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パーフェクト・デイ  作者: ミソラ


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 お風呂に入って湯船の中で目を閉じると、ぐるぐると色んなことを思い出したり考えたりする。


 一人は寂しい。


 大学時代に付き合っていた彼は優しかったけれど束縛が強かった。でも最初はその束縛が嬉しくて愛されていると思っていた。

 でもそれに違和感を抱いたのはちょっとしたきっかけ。

 友達がたまたま見つけた彼の裏アカだった。

 

 その裏アカには料理をしている私の後ろ姿の写真がアップされており、その文章には妄想めいたものもあり執着が滲んでいて、彼の願望が垣間見えた。

 そんなことを口に出したことがないのに。

 ほんとにゾッとした。気持ち悪かった。

 そこからは会うたびに彼の優しさの裏に仄暗いものを感じた。背筋がひんやりする気がして、段々と彼のことが信用できなくなって、どうやったら別れることができるのかを考え始めていた。

 

 別れ話を出して何かされたらどうしよう。ストーカーになったらどうしよう。スマホの位置情報も登録されている。

 

 裏アカを見つけた友達や他の人にも協力してもらって用事を作ったりバイトを入れたりして、彼と一緒にいる時間をだんだん減らしていった。

 彼は時々バイト先に迎えに来たりしていたけれど、それも減り……。

 そうこうしているうちに彼が浮気して、なぜか私が責められた。


『お前が離れて行ったのが悪いんだろ。蓮花、なんで勝手なことばかりするの?』

 優しかった人のイライラした口調が怖かった。


『そうだな。バイト辞めてうちに引越してきたら許してやるよ。蓮花は俺がいないとダメなんだから。それに家賃なくなればバイトしなくてもいいだろ。』


 それは親も心配するから無理、と逃げ回っている間も彼は私を離さないまま浮気を続けた。

 

 そして、彼の方から『地元で就職するから遠距離とか無理』といきなり別れを切り出された。


 思ったよりもあっさりと別れることができ、物理的にも離れることができて心から安心した。

 彼は私が勤めている会社の場所も住んでいる場所も知らない。この三年間もなにもなかった。スマホを新しく契約し直し、SNSも鍵をかけて信頼できる人だけにした。もう裏アカも見ていない。


 しばらく一人でいい。

 でも……一人は寂しい。

 

 *

 

 お風呂から出てベッドの上でゴロゴロする。

 

「う〜っ。」

 

 悩みに悩んだ末に、ショートメールを送ることにした。これで私の携帯番号が樫井さんに伝わるわけだ。

 会社携帯で個人的なやり取りはできないし、契約し直した個人携帯に男性の番号を登録するのは父以外で初めてだ。

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