩んだけど、謝るいい機会だし……。

 

 私は受付の制服からワンピースにロングカーディガンに着替えてカジュアルな格好に。樫井さんはスーツ姿。背が高くて顔が小さくてスタイルがいいのでモデルみたい。


 鈴野くんからも「一杯どうですかー」と誘われたけれど、先約があるのでと断った。畠中さんにも音葉にもなんとなく言っていない。

 なので今日は会社から少し離れたおしゃれおでん屋さん。


 *


「大根にクリームソースみたいなのとキャビアが乗っている!」

「……おでんって、こんなものだったか?」

 ぱあぁっと喜ぶ私と怪訝な顔の樫井さん。

「こういうの、お嫌いですか?」

「いや、美味かったらなんでも。でも俺の知ってるおでんと違って戸惑ってる。」

 樫井さんの前には赤ワインソースがかかった合鴨と白葱のおでん。

「フレンチおでんっていうらしいですよ。」

「……ふうん。うん、でもこれはこういう料理だと思えばいいよな……。」

 なんだか自分に言い聞かせるようにぶつぶつ言っている。


 二人で白木のカウンターに座り、とりあえずビールで乾杯。

「お疲れさまです。」

「お疲れ。」


 やっぱり一口目のビールは美味しいなあ。


「あの、先日のこと謝らせてください。せっかく声をかけていただいたのに失礼な態度をとってしまいました。」

 カウンターテーブルに両手の指先をのせて頭を下げる。

 樫井さんは「なんのこと?」と首を傾げる。

「飲み会の後の、二次会を誘っていただいたのに、私断ったじゃないですか。」

 樫井さんは「ああ。」とくすっと笑って「気にしてないよ。」とビールをこくりと飲んだ。


 とりあえず謝罪という目的を達成したので、あたりさわりなく近況を話しておでんを食べて……もちろん夢の話はしない。変な子と思われる。

 

 そうこうしているうちに段々と二人でカウンターに並んで座っていることに緊張してきた。


「あのさあ……。」

「はっ、はいぃっ?」

「なに、どうしたの?」

「いや、すみません……。」


 声が裏返った。うああ、恥ずかしい。


「……。まあいいけど。でさ、聞きたいことがあるんだけど。」

「はい。」

「あの親睦会の時、俺の顔見て怖がってたよね?」


 覚えていましたか。


「……どこかで会ったことあったっけ?」


 実は夢の中で。

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