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魔法修得

 リズ先生には申し訳ないけど、あまりにも魔法を使えるようになりたい欲求が強すぎて一気に読んでしまった。


 お陰で結構寝不足だ。


 かなり抽象的な表現もあったが、結局のところ魔法を使うためのステップはこんな感じだ。


 ①自分の魔力を感じる

 ②自分の魔力を操作する

 ③魔法の効果をイメージする

 ④イメージと共に魔力を体外に発する


 魔力を感じるためには瞑想が一番と言うが、これが中々難しい。


 日本にいた頃も人に誘われて瞑想何てやってみたこともあるが、頭を空っぽにするというのは実はそんなに簡単じゃない。


 修学旅行の京都でも肩をパンパン叩かれたもんだ。


 中々魔力を感じられずに悶々としていると、頭の中に声が響いた。


 『ヤス~。魔力が感じられないの~?』


 『ああ、クロか。そうなんだよ。どうも感覚が分からなくてね。』


 『手伝おっか~。』


 『え、手伝ってくれるのか?っていうかクロは魔力が分かるのか?』


 『うん~。これでも神様だからね。それくらいは簡単簡単~。じゃあちょっと目を瞑ってみて~。』


 言われた通りに改めて目を閉じる。


 すると、さっきまでとは違って全身を巡る何かの流れが感じられる。


 『クロ、これってお前が何かしているのか?何か体を流れるものを感じるぞ。』


 『そうだよ~。それが魔力~。体を流れる血液を感じるのは無理だけど、魔力は感じられるでしょ~。』


 『ああ、ありがとう。凄い助かるよ。今度はちょっと自分だけでやってみたいから、手伝いを止めてみてくれ。』


 すると、さっきまで感じられていた魔力の流れが全く感じられなくなった。


 しかし、さっきの感触を覚えているのでその感覚を遡るようにして体内の魔力を探すと・・・・来た!


 確かにさっき同様に魔力が体内を流れるのを感じる。


 凄い!凄いぞ!俺だけなら絶対1日でなんて無理だったけど、クロ様様だな。


 次はこれを操作するっと・・・・手の平に集めるイメージ・・・・体の表面を覆うイメージ・・・


 なるほど、イメージに応じて魔力が移動するのが感じられる。


 後は発動させるのみだ。


 魔法書に載っていた一番基本的な魔法である水を生み出す『ウォーター』を試してみることにする。


 部屋にある洗面用の水を入れておくボウルの上に手を持って行き、そこに魔力を集中。


 魔力を水に変換しながら集めた魔力をボウルの中に落とすイメージ。


 「ウォーター。」


 ジャボン!


 良し、成功だ。


 初めて魔法で無から有を作り出した感覚に感動を覚える。


 他にも基本書には攻撃魔法や疲れを癒す回復魔法なんかも載っているので片っ端から試していこう。


 でも、取り敢えずはリズさんとの特訓に備えて少しでも睡眠を確保しとかないとな。


 翌朝、寝不足ではあったが訓練は至って順調だった。


 勿論延々と走らされた訳だが、走った時の疲労を快復する魔法『リカバリ』が上手くいったのだ。


 体内の水分を操作して老廃物を体外に汗と共に排出、新たな水分を補給、自律神経細胞の酸化を中和して疲労感を軽減することに成功。


 かなりの時間全力疾走を維持できた。

 

 勿論、特別な魔法の才能がない俺がここまで短期間で魔法が使えるようになったのは全てクロのお陰だ。

 

 「ふむ、大分良いようだな。明日からは実戦訓練に入る。そこである程度の実力ありと認めたらお前を魔獣狩りに向かわせることにしよう。」


 「本当ですか?ありがとうございます。」


 「お主は目覚ましく進歩しているからな。若いというのは羨ましい。だが実戦ではまだまだ駆け出しなんぞに後れを取らんぞ。」


 そう言ってリズさんは去っていった。


 今の肉体年齢は確かに16歳だから推定30代前半のリズさんは年上なんだけど、元々お爺ちゃん年齢な俺からすると十分若くて魅力的なんだけどな。


 既婚者だから当然恋愛対象外だけどね。


 さて、いよいよ実戦訓練か。


 ここはチート装備をフル活用してリズさんに認めてもらうとしますか。

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