表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
新たな世界へ
5/100

素性整理

「……というわけで、僕が2代ほど前の魔王……氷魔王の方がわかりやすいかな?ネーヴェだ、よろしく」


「俺は元四天王のザクラ、ザクラ グランドだ、よろしく」


「あ、私はローズ カーマと言います、ザクラ様の部下ですね」


「……俺は今代の勇者のアケガネだ」


「魔法使いのマチア カーラです!」


「……剣士の……アンカーだ……」


「そうか……なるほど勇者か、だからローズさんと戦えたんだね。

どうだった?この3人は強かったかな?」


「……まだまだですね、私たちが全盛期で戦っていた勇者には遠く及びませんね」


「……そうかぁ……今、魔王をやっているのは誰?」


「……カルマナっていうやつだ」


「……カルマナ……?誰だ?」


「……ネーヴェが知らないなら俺たちはもっと知らねぇよ……ただ、何もんなのかは気になるな……ニーアだって弱くはなかった……むしろ強いぐらいだ」


「確かに、『今の』僕の攻撃もいくつか受けれたしね」


「……あぁ、そうだな、俺は今のお前にすら勝てないがな……」


「……今の世界はどんな感じなのかな?勇者君」


「魔族があっちからもこっちからも襲いかかってくる……戦争だ……みんな苦しんでいる」


「……共存する気は?」


「っ!そんなことできるわけが無いだろ!」


「確かにね、でも僕は1度できたんだ」


「ならなんで今こうなっているんだ!」


「……本当にその通りだよ……アイツの言う通りにすればよかったと今つくづく後悔してるよ……やっぱりあいつは間違わないやつだな……」


「……どうする?ネーヴェ」


「僕が責任をもってその魔王を倒そうかな?」


「?それは無理じゃないですか?」


そう、不思議そうに人間サイドのマチアが言ってきた


「?どうしてだい?」


「へ?いやだって、『氷魔王は勇者に力及ばず、人間と共存するという勇者の温情によって生き延びた』とも書かれていれば『その巧みな話術で世界を平和に導いた』とも言われていて……要は戦闘能力についてあまり書かれていないんですよ」


「……まぁ、たしかに今の僕ならそれで間違いないね」


「……どういう意味ですか?」


「……魔王様にも色々訳があるのです……ですが、本来の力なら……私ごときに苦戦したあなたがたではお話にもなりませんね」


「……まぁ、そうだなぁ、確かにネーヴェが本気でやったら……俺も秒殺だろうしなぁ」


「……まぁ、そうかもね」


魔王なんだから謙遜してもいいことなんてあんまりない

それに、実際事実だから訂正はしない


「……まぁ、力は取り戻したくないけどねぇ……」


「俺も……またああなるのは嫌だな……今度は死にかねない……」


「私も……もう1回アレと同じことが起こるのは大変ですね……ましてや今は魔王軍バラバラになってますし」


「だよね……よし、そうと決まれば君たちがめちゃくちゃに強くなってくれ

そうすればお互いいいことだらけだ」


「?何の話だ?」


「……まぁ、とりあえず今は逃がしてあげるよ」


「逃がす?今ここでお前たち……を……」


その威勢のいい言葉は最後まで続かなかった


「……やめろ、ザクラ、ローズさん」


「……っと、悪い悪い」


「……少し、やりすぎましたね」


2人の殺気に気圧され3人とも動けない様子だ


「……ま、それじゃあね、勇者一行さん

ローズさんは家においでよ」


「そうさせてもらいますね」


そうして、余裕で勇者に背中を向けてゆっくりと家への帰路をたどる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ