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日常業務に没頭する。
開発調査部の仕事は、多部門に渡るプロジェクトに関する問題点をまとめあげ、法的に問題がないか人材的、予算的に無理がないか調査して指導する。そこからプロジェクトは本格的に始動するが、その後も問題点があれば対処が必要になる。
今回のプロジェクトは大規模工場が撤退した後の広大な土地の再開発で、土壌汚染はないかなど問題点がいくつかある。いくら勉強しても時間が足りることはなく、焦りだけが膨らむ。
合同会議のため二十五階へ移動する。エントランスの扉が開き、その正面に受付のカウンターが見えた。
また大きな目を見開いている。
「あ。」
彼女の口も「あ。」と言っている。
気まずい……、がここでは話しかけられない。表情が固くなるのが自分でもわかる。
考えてみればたかが夢。しかも会ったこともない結城さんが夢に出てくるはずもない。
心の中で色々考えているうちに人の流れに乗り、気がついたらカードをかざして会議室の前まで来ていた。
やばいなー、ぼーっとしすぎだ。俺はこのプロジェクトのサブリーダーだ。プロジェクトを成功に導かなきゃいけない。
そのためには必要のないことを考えずに済むようにすっきりとさせなければ。
会議が終わり、エントランスに出ると、畠中さんは席を外していて結城さん一人が受付にいる。
通り過ぎる男性社員がちらちらと結城さんを見て会釈なんかしている。
しばらく逡巡してエントランスの端っこに移動し、付箋にささっと書いて人が少なくなっているのを見計らって彼女の手元にペタッと貼った。
『ショートメールでいいので』と書いた下に携帯番号。
大胆なことをしてしまった、と焦ってしまい、足早にエントランスを出た。
個人の携帯番号を女性に教えるのは久しぶりだ。やっちまったかな、というちょっと反省とちょっとの期待を感じる。
期待ってなんだ。
どうしてか顔が熱くなってドキドキしてきた。




